こんにちは。日本ではまだ残暑が続いているようですが、いかがお過ごしでしょうか。
こちらでは、先月15日の終戦記念日に、日本人が作った慰霊碑の前で協力隊員とともに黙とう。歴史の積み重ねにより今の私がいることに、改めて想いを馳せました。
それでは、先月の活動を報告いたします。
1.平成24年8月の活動
今月は、離島に行く機会が多くありました。まず2日に、アメリカ人調査団2名に同行し、ファイチュックと呼ばれる諸島までボートで1時間かけて訪問しました。この諸島は、日本統治時代に七曜諸島と呼ばれ、7つある島がそれぞれ日曜島~土曜島と名付けられています。
今回訪れたのはトール(水曜島)とラマヌン(日曜島)。その生活は至ってシンプルです。
電気はもちろんなし。飲み水・生活用水は雨水を利用し、石を置いただけの竈にマングローブの薪を用いて料理をします。そうした暮らしのためか、周りの海はとてもきれいで青く透き通って見えました。私が住んでいるウェノ島ではなかなか見られない景色。ラマヌン島の高台から、このウェノ島もはっきりと見ることができました。
また、21日には東京蒲田ロータリークラブの方が来られ、トノアス(夏島)とエテン(竹島)の島巡りに通訳も兼ねて行ってきました。
まず、トノアスで見たのは井戸。チュークでは基本的に雨水タンクを設置し、雨水を利用していますが、乾季など雨が降らない時期には雨水タンクが枯渇することがあるため、その時は井戸が大活躍するそうです。この他にも、大きな雨水タンクを購入できない家庭が利用しているとのことでした。
その後に、3つの学校を訪問。校舎が壊れかけているために、使われなくなった小さな薬局でかなり窮屈そうに授業を行う学校、1クラス50~60名いる学校、教科書が不足するなか6学年を2名の先生で教えている学校。どの学校も日本では考えられないような様々な問題を抱えていました。さらにチューク人が渇望している自転車の現状視察も行いました。(詳しくは「チューク州の現状視察~ロータリークラブでの活動」)
22日には、ごみ収集地域拡大のため、Sapouエリアでワークショップを開催。今回はいつもの内容に加え、亀の絵本を紹介しようと同僚が急きょやる気になって披露してくれました。
この絵本は、7月の記事でも記載しましたが、ポンペイ州にいる幼児教育の先輩隊員が作成してくれたもの。これを同僚がチューク語に翻訳してくれていたのです。私の中では9月以降に、学校でワークショップを行おうと計画していましたが、協力的な同僚を持てて幸せです。先輩隊員にも深く感謝。翌日からは、このSapouエリアでホーンコレクションを開始し、現在も収集は順調に行われています。(詳しくは「Sapouへのごみ収集拡大&亀の絵本」)
2.医療ごみの適正処理指導
8月は、これまでやりたいと思っていた病院訪問を行うことができました。そのきっかけは、公共のダンプサイトに注射針などを含む医療ごみがそのまま捨てられていたこと。早速、同僚と一緒に病院を尋ね、話を聞いてきました。
この病院では2つの焼却炉を持っており、医療ごみはここで焼却したのちに灰をダンプサイトに運ぶことになっています。
病院内には、バイオハザードマークと呼ばれる印がついた箱がいたるところに設置されており、使用済みの注射針などが入れられています。
病院の管理責任者に、ダンプサイトに医療ごみが持ち込まれていた写真を渡すと、驚きの表情を見せ、すぐに行動を起こすと言ってくれました。
そこで2週間後に再度訪れてみると、その後すぐにミーティングを行い、関係者間で話し合ったとのこと。このようなごみがなぜ、ダンプサイトに捨てられていたのか尋ねると、その時病院が所有しているごみ収集車が故障しており、収集ができないためにごみが保管場所に積み上げられていた。これにより、一般ごみと医療ごみが混ざってしまい、どちらか区別がつかないために全てをダンプサイトに運んでしまったとのことでした。病院内のごみ箱を覗いてみると、確かに様々なごみが混在しており、一目には医療ごみと区別がつかない状況。
そこで、私からも作成した報告書を渡し、「一般ごみと医療ごみで異なる色のごみ袋を使う」など、今後の改善策の提案を行ってきました。これらの提案に管理責任者も同意してくれたため、後はどう変わっていくかを、これから定期的に訪問する中で見守っていきます。(詳しくは「医療ごみの適正処理」)
3.この1ヶ月を振り返って
昨年もそうでしたが、8月は友達や大学の研究者など多くの方がチュークを訪問され、賑やかな一ヶ月となりました。おかげさまで、普段は行けない場所を訪れたり、たくさんの日本人と日本語で話したり、海中に泳ぐ亀や15頭のイルカの群れなどを見ることができ、美しい景色や海の中の写真もたくさん撮ることができました。日本の夏休みに感謝感謝です。
また、寄贈していただいた収集車もチュークの悪道に耐え大活躍しており、今のところ問題なく稼動してくれています。私の個人ブログにも書きましたが、最近ごみ収集車に乗る機会も多いことから、事務職にも関わらずごみ収集車に何度も乗せさせていただいた八王子市役所の同僚に、今になって改めて感謝しています。
実際にその中で学んだ、ごみを取り残していないか注意深く見ること、安全運転を常にお互いで確認し合うこと、住民には自分から積極的に挨拶することなど、これらシンプルなことが自然とできていることが、少しはこちらのスタッフの見本になれているのかなと思います。また、あの時の経験があるからこそ、収集スタッフにも物怖じすることなく意見を言い合う度胸を持てていますし(笑)。日本に帰ったら改めてお礼を言いたいと思っています。
最後に、震災から1年半が経ちましたが、こうして日本の皆様に支えられているからこそ、今ここで活動を行えていることに深く感謝し、残りの期間を精一杯悔いなく過ごしていきます。
平成23年度1次隊チューク州 前川健一
こちらでは、先月15日の終戦記念日に、日本人が作った慰霊碑の前で協力隊員とともに黙とう。歴史の積み重ねにより今の私がいることに、改めて想いを馳せました。
それでは、先月の活動を報告いたします。
1.平成24年8月の活動
今月は、離島に行く機会が多くありました。まず2日に、アメリカ人調査団2名に同行し、ファイチュックと呼ばれる諸島までボートで1時間かけて訪問しました。この諸島は、日本統治時代に七曜諸島と呼ばれ、7つある島がそれぞれ日曜島~土曜島と名付けられています。
今回訪れたのはトール(水曜島)とラマヌン(日曜島)。その生活は至ってシンプルです。
電気はもちろんなし。飲み水・生活用水は雨水を利用し、石を置いただけの竈にマングローブの薪を用いて料理をします。そうした暮らしのためか、周りの海はとてもきれいで青く透き通って見えました。私が住んでいるウェノ島ではなかなか見られない景色。ラマヌン島の高台から、このウェノ島もはっきりと見ることができました。
また、21日には東京蒲田ロータリークラブの方が来られ、トノアス(夏島)とエテン(竹島)の島巡りに通訳も兼ねて行ってきました。
まず、トノアスで見たのは井戸。チュークでは基本的に雨水タンクを設置し、雨水を利用していますが、乾季など雨が降らない時期には雨水タンクが枯渇することがあるため、その時は井戸が大活躍するそうです。この他にも、大きな雨水タンクを購入できない家庭が利用しているとのことでした。
その後に、3つの学校を訪問。校舎が壊れかけているために、使われなくなった小さな薬局でかなり窮屈そうに授業を行う学校、1クラス50~60名いる学校、教科書が不足するなか6学年を2名の先生で教えている学校。どの学校も日本では考えられないような様々な問題を抱えていました。さらにチューク人が渇望している自転車の現状視察も行いました。(詳しくは「チューク州の現状視察~ロータリークラブでの活動」)
22日には、ごみ収集地域拡大のため、Sapouエリアでワークショップを開催。今回はいつもの内容に加え、亀の絵本を紹介しようと同僚が急きょやる気になって披露してくれました。
この絵本は、7月の記事でも記載しましたが、ポンペイ州にいる幼児教育の先輩隊員が作成してくれたもの。これを同僚がチューク語に翻訳してくれていたのです。私の中では9月以降に、学校でワークショップを行おうと計画していましたが、協力的な同僚を持てて幸せです。先輩隊員にも深く感謝。翌日からは、このSapouエリアでホーンコレクションを開始し、現在も収集は順調に行われています。(詳しくは「Sapouへのごみ収集拡大&亀の絵本」)
2.医療ごみの適正処理指導
8月は、これまでやりたいと思っていた病院訪問を行うことができました。そのきっかけは、公共のダンプサイトに注射針などを含む医療ごみがそのまま捨てられていたこと。早速、同僚と一緒に病院を尋ね、話を聞いてきました。
この病院では2つの焼却炉を持っており、医療ごみはここで焼却したのちに灰をダンプサイトに運ぶことになっています。
病院内には、バイオハザードマークと呼ばれる印がついた箱がいたるところに設置されており、使用済みの注射針などが入れられています。
病院の管理責任者に、ダンプサイトに医療ごみが持ち込まれていた写真を渡すと、驚きの表情を見せ、すぐに行動を起こすと言ってくれました。
そこで2週間後に再度訪れてみると、その後すぐにミーティングを行い、関係者間で話し合ったとのこと。このようなごみがなぜ、ダンプサイトに捨てられていたのか尋ねると、その時病院が所有しているごみ収集車が故障しており、収集ができないためにごみが保管場所に積み上げられていた。これにより、一般ごみと医療ごみが混ざってしまい、どちらか区別がつかないために全てをダンプサイトに運んでしまったとのことでした。病院内のごみ箱を覗いてみると、確かに様々なごみが混在しており、一目には医療ごみと区別がつかない状況。
そこで、私からも作成した報告書を渡し、「一般ごみと医療ごみで異なる色のごみ袋を使う」など、今後の改善策の提案を行ってきました。これらの提案に管理責任者も同意してくれたため、後はどう変わっていくかを、これから定期的に訪問する中で見守っていきます。(詳しくは「医療ごみの適正処理」)
3.この1ヶ月を振り返って
昨年もそうでしたが、8月は友達や大学の研究者など多くの方がチュークを訪問され、賑やかな一ヶ月となりました。おかげさまで、普段は行けない場所を訪れたり、たくさんの日本人と日本語で話したり、海中に泳ぐ亀や15頭のイルカの群れなどを見ることができ、美しい景色や海の中の写真もたくさん撮ることができました。日本の夏休みに感謝感謝です。
また、寄贈していただいた収集車もチュークの悪道に耐え大活躍しており、今のところ問題なく稼動してくれています。私の個人ブログにも書きましたが、最近ごみ収集車に乗る機会も多いことから、事務職にも関わらずごみ収集車に何度も乗せさせていただいた八王子市役所の同僚に、今になって改めて感謝しています。
実際にその中で学んだ、ごみを取り残していないか注意深く見ること、安全運転を常にお互いで確認し合うこと、住民には自分から積極的に挨拶することなど、これらシンプルなことが自然とできていることが、少しはこちらのスタッフの見本になれているのかなと思います。また、あの時の経験があるからこそ、収集スタッフにも物怖じすることなく意見を言い合う度胸を持てていますし(笑)。日本に帰ったら改めてお礼を言いたいと思っています。
最後に、震災から1年半が経ちましたが、こうして日本の皆様に支えられているからこそ、今ここで活動を行えていることに深く感謝し、残りの期間を精一杯悔いなく過ごしていきます。
平成23年度1次隊チューク州 前川健一
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