車検、点検、細かい一般整備に加え続く時は続く重整備…








ツインコンデンサーの為、フロントタイヤ前方に加えラジエータとインタークーラーの間にもう一個コンデンサーがありエアコンラインを切らずにエンジンを降ろそうとすると非常に面倒くさいですが、今はエアコンマシンがあるので迷わずガス回収してエアコンのラインは切り離します…笑








クラッチディスクはズルズルの為交換。



吊り上げ…


ドッキング。




他には当然ありません…



更にスラストメタルにもジャーナル部分のメタルが剥離して噛み込んだ形跡もありました…







腐食進行中のパイプ。

これは滲んできてます…


よく穴開きませんでしたね…



ここはアイデアを膨らませて加工します…笑
当然重整備となると長いこと居座るわけで…
場所に余裕があれば全然問題ないですが、ウチの工場と駐車場の広さから考えると長期預かりは非常に悩ましい問題で…
限られた時間とスペースと人員の中では隙を見て多少無理をしてでもこなす必要が出てきます。
まずはディーラーさん経由で依頼されたダイナ。
事前情報ではオーバーランしてエンジンから異音がしてるのでエンジンを載せ換えて欲しいとの事。
現状エンジンはかかってはいるもののカンカンと音がしており…
オーバーランという事なのでバルブが軽く当たってんのかな?くらいの感覚で作業開始。
車両が入庫して間もなくデッカい木箱も届きました。
エンジンASSY…ではなくベアエンジン。

当然、ベアなので補機類は全て付け替える必要があります…
まあ承知の上で受けた仕事ですが…

まずは車両を定位置にセットして作業開始。

エンジンを降ろす為に細々したものを外していきます…





ツインコンデンサーの為、フロントタイヤ前方に加えラジエータとインタークーラーの間にもう一個コンデンサーがありエアコンラインを切らずにエンジンを降ろそうとすると非常に面倒くさいですが、今はエアコンマシンがあるので迷わずガス回収してエアコンのラインは切り離します…笑

で、ラジエータ、コンデンサー、インタークーラーをセットで取り外しゴソゴソしてエンジンを降ろします…



降ろしたエンジンは補機類の付け替えで作業性も考えてアングル材でN04専用⁉︎のエンジンスタンドを製作…
キャスターも付けて自由に移動出来るようにしました。

コレ作るのに2時間ほど費やしてる…(そんな事やってるから遅れるんだよな…)
ベアと降ろしたエンジンを横並びにさせて補機類の付け替え作業へ…

補機という補機は何も付いておらず、インジェクターすら付いていません…
でも何故かバキュームポンプだけは付いてるんだよな…

付け替えていく中で支給された部品にちょいちょい足りない部品があり困った…

オイルクーラー周りのガスケットが皆無のため追加で発注。

オイルクーラー周りのガスケットが皆無のため追加で発注。
以前のN04Cならここはボンドでしたがあまりに漏れるためかシートガスケットに変更されてます。


部品支給でも構わないんですけど選定だけはコッチでやりたいですね…笑
だって足りない部品があるとその都度作業が止まっちゃうし…
で、なんだかんだ補機類の付け替え作業も終わり…

クラッチディスクはズルズルの為交換。


組み替え終わったエンジンを車載する準備を…

吊り上げ…


ドッキング。


ゴソゴソして完成。
コレ以降の写真が無かった…笑
無事に旅立って行きました。
その後暇な時間を見つけて問題のエンジンを分解。(そもそもそんな時間的余裕はないんですけどね…)
だって中がどうなってるのか気になるじゃないですか…笑
分解の結果…
結論から言うと2番のクランクメタルにガタがありピストンとシリンダーヘッドが接触してました。
その事実を知った時点で思ったのは…
コレ、オーバーランが原因なのか⁉︎という疑問。

メタルがガタガタということは当然クランクシャフトも傷だらけ。


メタルはペラペラ…

他のクランク部分は問題なさそう…



メタルはペラペラ…

他のクランク部分は問題なさそう…

2番のシリンダーヘッド下面にはピストンと当たっていた跡がクッキリと。

他には当然ありません…

それから気になった事…
クランクシャフトを取り外すと、ジャーナル部分のメタルの当たりがすこぶる悪い。



更にスラストメタルにもジャーナル部分のメタルが剥離して噛み込んだ形跡もありました…


ジャーナル部のメタルは全体的に当たりが悪いです…
クランクシャフトの曲がりは今度時間がある時に測定してみたいと思いますが…

原因としてはクランクシャフトの曲がりかメタルの材質不良かクリアランス不良といったとこでしょうか…
はたまたブロックの加工精度の問題かもしれません。
登録から3年で走行距離も1万数千キロだし、エンジン内部含めカムジャーナルやコンロッド小端メタルには全くの問題がない所を見るとオイル管理の問題でもなさそうですしね…
それからちょっと気になったメタルの緑色のコーティング。
これ何コーティングなんだろう…
初めて見た。

次は車検で入庫したKL-のビッグサム。


下回りは錆が酷く、ブレーキパイプも塩カルで腐食してオイルが漏れていました…
漏れているパイプだけ換えたところで年式からもこの先のイタチごっこは目に見えてるので…
怪しいと思われるパイプは全て交換する事になったんですが、この年式だとパイプ系は恐らくほとんど製廃だろうな…という懸念が。
ところが意外や意外にも交換予定の半分位はメーカー在庫がありました。
全部製作してたらとんでもない時間がかかるところだったので少しホッとしましたねぇ…笑
車検整備と並行してブレーキパイプの交換。
在庫のあった部分は気にせず取り外し。

腐食進行中のパイプ。

これは滲んできてます…

これは完全にブレーキオイル漏れてるパイプ

他にも架装物のボルトがパイプと接触⁉︎してる部分も…

他にも架装物のボルトがパイプと接触⁉︎してる部分も…

よく穴開きませんでしたね…
ここのパイプも作り直してボルトを避けるように逃げ加工を施します。


そして製廃のパイプは地道に製作。
コレが本当に地味に大変…笑
向き、長さ、曲げ角度に曲げ方向…
ちょっと曲げては確認の繰り返し。


もちろんエンド加工はダブルフレア加工です。
ブレーキパイプ製作で巻きの銅パイプでしかもシングルフレアなんてあくまで応急ですからね…
加工は大変ですが耐久性も間違いない純正同等のストレートパイプを加工します…
こういう所の加工も地味に大変…
先に曲げちゃうとフレアナット入れてからフレアリングツールが入らなくなるし、かといって先にフレア加工すればベンダーが入らないし…

ここはアイデアを膨らませて加工します…笑
たいしたアイデアではありませんが。
で、末端にはダブルフレア加工…


こんな事を夜な夜な作業していました。
写真だとあっという間ですが車検整備と合わせて1週間くらいラインに止まってました…
その後車検も無事に合格して納車…
他にも色々とネタになりそうな修理もあったんですが写真を撮っていなかった為に断念…笑
業務的な部分ではこちらの事情で遅れていた損保の代理店登録もようやく済んだので、これからは保険の販売にも力を入れていこうと思いますが…
覚えなきゃいけない事がたくさんあり過ぎる…