線引き

この新人NPさんから電話をもらった。病院の救急室で働くことになったよう。よかったね！

で、彼女に相談された。救急室で出会った彼はプライマリーがいない。アルコール依存があり母親が心配している。様子を見に行ってくれないか？と

？？？？その本意は？

彼は救急医から精神科への紹介をされたが、母親が言うにはそれも嫌がっていかないから紹介はキャンセルされるらしい。母親はとても心配していて何かできることはないか？と言っている。美加は依存医療ができるしアウトリーチもするから訪問ができないか？と言う。

私は医療者に診てもらいたくても行く術がない人を訪問している。それは家だろうがホームレスだろうが同じ理由。行く意思がない人を追いかけ回しているわけではない。だって医療を受けるかどうかも個人の自由で自由の権利を奪うことは医療者でもできない事。依存患者に対して何かできないかと気を揉む家族や友達は多い。しかし本人がその気にならなければ何もできないのが現代なのだ。危険を選ぶ権利だって認められているから。

新人さんにそのあたりをしっかり説明する。このような家族へのケアについてもだ。

あらあら、この新人さん、プロとしての線引きと言うか、倫理的考えと言うか学ぶ事がありそうですね。

冒頭写真:このスキー場はグレートディバイドと言い、BC州とアルバータ州の州境を跨いでいるのです。滑りながら２つの州を行ったり来たりできるのだ。ただの州境ではありません。グレートディバイドはBC州側の川は太平洋へ注ぎアルバータ州側は大西洋へ注ぐ違いです。ようは山脈のどっち側って事ね。それが写真左手奥なのだ。