走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

特定行為研修終了者と診療看護師

2019年02月11日 | 仕事
特定行為研修終了看護師と診療看護師の違いについての話題も見かけます。違いがどうなのか?と言う議論とともによく見るのが診療看護師自身が特定行為を行なっている、、、実践例の報告です。

日本で特定行為を学ぶ為には指定施設で研修を受けるか、診療看護師の教育課程に入学する事。視点を変えれば特定行為研修で学ぶ医療行為は研修で学ぶ事が出来る内容だから大学院で学ぶ内容ではないとも言えるのです。では何故診療看護師は特定行為研修を大学院のたった2年と言う貴重な時間内に学ばなければならないのでしょうか?

これも以前書きましたが、私が行った大学院でのNP課程は単位数がCNSや管理ストリームの大学院課程の2倍近くで、とても辛かった。それでも十分な事を学んだ気がせず不安だった事を覚えている。それなのに日本ではその上に特定行為研修を入れている。となると私が学んだ内容より更に少ない計算になる。

以前にも書きましたが、カナダでの医療システムをアプライすれば、特定行為は学士看護師や他の医療者が出来る行為です。なので学士の看護師がやっている行為で、何故学士レベルの事を大学院で?となる。

そもそも、38行為を学んでもそれをキャリアで全て同時に使い続ける人が果たしているのであろうか?使う行為も頻度も就職先で変わるはず。それを使うかどうかわからないうちから、教えるのは時間の無駄と思える。知識も技術も使わなければ忘れるものですから。

診療看護師制度を作りたかったのにいつのまにか特定行為研修で収まったいきさつは分かっています。だからと言ってそれに乗ったままで、診療看護師は何であるかを売りつける事は出来ますか?

特定行為研修はその技術が必要な看護師の為に続ければ良いのです。認定と組ませるのは効率的なやり方だと思います。学士看護師の出来る事が欧米の学士看護師のように広がるわけですから、美味しい事だとおもいます。そして医師のタスクデリゲーションに大いに役立つでしょう。しかし診療看護師はそうは行きません。特定行為を抜きにしても診療看護師は日本の医療界に必要な職業だ、と言わせる確かなものが必要だと思います。

繰り返し言います。大学院は高度な看護学を学ぶ所で、診療看護師はそれプラス診断や治療が出来る医療知識を学ぶのですから特定行為研修終了者と診療看護師が同じであってはならないのです。

診療看護師の皆さん。修士号を取得した自負があるのなら、特定行為を切り離した活動内容で勝負してはどうですか? そうでなければ特定行為研修終了看護師に吸収される可能性の方が大きいのでは?現在の状況は数も政府と看護協会のバックアップがあるのはそちらの方なのですから。



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