走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

報告書

2015年10月21日 | 仕事
10年ぶりの政権交代となった総選挙から一夜明けて、興奮が止まないカナダ。

そんな大ニュースの陰でひっそり出された政府からの報告書。ページの報告書はカナダの西のBC州の当選速報が出される時間と同時だった。意図的にそうしたのではないかとの噂が出るほどだった。

で、なんの報告書かというと、先住民族に生まれた女の子の誕生から死までの政府の関わり、何が必要だったかを検討した結果だ。

ページは薬物中毒の母親の下に生まれ、政府によりフォスターケアというプログラムの元で里親に預けられる。しかしページは何度も母親の元へ返させられている。母親の中毒、売春婦として働く姿を見て、育ち、里親、シェルター、そして治療施設など90回以上も居住場所を変えていたページ。学校ではいじめられ、そして薬物中毒者の人口比率が高い、ダウンタウン イーストサイドで、OD(薬物を致死量以上摂取して)の結果死亡した。19歳だった。

生まれた時から政府が介入していたにもかかわらず、最悪な事態になったことに、世論が報告書を請求したのだ。ページは一人だけではない。私の患者の中にも多くの人が同様の経験を持つ。親に監禁された、暴力を受けた、性的虐待も受けた、、、彼らの過去の話は尽きない。

この報告書を作成中に様々な案が提案され、すでに実施されているものもある。こういう子供が少なくなることを願いたい。



写真はこちらから
http://www.vancouversun.com/news/metro/Turpel+Lafond+tells+Paige+tragic+story/11056164/story.html

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。