まずは以前の記事にも書いた車検で入庫していたトレーラーが整備中にフレームの亀裂が発覚した件…
とりあえず応急修理から戻って来たので引き続き継続車検の整備を行なっていきます…

こんな感じに亀裂の入っていたフレームは…


部分的に切り抜き移植されて返って来ました。

コレ補強じゃなく赤線の部分を切り抜いて同じ板厚の材料をはめ込んで溶接してあります。

でも…
メーカーとしては一度亀裂の入ったフレームは基本的には交換するそうで…
その為、今回は応急との事。
まあタンクローリなのでフレームというかドーリーASSYでの交換になるんでしょうね…
そりゃエライこっちゃ…
とりあえず車検整備の続きを…
引きずって溶けてしまっていたABSセンサーやブレーキシューも新品に交換。



無事にチェックランプも消え、過去故障コードも消去して完了。
お次はつい先日エンジンチェックランプが点灯してEGRバルブを交換したプロフィア …

またまたチェックランプが点灯したとの事で入庫…
今現在は点いていませんが…

診断機で故障コードを確認すると尿素SCRシステムでした。

下流側NOxセンサーの故障…
定番ですね…

しかしNOxセンサーってホントよく壊れますね…
その大半がセンサ部への水分付着による故障なんて話もありますが…
NOxセンサに限らず、空燃比センサやO2センサもそうですがセンサ部への水分ってNGですからね…
でもマフラー内と外気温の差で結露により発生する水分は防げませんし、エンジン制御による排気熱でその水分を早期に蒸発させる事もしてるようですが、それが上手くいってないって事なんでしょうか…
尿素SCR触媒で発生した水分は温度からも即蒸発するでしょうし…
水分による故障じゃないとしたら単なる耐久性不足とか…
まあどういう理由か定かではありませんが、とにかくよく壊れます…
イイですよ?それが数千円の物なら…
でも一個5万オーバーですから…
車によってはそれが2個も付いてる訳ですから…
今回のプロフィアは先月にもEGRの故障で15万近い部品代がかかってます…
それに加えて今回のNOxセンサ×2で10万超え…
困ったもんです…
まあ文句を言った所で直る訳では無いので交換するしかないんですけど。


ちなみにセンサーを取り外した穴から内部のDPFやSCR触媒をファイバースコープで確認…
こちらがDPF出口側…



約40万キロ走行していても、まっさらでキレイです…
これが正常な状態なんですよね。
前回書いた尿素水が混入したプロフィアのDPF状態はこんなんでしたからね…

SCR触媒出口側も正常な車両は当然ですが煤の付着はありませんが…

同じく前回のプロフィアのSCR触媒出口側はこんな状態。

それはそれとして…
NOxセンサを取り付けて完成…


その後NOxセンサがキチンと仕事をしてるか確認…
DPRを強制再生させてNOxセンサによるSCR制御に移行させます。
燃焼温度は問題なく昇温…

前後のNOxセンサは正常に機能してます…


という事でプロフィア も完了。
お次もエンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫したPA-FK71ファイター。
おまけにエンジンに力が無いような気がするとの事。
こちらも今現在はチェックランプは消えております…

走行距離は8万キロほど…
故障コードを確認すると…

色々と入っておりますが、気になるのはDPF目詰まり…
とりあえずデータを確認するとアイドリング状態にもかかわらず、差圧は8.0kPa…
明らかに高いですね…
更に全開時は…

67kPa…‼︎‼︎⁉︎
最大値は70kPa超え…
コレは異常な差圧です…
次に差圧センサが正常かどうかを確認する為に差圧ホースのマフラー側を取り外し大気圧対大気圧の状態にしてもう一度差圧を測定すると…

差圧は1kPaに…

という事で、差圧センサは正常に反応してるようです。
なので…
これはDPF内部のふん詰まりで間違い無さそうです…
ただ、この車両も微量ながらマフラー出口からは黒煙が出るので…
恐らくフィルターは溶損しているでしょう…
DPF詰まり&溶損による排気抵抗増、その為エンジンに力が無いと感じるんだと思います。
問題は何故DPFが詰まったのか…
燃料フィルターケースからサンプルの燃料を少量抜いてみるも特に問題は無さそうでした。
個人的に気になるのはコレ。


スパレスタ…です。
いまだに多くの石油精製工場や科学薬品工場なんかでは乗入れ車両に取り付けが義務化されてる所もあるようですが…
このスパレスタはマフラーから出る火の粉を防止する為の物で…
もともとはアメリカで発生していた山火事の原因が自動車やバイクなどの内燃機関から発生した火の粉がマフラーを通り抜けた事により、火災が発生したと言われており、その火の粉の飛散を防止する事を目的として普及した…なんて話は聞いた事があります…
まあ昭和の車なら十分あり得る話だと思いますが…(特にアメ車では…)
その時代からはもう30年以上も経つんです…
そういう意味で最近の車にスパレスタが必要かどうか。
私は必要無いと思います。
だって今時の車でマフラーから火の粉が出るなんてあり得ないでしょうに…笑
もっと言えば最近のDPF付き車両のマフラーエンドにスパレスタなんかつけたら間違いなく排気抵抗の増大に繋がりますよね。
そうなると必然的にECUは正確な差圧が分からなくなってきます…
正確な差圧が分からないという事はDPFの再生制御にも関わってきて、差圧を高いと誤判定する事で無駄に再生しようとする訳です。
つまり…
百害あって一利なし…状態。
という事でこちらはDPF交換とスパレスタ撤去の見積りです…
最後は何かの部品?の製作依頼。
整備工場ですが依頼があればこんなも仕事も受けます…笑
アルミ板をレーザーで切り抜きされた板にリブを溶接して欲しいとの依頼です。

リブの位置はツラから10mmの所にという指定なのでその通りに。
リブを仮付けして溶接ビードの長さを均一にする為にマーキング。


で、本溶接。



同じ物を何個も製作…



TIG溶接もトーチを水冷にしないとアルミの連続溶接の場合、熱くてトーチを持ってられない程になります…
まあ軍手で溶接してるのがそもそもいけないんでしょうけど…
しかも最初の1個目よりも最後の方が溶接が明らかにキレイになってる…笑


最初からこのレベルで溶接出来なきゃまだまだ未熟物ですね…
あとは引き取り待ちです…

お盆休みまであと少し…
しかし暑いですねぇ…
