Club野風増   岐阜・本巣100夢プロジェクト!

自転車、登山、テレマークスキー、カヌー・・・そんな情報が満載ですよ!!

東海道・見付宿から由比宿を走る!その3

2006-06-08 22:21:49 | Weblog
≪東海道・見付宿から由比宿を走る!その3≫

 府中宿の名の通り、かつてはここに駿河国の国府があったために付いた地名である。かの大御所、家康公が隠居所とした駿府城はここから来ている。町外れに出ると久能街道への碑跡があった。参勤交代で府中宿を通った大名が徳川家への忠義のために久能山東照宮へ参拝したであろうことは間違いがない。

 JR東海道線が東海道を分断していた。現代の大動脈が旧道をズタズタにしているのは仕方ないことか。申し訳に東海道記念碑というのが建っていた。

 更に裏道となって静かな東海道を進む。江尻宿(現清水市)に入る手前で清水追分と言う地名があった。ここより右折して清水湊へ至る分岐点であるという。角には今も追分羊羹の老舗が盛業していて、土産に一つ買ってみた。サービスに一口羊羹とお茶が出てきたのが嬉しかった。

 何度か道を折れて江尻宿の中心地を抜ける。角の小間物屋のお姉さんに道を尋ねると親切に方角を教えてくれた。松並木跡の碑を見ながら興津宿へと向かう。この辺りは国道1号線を行くため、快適さはない。右手には駿河湾が逆光を反射して眩しい。天気が良ければ正面に富士山が望めるはずであるが、今日は生憎の曇り模様で見えなかった。

 興津川を渡って左折し、少し上流より薩捶峠への道に入る。小さな集落を抜け、坂をうねうねと上って行くとお墓に出た。そこより階段状の遊歩道を担ぎで上がり、海が間下に見えるところより少し上で峠に辿り着いた。今ではミカン畑になっている斜面はかなり急峻で、そこに付けられた東海道はかなりの難所と思われた。

 昼食代わりのアンパンをかじりながら駿河湾の絶景に見とれる。眼下にはJR東海道線、新幹線、東名高速、国道1号線と現代の大動脈が山際と海岸の間に集中しているのが興味深い。

 山の斜面へ水平に付けられた細い道を自転車で走る。ミカンの他にもビワの木も見られた。やがて一気に下りに入り、由比宿へと入っていった。山と海岸に挟まれた狭い街道沿いに建てられた家々には、今も懐かしい感じの風情が残っていた。今はサクラエビのシーズンらしく、お祭りをやっているようであった。

 自転車で旧街道を走るのは面白い。微妙な道路の起伏や曲り具合(視覚)手や足に感じる石畳や地道の感触(触覚)木や花の臭い(嗅覚)鳥の鳴き声(聴覚)今も盛業している美味し処(味覚)など五感で体感できる楽しみはクルマやバイクで走っても味わえないであろう。本陣、旅籠、高札場、一里塚・・・それが当時の物でなくても、その雰囲気に出会えるだけで値打ちがある。江戸時代の旅人の気分が味わえる自転車旅には当分はまりそうである。

東海道・見付宿から由比宿を走る!その2

2006-06-08 19:30:56 | Weblog
≪東海道・見付宿から由比宿を走る!その2≫

 大井川橋を渡って島田宿に入る。「越すに越されぬ大井川」と謡われ、軍事的な要因で橋は架けられなかったという。今でも川越遺跡として川会所、札場、宿などが残されていた。とても雰囲気があり、是非ともゆっくりしたいところだ。
 
 東海道ではないが、島田には蓬莱橋というのが大井川に架かっている。全長が900メートル弱で、ギネスにも認定されている木造の橋である。以前よりこの上を自転車で走りたいという念願がようやくかなった。

 国道1号線を走ったり、旧道を走ったりして藤枝宿を抜ける。藤枝では見るべきものは何もなかった。東海道を示す標識も見当たらず、あまり歴史に熱心ではないところのようだった。サッカーは有名だが・・・

 両側の山が迫ってきて、谷の中を行くようになると岡部宿であった。役場のところより右折し、カラー舗装のされた旧道を走る。雰囲気はまあまあで、当時の家並の風情も残り、本陣跡や今も残る旅篭の柏屋が印象的であった。屋内に置かれた人形にはドキッとさせられたが・・・

 廻沢口の交差点で国道1号線を渡り、旧道に入る。坂下地蔵堂の近くの民家で道を尋ね、急坂の道を押しで上がって行く。いよいよ宇津ノ谷(うつのや)の峠越えに入る。薄暗い樹林の下を黙々と歩くと、当時の旅人の苦労が分かるような気になる。最後は登山道のような急坂をよじ登って切り通し状の峠に着くことができた。とても当時のメインストリートとは思えない難所で、馬や荷車で荷物を運んだとは想像できない。駕籠に乗って通ったであろう殿さんでも我慢しきれずに怒り出したのではと・・

 なんとか自転車に乗って峠を下りたところより宇津ノ谷の集落が見下ろせた。谷の中に寄り添うように並ぶ建物は当時のままであろう。何百年という歴史を感じる風景であった。石畳風に舗装された道に自転車を走らせていると、軒先でお喋りをしていた老婆より話しかけられた。

 国道と平行している旧道を走り、橋を渡って萱葺きの家に突き当たる。ここがとろろ汁で有名な丸子(古くは鞠子)宿の丁子屋である。迷わず自転車を停め、お店に入る。黒光りのする梁、当時の旅人の携行品などが展示されていて、それだけでも価値がある建物だ。すり下ろした自然薯を麦飯にかけた“とろろ汁定食”を頂いた。

 夕方の6時も過ぎると薄暗くなり始める。旧道の坂を府中宿(静岡市)に向かって下りて行く。夕方のラッシュアワーのせいか、車が多くて神経を使う。安倍川に架かる橋を渡って府中宿の中心街に入っていった。