走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

予防的な医療

2023年11月20日 | 仕事

面白そうなプログラムが始まりました。


腰痛


プライマリーケアで頻回に診察する主訴トップ10に入る症状です。でもその中で背骨の手術の対象となる患者は少ない。しかし患者は苦痛を感じている。手術以外の治療には何があるのか?どうすれば症状は軽減するのか?治療が上手くいっていない分野の一つ。


脊椎手術ができる専門医の診察は数ヶ月から1年以上待たなければならない。MRIの待ち時間もとても長い。それを改善するための予防的ケアのプログラムだ。


すでにオンタリオ州で成功が認められ、あっという間に参加地域は広がり、BC州でも始まる。そのパイロットが私の働く保健機構で始まるのだ。


その説明会が先日あった。Webサイトはこちら。


RAC - Rapid Access Clinic for  low back pain

RAC - Rapid Access Clinic for low back pain

The RAC for Low Back Pain pilot is an innovative, upstream, shared-care model of care in which patients receive rapid low back pain assessment (less than four we...

 



患者用ページと医療者用のページがある。このプログラムに患者を紹介するためには紹介する側の医療者も教育モジュールを終了させておかなければならない。良い仕組みだと思う。外科医の診察の待ち時間が長いと書いた。それを聞いて外科医の数が少ないと考える人がほとんどだろう。しかし不適切な患者を紹介するプライマリーケアの医師やNPが多い原因だってある。実際先に書いたように手術が最善の治療となる患者は少ない。手術が必要ない患者はMRIの必要性も低い。よって医療システムの門番であるプライマリーケアの医師やNPの教育とツール(道具箱)を安定供給する必要があるのだ。早く適切な治療(手術以外の治療)が始まれば痛みは早くに軽減され、活動低下も起こらない。専門医への紹介は減り、手術が必要な可能性の患者の紹介率が上がる。MRIの待ち時間も短縮化される。


足りないものを足す医療ではなくて、無駄を省いていく発想。これでも十分医療の質向上(待ち時間の短縮化)と医療費削減を図ることができる。オンタリオ州では不必要なMRIの数を減らしたお陰で削減できた医療費は1年間で29ミリオンドルにもなる。


いかがですか?予防的な医療とはこのような発想もあるのです。


冒頭写真湯原温泉の砂湯の露天風呂そばには足湯もあります。しかし3つの混浴露天風呂が絶対的にお勧めです。女性の脱衣所は緊急ボタンもあります。あちこちにエチケットについて書かれている注意書きが書かあります。悲しいですね〜理性を失い馬鹿な行動する人間がいることを。女性の方は日中の明るいうちにいきましょう。水着着用OK。湯浴みを旅館から借りることもできます。



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