走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

脳の活用

2020年10月19日 | 仕事
慢性疼痛疼痛学会3日目、最終日。

「病は気から」と日本では言いますね。痛みに関して英語では “pain is in your brain”.
この言葉のせいで多くの慢性疼痛の方々が必要な治療を受けれずに苦しんできた歴史があります。術後や癌による疼痛と違い慢性疼痛は何年と言う長い年月に持続する痛み。痛みの中には痛みの原因が見当たらないのに痛みが継続する場合もあります。良い例がファントムペイン。足や腕、乳房が切断されてないのに、そのない身体部分が痛む。

これらには脳の働きや特徴が関係しています。やっぱり痛みは頭の中だ!と言うためではなく、その脳を利用すれば痛みを治療できる!今回の学会でその部分に注目して具体的な治療を研究開発している発表者が数人いて、明日からの診療にも活かせるTipsを学んだのが一番の収穫。こちらはトロントにあるリスニングセンタービデオ。Autism と診断された子供たちが音によって回復する例をあげています。驚く成果です。脳の聞く能力を引き出して子供たちと繋がり、段階を経て通常のレベルへ持っていく。Autismの診断が取り消されて普通に暮している子供もいました。

音だけではありません。匂い、視覚(バーチャルリアリティー) を利用した治療の発表もありました。ビデオやその成果を見ると脳への可能性を感じます。

こちらはオーストラリアからのゲストスピーカーだったターシャ博士のビデオ。長いですが学会での講演にかぶっているので彼女が学会で何を話したか掴めると思います。彼女の論文はオープンになっているものも多いので検索して読んでみてください。


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