19年式CBA-HA24Sのアルトが車検で入庫…
走行距離は6万キロ。
当工場のお客様からの紹介で始めて入庫される方なんですが…
この方は初め、前回車検をした業者に持って行ったそうで…その時にアイドリングでの振動が大きく気になっていたのでその事も伝えたらしいんですが…その業者にはこれくらいは問題ないですよ!と言われたそうなんですが…
さすがにオカシイと思い、知人に相談した結果、当工場を紹介して頂き、入庫したんです。
なので当然、整備履歴が無いのでまずはひと通り見積もりを出します…と言ったら悪い所は直して欲しい…という事なので…
見積りと平行して作業も進めていくことに…
で、まず明らかにアイドリングの振動が大きいので作業前に排ガステスターで測定。
すると、こんな数値…
明らかにどこかトラブルを抱えてる数値です…
まず、軽四4サイクルの場合…COは2%以下じゃないと車検には受かりません。
車両をリフトアップしてタイヤを外して下廻りを点検していると…
オートマのオイルパンが外した形跡があり…
液状ガスケットがコッテリと…
経験上、ボンドの塗り方やはみ出し方が汚い整備はロクなメカニックの仕事ではありません…
案の定、オイルエレメントからオイルが漏れてるし…
エンジン不調の原因もおおかた分かりました…
プラグを点検する為にコイルを外すと…
2番が焼けた様に黒くなっています…
1番、3番はキレイです。
プラグを外そうとすると2番のプラグが手で緩むほどユルユル…
圧縮や排ガスがプラグホールから漏れていたようです…
前回時の記録簿を確認してみると…
プラグの項目がレ点では無くC…と記入してあります。
整備士の方ならお分かりだと思いますが、この記録簿の記号でCとは掃除を意味します…
つまり、前回の車検時にプラグを外して掃除した…という事。
まあ、白金プラグを掃除…っていう時点で意味不明ですが…笑
その時の締め付けが甘かった為に緩んできたんだろうと推測できます。
2番のプラグは真っ黒ですね…
プラグは全交換、コイルもそんな状態なのでこれからの事を考え交換する事に。
他にもドライブシャフトのアウターブーツが…
こちらは破れる前で良かったですね…
破れてから交換…ではなく破れる前に交換するのが本当の意味で正しい整備です。
その他にもリヤのハブベアリングもゴリゴリしてるので交換する事に…
あとはエンジンオイル、エレメントやベルトなどなど…
おおかた交換部品も出揃ったので作業も進めていきます。
まずはドライブシャフトのアウターブーツを…
キャリパーやタイロッドエンドを外していきます…
これも外れる時の衝撃でリムーバーが落ちるのでちゃんと紐で吊っておかないとケガする可能性もあります。
こんな感じで…笑
ナックルの取り付けを外して
ブーツバンドを外してアウタージョイントを抜くんですが…
スライドハンマー用のアタッチメントは色々と作ってあるんですが、このサイズが無く…
急遽作る事に…と言っても溶接するだけです…
2つのナットを溶接して…
1つはドライブシャフトのサイズでもう1つがスライドハンマーのサイズ。
完成。
ドライブシャフトに取り付けて…
スライドハンマーで引っこ抜きます…
等速ジョイントも分解、洗浄…
新しいブーツをはめて、ベアリングも組んでいきます。
専用グリスを隙間なく入れて…
シャフトに組み付けます。
ブーツ内にグリスを目一杯入れてバンドをかしめて完了。
左も同じように作業してドライブシャフトは完了。
お次はハブベアリング。
プレスで抜きます…
新品のベアリングを圧入。
意外と知らない人が多いんですが…
この…スナップリングにも取り付ける向きがあります。
ドラムも組み付けて完了。
更にベルトを交換時にクーラーベルトのアジャスターボルトを緩めるとまたまた違和感が…
外してみると…
曲がってる…
というより自然に曲がる訳ないので…前回整備した人間が曲げたまま放置したんでしょう…
プラグといいオイルパンといい…アジャスターボルトといい…
さすがに呆れてきますね…笑
オイルエレメントからの漏れも締め付け不足が原因です…エキゾーストパイプがすぐ下にあるので最悪の場合、車両火災の可能性だってあります。
こんな整備しか出来ないなら整備士辞めた方がいいんじゃない⁉︎
少なくともお金をもらって整備してるプロとしては失格ですね…
とまあ、怒りは置いといて…
オイルやエレメント、ベルトやブレーキオイル、
プラグなども交換して…
整備完了。
試運転して問題がない事を確認して
最終確認で排気ガスを…
正常値に戻りました…
ただ、最後にデータを見ててもう1つ気になる点が…
点火時期が9°BTDCと少し早め…
この車両の場合、通常は完全暖機状態なら5°BTDCが正常値なんですが…
イニシャル点火を固定にしてタイミングライトで点火時期を確認すると、本当に若干ですがズレてるように見えます…
レジスターを交換して点火時期をリタードさせる事も可能なんですが…
そこが根本的な原因かどうかは微妙なところなので…
とりあえずO2センサーも排ガスも基準値内なので
ちょっと様子を見る事に…
にしても…
僕らは仕事上…車を詳しく見ればどんな整備が行われたかはおおよそ分かってしまいますが…車に詳しくない一般の方は分かりませんよね…
それをいい事に安さを謳い、いい加減な整備をする業者が多いのも事実です。
いつかの記事にも書きましたが…安いという事はそれなりの整備しかしていない…という事ですから…
信頼できるかかりつけの整備工場を持つ事を強くオススメします。
走行距離は6万キロ。
当工場のお客様からの紹介で始めて入庫される方なんですが…
この方は初め、前回車検をした業者に持って行ったそうで…その時にアイドリングでの振動が大きく気になっていたのでその事も伝えたらしいんですが…その業者にはこれくらいは問題ないですよ!と言われたそうなんですが…
さすがにオカシイと思い、知人に相談した結果、当工場を紹介して頂き、入庫したんです。
なので当然、整備履歴が無いのでまずはひと通り見積もりを出します…と言ったら悪い所は直して欲しい…という事なので…
見積りと平行して作業も進めていくことに…
で、まず明らかにアイドリングの振動が大きいので作業前に排ガステスターで測定。
すると、こんな数値…
明らかにどこかトラブルを抱えてる数値です…
まず、軽四4サイクルの場合…COは2%以下じゃないと車検には受かりません。
車両をリフトアップしてタイヤを外して下廻りを点検していると…
オートマのオイルパンが外した形跡があり…
液状ガスケットがコッテリと…
経験上、ボンドの塗り方やはみ出し方が汚い整備はロクなメカニックの仕事ではありません…
案の定、オイルエレメントからオイルが漏れてるし…
エンジン不調の原因もおおかた分かりました…
プラグを点検する為にコイルを外すと…
2番が焼けた様に黒くなっています…
1番、3番はキレイです。
プラグを外そうとすると2番のプラグが手で緩むほどユルユル…
圧縮や排ガスがプラグホールから漏れていたようです…
前回時の記録簿を確認してみると…
プラグの項目がレ点では無くC…と記入してあります。
整備士の方ならお分かりだと思いますが、この記録簿の記号でCとは掃除を意味します…
つまり、前回の車検時にプラグを外して掃除した…という事。
まあ、白金プラグを掃除…っていう時点で意味不明ですが…笑
その時の締め付けが甘かった為に緩んできたんだろうと推測できます。
2番のプラグは真っ黒ですね…
プラグは全交換、コイルもそんな状態なのでこれからの事を考え交換する事に。
他にもドライブシャフトのアウターブーツが…
こちらは破れる前で良かったですね…
破れてから交換…ではなく破れる前に交換するのが本当の意味で正しい整備です。
その他にもリヤのハブベアリングもゴリゴリしてるので交換する事に…
あとはエンジンオイル、エレメントやベルトなどなど…
おおかた交換部品も出揃ったので作業も進めていきます。
まずはドライブシャフトのアウターブーツを…
キャリパーやタイロッドエンドを外していきます…
これも外れる時の衝撃でリムーバーが落ちるのでちゃんと紐で吊っておかないとケガする可能性もあります。
こんな感じで…笑
ナックルの取り付けを外して
ブーツバンドを外してアウタージョイントを抜くんですが…
スライドハンマー用のアタッチメントは色々と作ってあるんですが、このサイズが無く…
急遽作る事に…と言っても溶接するだけです…
2つのナットを溶接して…
1つはドライブシャフトのサイズでもう1つがスライドハンマーのサイズ。
完成。
ドライブシャフトに取り付けて…
スライドハンマーで引っこ抜きます…
等速ジョイントも分解、洗浄…
新しいブーツをはめて、ベアリングも組んでいきます。
専用グリスを隙間なく入れて…
シャフトに組み付けます。
ブーツ内にグリスを目一杯入れてバンドをかしめて完了。
左も同じように作業してドライブシャフトは完了。
お次はハブベアリング。
プレスで抜きます…
新品のベアリングを圧入。
意外と知らない人が多いんですが…
この…スナップリングにも取り付ける向きがあります。
ドラムも組み付けて完了。
更にベルトを交換時にクーラーベルトのアジャスターボルトを緩めるとまたまた違和感が…
外してみると…
曲がってる…
というより自然に曲がる訳ないので…前回整備した人間が曲げたまま放置したんでしょう…
プラグといいオイルパンといい…アジャスターボルトといい…
さすがに呆れてきますね…笑
オイルエレメントからの漏れも締め付け不足が原因です…エキゾーストパイプがすぐ下にあるので最悪の場合、車両火災の可能性だってあります。
こんな整備しか出来ないなら整備士辞めた方がいいんじゃない⁉︎
少なくともお金をもらって整備してるプロとしては失格ですね…
とまあ、怒りは置いといて…
オイルやエレメント、ベルトやブレーキオイル、
プラグなども交換して…
整備完了。
試運転して問題がない事を確認して
最終確認で排気ガスを…
正常値に戻りました…
ただ、最後にデータを見ててもう1つ気になる点が…
点火時期が9°BTDCと少し早め…
この車両の場合、通常は完全暖機状態なら5°BTDCが正常値なんですが…
イニシャル点火を固定にしてタイミングライトで点火時期を確認すると、本当に若干ですがズレてるように見えます…
レジスターを交換して点火時期をリタードさせる事も可能なんですが…
そこが根本的な原因かどうかは微妙なところなので…
とりあえずO2センサーも排ガスも基準値内なので
ちょっと様子を見る事に…
にしても…
僕らは仕事上…車を詳しく見ればどんな整備が行われたかはおおよそ分かってしまいますが…車に詳しくない一般の方は分かりませんよね…
それをいい事に安さを謳い、いい加減な整備をする業者が多いのも事実です。
いつかの記事にも書きましたが…安いという事はそれなりの整備しかしていない…という事ですから…
信頼できるかかりつけの整備工場を持つ事を強くオススメします。