しばらくブログをサボっていました。
写真は撮り溜めていましたが更新する程の余裕は無く、相変わらず仕事に追われています…
ウチは8月が決算なので来月は色んな意味で大変になると予想してます…
早いところホームページも完成させて求人も出さなければ…
今年中にはメカニックを1人増員させたいと考えています。
少し前の作業になりますが…
ギヤオイルに5W-30トランスアクスルオイルを使用するタイプのミッションです。
ミッションからのオイル漏れが酷いという事でオーバーホールでお預かりです…

クラッチハウジング内はミッションオイルでベタベタ…

フロントシールからの漏れですね…
とりあえずミッション立てて分解の準備に入ります…

リヤケース分解…


6速ギヤやカウンターギヤの取り外し…
5速仕様に比べるとこの辺りの分解が追加で必要で、通常のミッションなら5速と6速は隣合わせがセオリーですがこのミッションは5速仕様と6速仕様の共通部品を多くするためか6速だけリヤエンドに後付けされたような構造になっています。

スピードメーターギヤに6速ギヤ…
更には6速カウンターギヤなどの取り外し。




で、メインケースの取り外し…

更にシャフトの取り外し…

クラッチハウジングやメインケースは洗浄…




今回はオイル漏れ修理でのオーバーホール依頼なのでシンクロやギヤ類も問題なければ再使用します。
問診時にも特定のギヤに入り難い事は無いとの事なので再使用出来る部分は極力再使用していきます…
とはいえ6速のニードルベアリングだけは少しカジり痕があったので交換しますが。

シール関係は問答無用で交換します…

ココにはグリスたっぷり塗ります…
初期なじみは重要ですからね…
後からグリスが足らなかったなんてのが一番困ります。
ましてやこのミッションは通常のギヤオイル粘度より遥かに低粘度指定なので当然漏れやすいですから…
で、掃除&シール関係の交換が終わったらシャフト類を組んでいくんですが…
このミッション…5速のカウンターギヤがシザースギヤになってるんです…

そのため、戻し状態でロックしておかないとシャフトを組む時にギヤを破損させちゃう可能性があるんですが…

その辺りの注意書きが整備書に記載されてないんですよね…
重要な事だと思うんですけど。
今回は適当なサイズのロックピンが無くて少々苦労しましたが…

で、更にシフトフォークを組み付け。


で、更にシフトフォークを組み付け。


キレイに掃除したメインケースも組み付け…
フランジ面はオイルストーンで修正済みです。

ピンボケですが、ケースを組んで更にベアリングの圧入。

で、ベアリング類の圧入も終わったらカウンターシャフトのプレロード調整…

通常この辺りはスナップリングで調整するミッションが多いですが、このミッションはシムで調整するタイプ。

ピンボケですが、ケースを組んで更にベアリングの圧入。

で、ベアリング類の圧入も終わったらカウンターシャフトのプレロード調整…

通常この辺りはスナップリングで調整するミッションが多いですが、このミッションはシムで調整するタイプ。
ケース端面からベアリングまでのクリアランスを測定…

数カ所測定からの平均値を出し、それに見合うサイズのシムを選定します…


数カ所測定からの平均値を出し、それに見合うサイズのシムを選定します…


今回使用するシムは2.41mm…

で、リテーナを組み付けて規定トルクで締め付け。

6速ギヤにカウンターギヤ、スピードメーター用のギヤも組み付け。




リヤケースも組み付け。


PTOやらシフトコントロールやら…


ミッションを横置きにして…


パレットに固定…



これにて作業も完了…
後は引取り待ちです。
お次は排気漏れ修理で入庫したプロフィア…
ターボとエキマニを繋ぐフランジからの漏れなんですが…
よく見るとまたボンドが塗ってある…

最近エキゾースト関係にボンド塗るの流行ってるの⁉︎
通常ガスケットが入る部分にボンドが塗ってある時点で嫌な予感しかしませんけど…
ターボを取り外すと…

ガスケット割れてるし…

オイル経路にも本来ならカーボンG/Kが入る所にボンド…

スタッドボルトもガタガタで全然固定されてない…
ボンドが塗ってあるって事はその時点で漏れるかもしれないという認識があったのは間違いないでしょう。

こんなやり方じゃそりゃあ漏れるって…

エキマニ側のネジ山が広がってしまっており、スタッドが締めきれない状態でした。
ネジ山もなんか修正した跡はあるけど、穴が広がっちゃってるのでまるで効いてない…

新品を入れてみるもガタガタだし斜めに喰っていくし…

こんなところから排気漏れなんて通常はあんまり無いですから…
それなのに漏れるというのは前回整備した時の方法に問題がある事が多いですね。
つまり人災。
とにかくこれではターボも固定出来ないし穴が広がっている為ネジ山も修正不可能なのでヘリサート加工で対応する事に。
ドリルでガタガタのネジ山は切り落とし…


新たに挿入するヘリサートに合わせたネジ山を切り直し…

ヘリサートを挿入…


新品のスタッドボルトがキチンと固定出来る事を確認して…

これでようやく正常な状態に戻りましたが、これは故障じゃなくて整備ミスの後処理作業…
後は元通りに組み付けて漏れが止まった事を確認して完了です。
他にもDPFの洗浄依頼も定期的に入ってきます。
こちらはお預かりしましたが…


残念ながら内部溶損の為、洗浄不可でした。
パッと見は分からないけど、よく見るとセルの中が埋まってます。


とりあえず洗浄は出来ないので交換ですね…。
こちらはプロフィアのDPF…
洗浄と再生修理の依頼。
接続面のよく腐るフランジリング…
固定をほどき、切り落とし。

新品のフランジリングを真っ二つにカットし挟み込み、仮に固定します…

位置決め…

で、溶接。

リング自体も本体に溶接固定。

再生完了。


あとは洗浄したDPFを組み付けて完了です。
それから関東からわざわざ寄って頂き、更に手土産まで頂いてしまいましたが…
やはり前向きな方との話は非常に有意義です…
T自動車様、ありがとうございました。
もっこすラーメン美味しく頂きました…
めちゃウマでした…笑
