メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

謎のエンジンO/H…その4

2016-04-29 00:37:43 | 整備
タイトルのパターンは限界がある為変えました…笑

本日は朝から昨日の続きです…

部品はもう全て揃っており、ヘッドとブロックも昨日戻ってきました。

で、ピストンがフルフロートだと思ってたものの、実際にはコンロッド圧入タイプのピストンだったので急遽SSTを製作。

当初はピン冷却をドライアイスで代用するつもりだったんですが、知り合いの酸器屋さんに聞いたら専用容器を貸してくれる…との事なので液体窒素を手配。

届くまでに他の作業を…
クランクシャフトの組み付け準備をしていきます。


新品のメタルを取り付けて、まずはオイルクリアランスの測定。

見にくいですが、プラスチゲージ入ってます。


キャップを規定トルクで締め付け…

再度キャップを外してクリアランス測定…

クリアランスは0.051mmで問題無さそうです…
上下4箇所…計8箇所で測定します…

1度クランクシャフトを取り外し、ゲージを綺麗に除去…
今度はエンドプレーの測定をします…
またまたクランクシャフトを取り付け規定トルクで締めます。

回転させて馴染ませた後、エンドプレーを測定。
スラストはスタンダードサイズを入れてます。


結果0.05mm…
こちらも問題無し。

サイドシールを入れてクランクシャフトの本組み。




ここで専用の容器に入った液体窒素が到着。

この液体窒素専用のマホー瓶…メチャクチャ高いんですよ…笑
この10リットルサイズでも10万以上はするんじゃないでしょうか…
液体窒素自体は安いもんです…
今回は5リッター注文。

液体窒素も来たのでピストンを組み替えていきます。
この手のエンジンはピストンやコンロッドの重量合わせは行いません。

ステンレスの容器に液体窒素を注ぎます…

のんびりしてると蒸発してしまうので手際よく作業を進めます。
新品のピストンピンを液体窒素に浸けて冷却しておきます…

これまた新品のピストンをジグにセット。

それと並行してコンロッド小端部をヒートガンで150度程に温めておきます…


頃合いを見てピンを取り出し。
当然、手では触れないのでこのようなフックで…



バルブシートなんかを交換する時もそうなんですが、こっからはスピード勝負です…笑
取り出してから約5~10秒くらいまでならピンは手で簡単に入ります。


他の2本も同じように組み付け。
ピストンピンの圧入はこの方法がベストです…
プレスだと何処かしらに圧力がかかってしまうのでピストンが変形したり、ピンが削れたりする可能性がありますから…


後は自然に常温になるのを待って、メタルやリングの組み付け準備…




シリンダーにピストンを組んでいきます…


コンロッドメタルのオイルクリアランスも0.06mmで問題無し。


更にインナープレート、カムシャフト、インジェクションカム、オイルポンプを取り付け…




と、本日はここまでで終了…

明日から連休に入るので続きはゴールデンウィーク明けになります…


それと、本日新しく入った新兵器…

フレックスタイプのマグネットスタンド…
ネックが自由自在に曲がり好きな所で固定出来るんですが…



正直…



使いずらいです…
いかんせん小回りが利かない…


買って損した。
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コンドル…エンストする。

2016-04-27 23:13:35 | UD
PK37Aのコンドル…

信号待ちをしてたら急にアイドリングが落ち込んでエンストした…との事。
再始動は出来たらしくそのまま当工場まで乗ってこられました…
エンジンは日野のJ08E…


現車を確認するかぎりでは今のところ不具合は無し…
アイドリングも安定してます。


次にスキャンツールで故障コードを確認…

故障コードも無し…

その後試運転をするもいっこうに症状は出ず…
データも特に気になるところはありません。



まあ症状と今までの症例から判断するとおそらくSCVの不良かと…
当然、確定ではありませんが…
SCV不良では今回のように故障コードが入らない事が多いんです…
経験上、J型のエンジンで言えばP0088なんかのコードが入ってればSCVでほぼ間違いないんですけどね…
それに故障コードが無くてもエンスト時の燃圧の下がり具合でSCV不良かどうかを判断出来るんですが…

今回は全く症状が出なかったので判断出来ず…


ただ、このまま納車してもまた再発する事は間違いないので、お客様には説明してとりあえずSCVを交換させてもらう事にしました。
在庫も持ってるので。
コレ…ちなみにUDではSCV単品での供給はありません。


早速、作業を開始。

J07やJ08は燃料エレメントのケースを外すと作業性が良くなります…



SCVを取り外します…


ゴミやホコリが入らないように注意…
軍手作業はNGです…

新品のSCV。
2種類あります…



組み付けて燃料のエア抜きをしてエンジン始動…
交換後はサプライポンプの学習値リセットが必要なので暖機させます…
リセット前のデータ

目標燃圧と実燃圧の差があります…

データをリセットして再学習させて…


燃圧差も無くなり、サプライポンプ学習も完了している事を確認して完了です。

コレで様子を見てもらいます…



それから…本日、エンジン屋に出してたブロックとヘッドが戻ってきました…



ヘッドだけでなく、ブロックも修正研磨が必要だったらしく研磨してもらいました。


3気筒ともホーニング、クロスハッチ加工を…


組み付け準備の為、エンジンスタンドにセット…

カムメタルを交換します…


圧入…



で、今日まで気付かなかったんですが…

このエンジンのピストン…


勝手にフルフローティングだと思ってたんですが、違いました…
コンロッド圧入タイプ…。

なので急遽、ピストンピン交換用のジグを製作する事に…



完成…

プレスにセット…

ピストンを傷付けないようにゴムシートをひいて…

ピストンをセットしてプレス…



抜けました…

圧入時にはピンを冷却するのには液体窒素が理想ですが…容器が無いのでドライアイスで代用します…

本格的な組み付けは明日からになりそうですが…


ドライアイス間に合うかな…








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バルブ&ピストンスタンド製作。

2016-04-26 02:32:20 | 製作
シリンダーヘッドやエンジンのO/Hなどの作業をする度にあったらいいなぁと思っていた物…

ピストンスタンドにバルブラック。


シリンダーヘッドやエンジンの作業などにしても外さなきゃならない部品は相当な数になります…

で、やっぱりその外した部品の置き場所を確保したり管理したりするのも意外と時間がかかるものです…
自分もそういった作業をする度にどこに置こうか迷ったりしてました。
ヘッド作業なんかではバルブの位置が変わると困るので当然しっかりと管理してやる必要があります…

バルブで言えば…今までは空いた段ボールに穴を開けて位置を書いて刺してたんです…

こんな感じで…


コレが結構手間と時間がかかるんです…笑
使える段ボール探したり、穴開けたり…と
デカイと場所も取るし…

そんな作業をする度に作ろう…と思ってたんですがなかなか本当に作るまでは至りませんでした…

が、最近ヘッドやエンジンの作業が立て続けに入って来てたので…今回とうとう作る事にしました。
(ネタも無いので…)


で、どうせ作るなら長く使えるように…とステンレスで製作する事に。
材料は全てホームセンターで…

ステンレスの丸棒と使えそうなブラケットやフラットバーなど…

まずはピストンスタンドを…
長さを決めてカットして溶接。

4トン車の6気筒ぐらいまでを目安に、サイズを決めました。
大型の6気筒にも対応させると結構ゴツくなってしまうので…

更に脚の部分とフラットバーを溶接。



出来合いの物を溶接するだけなので楽でいいです…笑

後は形を合わせて溶接します…


当然、焼け取り機など持ってないので後ほどバフ掛けします…

完成…


丸棒はもう少し太い方が良かったかな…
ピストン乗せるとこんな感じ。





次にバルブラックを…

このアングル材を使います…


だいたいのバルブに使えるように広めの間隔で穴を開けます…


24バルブまで対応…

脚の部分もサイズを切って溶接。



完成…






コレでピストンやバルブの管理が効率的になりました…













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続続…謎のエンジンO/H

2016-04-23 18:32:48 | 整備
またまた昨日の続きです。


シリンダーヘッド各部の点検…


ガスケット飛びを起こした3番を念入りに点検します。
バルブシート部にも錆が…


錆び取りをして…

オイルストーンでヘッド下面をキレイにします。




ガスケット飛びを起こした箇所が若干の虫喰い状態…

この程度なら修正研磨で再使用も可能です…


次にバルブの当たりを点検。
バルブフェースに光明丹を…

ムラなく…出来る限り薄く…且つ、柔らかすぎない粘度で…

当然ですが…1回で当たりを見ます。
エキゾースト側…


インテーク側…


エキゾースト側に若干当たりの悪い箇所がありますが、ラッピングで修正出来る程度だと思います…


お次はシリンダーヘッドの歪み点検。




こちらも特に問題ありません。


更にノズルテスターでインジェクションノズルの点検を…

このノズルテスターも最近では活躍する機会もめっきり減りましたね…
このテスターも4~5年前に買い替えてからは初めて使います…




ポンピングしても圧力上がらないなぁ…とよく見たらこのノズル…リーク穴がノズル途中にあるヤツ…
適当なガスケットを何枚か噛ませて再チャレンジ…


整備書がまだ来てないので基準値は分かりませんが3本とも13~4MPa付近で噴射して噴霧状態も良好だったんですが…1本だけ保持点検にてリーク気味…


圧が下がってきます…

問題のノズルはオーバーホールする事にします。
このエンジン…ほぼ全ての構成部品で単品供給設定があるので嬉しいですね…
最近の車はエンジン部品や補機部品なんかはASSY供給が主流ですからね…
点検、分解して悪い部品のみを交換して修理する…この当たり前の事が出来る…という事が嬉しいです…


そしてクランクシャフトの曲がり点検…


3気筒なのでど真ん中では測定出来ませんがなるべくセンター付近で測定…
結果振れが0.03mmなので0.015の曲がり。

こちらも基準値は分かりませんがおそらく問題無い数字だと思います…


コレでおおかた交換部品も出揃ったので見積り&部品の注文が出来ます。

あとは月曜日にブロックとヘッドをエンジン屋に加工に出してひとまず作業は中断です。






それと話は変わりますが…

部品待ちだったデフのO/Hしているダイナですが…予定では来週初めには部品が入荷する予定だったのですが…

熊本の地震の影響により納期が大幅に遅れます…との連絡があり、離れていますが少なからず影響がある事を実感しました…


微力ではありますが、被災された方々の1日も早い復興を願っております。





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続…謎のエンジンO/H

2016-04-22 23:39:49 | 整備
前回の続きですが…


相変わらず何のエンジンか分からずに作業しています…

前回はタイミングギヤの嵌合があまりにも固く外れなかったんですが…
その後エンジンの構成図を見てると、もしかしてタイミングギヤを抜かなくてもバラせるんじゃない⁉︎…って事で作業を再開。

インジェクションポンプとガバナーを取り外していきます…

なかなか変わった造りです…
インジェクションポンプのハウジングがシリンダーブロックと一体構造になっており、そこにプランジャー、インジェクションカム、ガバナーがそれぞれ別々に取り付けられてます。
パーツリストを見てると複数箇所にアジャストシムがあり、どうやら組み付け時は噴射タイミングなどの調整が必要のようです…
現車に合わせて調整出来る…という意味では良いかもしれませんね…


で、予想通りタイミングギヤを抜かなくてもインジェクションカムが抜けてきました…

初めからもう少し考えてれば…と反省。
無駄に炙ってしまったギヤは後で歪みの点検もする事に…

カムシャフトも普通に抜けてきました…



オイルポンプも取り外します…



ピストンを外す前にシリンダー上部のカーボンをスコッチブライトにて除去しておきます…
ピストンの状態を正しく判断するには必要な作業です…


ここからはエンジンを180度ひっくり返してオイルパンを外していきます。



コンロッドキャップを取り外してピストンを抜きとり…
1、2番のピストンは特に問題無さそうです…



問題の3番…

変形してます…
コンロッドは見た感じでは曲がりは無さそうです…


クランクシャフトも取り外していきます。



シリンダーを点検。
3番も特に気になる傷はありませんがサビが目立ちますね…
明らかに水分が混入した跡です。

他のシリンダーはクロスハッチも残っており全く問題無さそうです。


シリンダーの内径は3箇所ともほぼ同じ数値なのでホーニングで問題無さそうです。

各部のメタルの当たり具合もまずまずです…




カムシャフトギヤとインジェクションカムのギヤの振れや歪み…などの点検も。


炙ったギヤも問題無し…
良かった…笑

ブロックの歪みも無し。


シリンダーヘッドもバラしていきます…






やっぱり3番は錆びてます…


原因を探る為各部を点検してると予想してた通り、ヘッドガスケットが飛んでおりました。


激しく抜けてます…
コレで納得ですね…

やはり原因はヘッドガスケットが抜けてシリンダー内にクーラントが混入してウォーターハンマー…といった感じでしょう…
幸いにも見た目ではコンロッドは曲がってませんでしたが、オーバーヒートの可能性もあるのでヘッドも歪みの点検後、水圧テストに出す事にします…


なのでシリンダーブロックはホーニング、クロスハッチ加工…
シリンダーヘッドは水圧テスト…必要なら修正研磨…といった感じ。

ピストンやリングはこの際全部交換…メタル関係も全数交換してクランクシャフトはラッピングを…

バルブシートやガイドはまた明日点検してからどうするか決める事にします。




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謎のエンジン…O/H

2016-04-21 02:07:01 | 整備
まずは昨日の続きから…


クラッチ、ドライヤー、エアコンプレッサーをO/Hしたフォワード…

本当なら昨日中に完成させる予定だったのに最後のエア抜きの段階で水温が上がらず戦意喪失して帰宅…

本日、朝から作業を再開…

サーモスタットを取り外し…


サビがそこそこあります…


リューターにワイヤーブラシを付けてキレイにします。



新品のサーモスタットを取り付けてケースなどを組み付けて再度エア抜きを行います…


データで水温を確認。

水温も上がるようになりました…
外したサーモを調べるとシールゴムが逝かれてますね…
画像だと分かりにくいかもしれませんが、ブヨブヨになってます…


原因も判明し症状も改善されたのでフォワードはこれにて完了です。


ここからが本題。
以前の記事でも少し書きましたが、先週…同業者さんからの依頼で持ち込まれた謎のエンジン。


今まで放ったらかしにしてた訳ではなく、色々と下調べをしてたんです…

で、三菱重工製の産業用機械のエンジンらしく、主に海外向けに多く生産されてるみたいです…

今回は圧縮が抜ける…との事でオーバーホールの依頼なんですが部品の供給やパーツリストなどを問い合わせてたんですが…

どうやら問題無さそうなので本日、空いた時間にエンジンの状態を確認…
エンジンスタンドにセットしてバラしていきます…



補機類を外してシリンダーヘッドを降ろしていきます…



見ると3番シリンダーに水が入った形跡があり…
軽いウォーターハンマーを起こしたようで…ピストンが変形してます。




こちらが1番…

コレが3番…


ヘッドガスケットが飛んでシリンダー内に水が入ったんでしょうか…
出てくる水も汚い汚い…



タイミングギヤを外そうとするも…焼き嵌めされてるらしく、異常に硬い…

カムシャフトギヤも…


炙っても抜ける気配無し…泣
今日はもう遅いし集中力も切れたので…また後日頑張ります…

とりあえずエンジン整備書も注文してあるので…それを見て作戦を練り直そう…



にしても…3気筒とはいえブロックが鉄なので回転させるのも一苦労…

ギヤ式の新しいエンジンスタンドが欲しい…


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フォワード…いろいろ作業。

2016-04-20 07:23:49 | いすゞ
20年式のFTR34フォワード…


クラッチのO/Hで入庫…

で、お客様の依頼でドライヤーからオイルが出てくるのでそれも修理して欲しい…との事。
どうやら1年前に他社にてドライヤーをリビルトに交換してるらしいんですが最近オイルの排出が多くて荷主さんに怒られた様子…

今の荷主さんはオイル漏れには厳しいですからね…

1年前に変えたのにオイルが出てくる…という事なのでおそらくコンプレッサーが原因でしょう…

なるべく安くして欲しいとの依頼なので今回はリビルトでは無くオーバーホールする事にしました。

で、部品を先に頼んでおき、本題のクラッチから先に作業する事に…

ミッション降ろして…

クラッチを交換していきます…


いい感じに減ってますね。
それにダンパースプリングが折れてます…


問題はコレ…



通常であればこのクラスのトラックならレリーズベアリングにグリスアップができるようにホースやニップルが付いてるんですが…
この型のミッションには付いておりません…
スラスト部分に油分は一切ありません。
それもそのはず整備要領書ではこの型のミッションにはレリーズベアリングとクラッチハウジングの摺動面にはグリスを塗らないこと…と書いてあります…

レリーズベアリングに特殊なコーティングをしてるのかも知れません…
結果それで問題なければいいんですが…

残念ながら…
ベアリングの摺動面にはキズが入ります。


そうなると当然ベアリングの動きも渋くなってくる訳です…
整備要領書には『塗るな』と書いてありますがこのまま塗らずに組めば悪化するのは火を見るよりも明らかなので…当工場では薄く塗ってます…
聞くといすゞさんでも塗ってるみたいですね…

そもそも何故グリスアップ出来ないような設計にしたんでしょう…
他の型のミッションはグリスアップ出来るのに…

仮にそこは100歩譲ったとしてもスラスト部だけ交換できない構造なのがオカシイんですよ…

グリスアップ出来ない→クラッチハウジングのスラスト部分が摩耗する→一体構造の為スラスト部だけ交換出来ない→クラッチハウジングを交換するにはケースをバラしてメインシャフトやカウンターシャフトを抜かなきゃならない…

というおバカな作りになってます。


今回はキズこそありますが軽度な為、ハウジングは再使用します。


パイロットベアリングを交換してディスクを取り付けていきます…




センターアライナー…
調整式なのでコレだけで小型から大型まで対応します

以前、知り合いのメカニックがこの工具の存在を知らなくてビックリした事がありました…笑

セットして取り付けていきます…



カバーを付けて規定トルクで締め付け。


後はミッション乗せて完成。




お次はドライヤーをO/H。

ドライヤーを取り外すんですが…これがスペースが無くて外しにくいんですよ…

自分は少しでもスペースを確保出来るように適当な物を間に噛ませます…
転がってたボルトですが…笑

コレで多少なりとも作業しやすくなります…

ドライヤー外して分解していきます。




リペアキット…

各部を分解…洗浄…交換していきます

古い乾燥剤を捨てて新しい乾燥剤を入れます…






ハウジング側も分解します…





ココにはグリスを塗らないように…

Oリングにはラバーグリスをぬります…


今度はガバナーやチェックバルブを…


このセンターのナットは触らないように…
リリーフ圧が変わっちゃいます…












ケースを組み付けて…


完成…


今度はエアコンプレッサーをO/Hしていきます…


コンプレッサーヘッドを外して…

案の定シリンダー内にオイルが上がってきてます。


で、シリンダーを外してピストンを抜いていきます…




ピストンは再使用で、ヘッド、シリンダー、ピストンリングは交換します。
新しいピストンリングを取り付けて…

シリンダーにセット。

高さの低いピストンリングコンプレッサーがあればいいんでしょうが、そんなものは無いのでシリンダーにピストンを半差しの状態で組み付けていきます…

こうしないと組めないんですよ…笑
コンロッドは車両側に残るので…

シリンダーが半分入った状態なのでピストンピンも入れにくいです…
で、ちゃんとスナップリングがかかってるかミラーで確認。

良さそうなので組んでいきます…


シートバルブを入れてヘッドを乗せていきます。





完成です…
後はクーラントの補充とエア抜きを…


水温のデータを見ながらエア抜きしていると…

水温が上がらない…泣

ここにきてオーバークールですか…
今日はもうやる気が無くなったので明日サーモスタットを交換する事にします…








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続続ダイナ…デフO/H

2016-04-17 13:25:20 | トヨタ
デフをオーバーホール作業中のダイナの続きです…

正確に言うと今回はデフ機構はノータッチなのでセミオーバーホール…と言った方が正しいのかもしれません…
デフピニオンやスパイダーもオーバーホールすれば作業的には面白くなりますが今回は悪くないので行ないません…


で、今回交換する対策品のドライブピニオン・リングギヤ・コンパニオンフランジの注文した時点での納期が2週間…
トヨタ共販は納期が早まる事がよくあるので、今回も期待してたんですが…



まだ来てません…笑


それ以外の部品は全部揃ってるので空いた時間を見つけて出来る作業を先に…

デフキャリアに新品ベアリングのアウターレースを圧入していきます…



でコレ…確か整備要領書ではSSTを使用してハンマーで叩いて圧入する事になってるんですが…
基本的にはハンマーでの圧入は好ましくありません…
キチンと確実に圧入するにはプレス圧入の方が正しいです。

で、サイズ毎のSSTなどあるはずもない当工場では取り外した古いアウターレースをアタッチメントとして使用します。


デフキャリアとアウターレースの当たり面をキレイに掃除して、新品のアウターレースに乗せて…

プレスしていきます…


圧入完了…



反対側も同様に…





出来る作業はココまで…
後は本当にピニオンシャフト・リングギヤ待ちです…





先日、車検で入庫していた日立製のトレーラー…

年式は…昭和42年製です…
お客様は殆ど使ってない…との事ですが…

荷台に蒲公英⁉︎が…




どうやら本当に使ってないみたいです…笑




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レンジャー…アイドリング不調。

2016-04-16 12:46:38 | 日野
ADG-FC7Jレンジャー…

アイドリングが不安定でアクセル踏んでないとエンストする…との事で入庫。

実際にエンジンをかけてみると…かかってすぐに排気のシャッターバルブが作動して、アイドリングがものすごく不安定になり…やがてエンストしてしまいます…
チェックランプは点灯していません…

どうやら、自動暖機モードか白煙防止制御の為にシャッターバルブが作動しているようなんですが…
アクセルを少しでも踏んでいればシャッターバルブが開くのでエンジンはエンストしません…

早速スキャンツールを繋げて点検してみます…
が、故障コードは無し。

で、SCVが悪くなると同じようにアイドル不調からエンストする事があるので…
SCVの作動状態と燃圧を点検する為データを確認すると…EGR開度がおかしな事に…笑
通常EGRの制御は暖機中は停止するので本来なら開度は0%が正常…

若干ではありますが数字も動くので、完全に固着してる訳でもなさそうです…
アクティブテストでもやっぱりEGRバルブ2が言う事をききません…


アクセルを踏み込んだ時もEGRは完全に閉じず…

試しに問題のEGRのコネクターを外してアイドリングさせてみます…


当然、EGRの制御はカットされ、チェックランプが点灯。


するとアイドリングは安定し、エンストする事もなくなりました…
と言う事で、犯人はEGRバルブで間違いなさそうです…

在庫もあるとの事なので早速作業にかかります…


J07EのEGRはインテークパイプ裏に取り付けられてるのでインテークパイプごと取り外さないといけません…
インテークのスタッドが邪魔になるので取り外し…
ハスコーのスタッドボルトリムーバー…
ネジ山潰さず外せます。
スライドハンマーを付ければダウエルピンなどにも使用出来ます…



でインテークパイプごと取り外し…

バイスに挟み、EGRバルブを外していきます…



分かってはいましたがカーボンが酷いです…
EGRバルブの不具合の原因もおそらくカーボンのせいでしょう…


EGRバルブのシャフトとバルブ部は…
これはEGR1…

こちらが問題のEGR2…

ていうかカーボンで埋まってますね…
これだけ固着してるのに故障コードが入らないのは多少なり数字が変化してたからでしょうか…⁉︎
本来ならEGRバルブ固着の故障コードが入っていてもおかしくないレベルだと思うんですが…


パイプ内の大量のカーボンをキレイに洗浄します…
ココだけキレイにしても洗浄効果はあまり期待出来ませんが、気休めぐらいにはなるかと…


こびり付いたカーボンはスチームで洗浄。

キレイになりました…




新品のEGRバルブを組み付けてエンジンに取り付けていきます…




作業上、クーラントが出てしまうので補充&エア抜きを…


エア抜きをしながらデータで各部を確認。


問題無さそうですね…

シャッターバルブが作動してたのはEGRバルブが開きっぱなしの為排気温度が上がらずにECUが自動暖機モードに入れたのでしょうか…
固着と判断してればチェックランプが点くはずなんですが故障コードは無かったので…

どちらにしても交換後はアイドリングも安定してシャッターバルブも作動する事なくエンストする事も無くなりました…

あとは水漏れなどの最終確認をして完了です…



そして同業者さんからの依頼で持ち込まれた謎のエンジン…
フォークリフトか何かのエンジン⁇


オーバーホールの依頼ですが…圧縮がヘッドカバーに抜けてくる…との事。
ファイバースコープでシリンダー内部を確認してみると…


ん⁇
ピストン割れてる…⁇


三菱製のエンジンのようですが…
まずは何のエンジンなのか?から調べる事にします…
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カローラ…チェックランプ点灯

2016-04-13 01:25:27 | トヨタ
NZE121カローラ

走行中にチェックランプが点灯した…との事で入庫。

確認すると点灯してます…


早速スキャンツール繋げて故障コードの確認…

アクセルポジションセンサ信号系統1…と出ます。

データ表示にてアクセルポジションセンサの電圧を確認してみます…
すると…

センサ1の電圧が0Vとなっています…
センサ2は1.6Vあります。

という事なので…
原因として可能性があるのは…

アクセルセンサーの不良…
配線の断線もしくはショートや接触不良…
ECU本体の不良…

この辺りに絞れます。


なので配線図を用意して、まずはECUからの電圧を点検…


写真がピンボケなので載せませんが…ちゃんと5Vの電圧が来てるので正常。
更にセンサーの信号電圧を点検…
データ表示通りセンサ1は0Vなので、次はアクセルセンサーの単体点検。

アクセレータは簡単に外れるので取り外して点検…

センサ1は…

センサ2も…

どちらも基準値内で正常。


となると残りは配線しかありません…

問題の配線を引き直した方が早いだろう…という事でコネクター直後からバイパスさせようと問題の配線を軽く引っ張ると…



抜けました…

おぉ…偶然にも断線発見…笑

ていうか、ピンのカシメが甘い⁉︎
ちぎれた…というより抜けた…って感じです。

同型のピンは無かったので現物を再利用…
カシメはもう使えないのでハンダで付けて、反対側はスリーブジョイントを…

接続して…


完成。


再度データで確認…

無事電圧も正常値に戻り、故障コードを消去して完了です…



そして本日はそれ以外に大した仕事も無かったので…

ダイナのデフを組む時に必要になるピニオン保持の為のSST…というかアタッチメントを製作。



こんな感じで使います…



更に残りのシムも大量に入荷…
歯当たり調整用のシムはこれで全部ですが…
プレロード調整用のシムがまだ20種類ほどあり、後日入荷します…

0.025mm単位で21種類ありますが、その中から使うのは1~2種類…


残った分は全て在庫になりますが…

役に立つ可能性は低いでしょう…笑






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