診察中に患者がうとうとするのは私にとって良くある話。
ダウナーを使ったばっかり。
昼夜逆転の生活。なんたってホームレスだと襲われるのは夜が多いから。
で、先日の新患さんも同じケース。何度起こしたことやら。もっと目が覚めている時に来てくださね、と帰ってもらおうとすると、
「さっきからどうでも良いことばかり聞いているから眠くなるんだよ!病院の記録や警察の記録を見ればわかるだろ」と言ってきた。
「あのね、そういう情報より、どうしてあなたが今、私の目の前にいるのか、幼少期のことや家族のことやあなたが育った環境を知りたいのよ。そうじゃないと私はあなたのことが理解できないから」
と言ったら大きな目を開いて、泣き出した。この新患さん、長女と同い年です。
一言「母親に会いたい」と。
そこからは問診が進みました。そしてまた来ると。
どこがどうくるって、今の自分があるのかもわからなくなっている患者も多い。原因がわからなければ対策はできない。大切な問診です。
冒頭写真: 我が家のソメイヨシノが終わるとお隣の八重桜が咲き出します。窓からの光がピンクになるほど