ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

ごみ収集車の到着!!(その2)

2010-06-09 09:56:42 | コスラエ州
コスラエ州の濱崎短期SVです。
現在コスラエ州のごみ最終処分場で活動しています。

「ごみ収集車の到着!!(その1)」の続きとして、
ごみ収集車の贈呈式と収集車同乗記をお伝えします。

1.ごみ収集車の贈呈式
2010年5月20日(木)に「草の根無償資金援助計画」の第二期事業である2台の
ごみ収集車と290個のごみ箱を提供する贈呈式が州政府で行われました。
コスラエ在住の日本人全員6名(内JICA4名)、3自治体のMayer、DT&I,
KIRMA局長の州政府関係者が出席する中で、コスラエ州知事(Hon.Robert J.WeiDacher)の
車贈呈に対する謝辞、佐藤在ミクロネシア日本大使の贈呈の趣旨、期待などのあいさつ後、
大使からコスラエ州知事へ「ごみ収集車のキー」が渡されました。
いよいよ全州でごみ収集システムがスタートしました。


<Hon.Robert J.WeiDacherコスラエ州知事の挨拶>


<佐藤在ミクロネシア日本大使の挨拶>


<佐藤大使から州知事へ収集車のキーが渡されました>

式後、DT&Iの職員(SVのカウンタパートの一人、車の操作訓練責任者)の案内で
ごみ収集車を見学しました。
大使は2台の収集車の前部にデザインされている「日本・FSM両国の国旗」、
後部のコスラエ州のナンバープレート等を一つ一つ入念にチェックされながら
「ヨシ!いいぞ」と職員に声かけ、OKの手サインを出されていました。


<ごみ収集車の前で!佐藤大使を真ん中に、DT&Iの職員(訓練指導官)(左)とSV(右)>

2.ごみ収集車の活動開始
このごみ収集車2台は、神奈川県横浜市、愛知県江南市から寄贈されたもので、
2010年4月11日(日)の深夜にコスラエ上陸以来、点検も終え、またオペレータの訓練も
終えて満を持して出番を待っていました。
やっとこの贈呈式でその機会が訪れたわけです。

しかし、その翌日から活躍するものと期待していましたが、一向に動かず、
何と2週間後の6月4日(金)が初出動日となりました。
上陸後2か月弱も経っています。
この間いらいらしながら毎日「何故動かさないのか?」と局長に迫ってきましたが、
スタートする気配はなく、「ごみ収集車に関しては私に責任がある。
そのため「運用合意書」の締結が必要なのだ」との主張ばかりでした。

草の根無償資金援助の契約者が州政府のDT&Iであり車の管理責任はDT&Iにあること、
一方ごみ収集の実作業は自治体であること、このため両者は組織体が異なり、
運用に関して両者間の取り決めを、口頭ではなく「運用合意書」として書類上で合意・署名
(州知事、DT&I局長,自治体Mayerの三者)する必要があり、時間が掛るとの返事でした。

また、この日は、大洋州の気候変動キャンペーンの日(World Environment Day-Pacific
Adaptation to Climate Change)である、と同時にLelu 自治体がクリーン日として
「ごみ一掃の日」として設定している非常に重要な日でもありました。

さらに、ミクロネシア大統領も場合により来島する可能性があるとのうわさもあり、
老若男女、自治体の多くの参加者の動員がこの日は予想され、ごみ収集車の
初お披露目としては絶好の日だったのです。


<この日は多くの人達が参加しました>

平日に淡々と登場するのではなく、どうせならこの国のお国柄らしく?派手派手しく!とのことでしょう。
DT&I局長は、この車をバックに、日本からの車登場の紹介と、ごみ収集の協力依頼を
多くの参加者の前で演説しました。案外彼はこの演説がしたかったのかも分かりません。

私は毎日いらいらして登場を催促していましたが、この日をターゲットにして実は彼なりに
考えていたことだったかも分かりません。
ですから、大勢の人達を前にした「車登場」の紹介は、狙った通りの抜群の宣伝効果
を挙げたと思われ、そのことを車に同乗して肌で感じたものです。

3.ごみ収集車に同乗
この日、ごみ収集車にMayerと同乗し、Lelu 自治体の各家庭を一軒一軒ごみ回収に回りました。
Mayerは車の前部の助手席に率先して陣取り、「日本から来た新車でごみ回収に参りました!
ごみを出してください。」とでも言っているのでしょうか、車に搭載されているマイクを片手に
Mayerは大声を出して呼び掛けていました。
マイク搭載の車は珍しいことなのでしょう。Mayerはにこにこ顔で、かつすこしは緊張しながらも
楽しそうにマイクを掴んでいました。


<ぼろぼろの旧回収車。ちょっと見た目には、これで動かしていたの?が感想です>


<新車登場!>

私は、車の後部のステップに乗り、家から出されたごみを車に積み込む作業をしました。
時には分別が出来て無い家庭に対しては分別の仕方を教えて、正しい分別のお願いをしました。
正しい分別は一朝一夕では無理でしょうし、そのための活動は別途考えますが、街の人は、
ごみ回収の汚い作業をしている日本人の労働者?に驚くものの、やがてはいっしょになって
積み込む作業の手伝いをしてくれました。
積み込んだごみを、グワー、バリバリと押しつぶしながら一気に車の奥へプレスしていく
新車の威力を眼の前にして「これはすごい!」とコスラエ語で言っていました。
コスラエ語だからわかりませんでしたが、驚嘆している顔が多分そう言っているのだろうと
勝手に解釈しました。


<ごみの積込み作業(SV)。ごみを出している街の人達(後ろ向きの人)も協力してくれました>

各家の回収が終わる度に「クロー(ありがとう)!」のあいさつが返って来る声が、
かんかんの日照りで疲れている身体を癒してくれました。

新車によるごみ収集システムはLelu自治体からスタートしました。
ごみ一掃の日にふさわしくLeluの街はみごとにきれいな街に変わりつつあります。
贈呈式に参加した残り2自治体も順次スタートをするでしょう。
未だ賛意を示していない1自治体も、おそらく周囲の圧力で参加するものと期待しています。
しかしその日の到来まで、ごみ収集のスタートを迫りながらも、一方では辛抱強く焦らず、
彼らが自ら立ち上がることに注力を注ぐことが大事であると強く思いました。

コスラエ 濱崎 丘

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