振り出しへ

ミニーに出会ったのは夏。薬物依存、サイコーシス、、、フォローアップの診察には現れなかった。

再会したのは10月。友人をOD(薬物を致死量摂取)で亡くし、薬物依存から立ち直りたいと強く決心した頃。毎週のようにクリニックを訪れた彼女。カウンセラーにも定期的に会っていた。薬物使用を辞めて3ヶ月後、住む場所もみつけホームレスからの脱出。
1月に入り全く姿を見せないミニー。嫌な予感。
ようやく彼女を街で見かけたのが一週間前。
同じところに住んでいて何も変わっていないと言う。私の気持ちはすっきりしない。

毎週診察していたのに、突然来なくなって心配したよ。近況を聞かせに来てよ、と伝える。

そして言葉通りに、診察に来たミニー。

話し方が夏に会った時に似ている。ミニーは今でも同じところに住んでいるが退去命令が今にも出されそうな状況。薬物使用も再開、鬱と不安症の症状が激しく、自殺企図もある。責めてもないのに「私は悪くない、暴力の被害者の私は誰にも理解されない、みんな私のことを見下している、誰も私の苦しみをわかってくれない、薬を使って何が悪い」と泣きながら訴える。

あんなに努力して薬物使用フリーになったのに、ホームレスになるのも時間の問題、、、。振り出しへ戻る、、、、なんて簡単に戻ってしまうんだ。頭ではわかっていても辛い現実。

しかし戻ってきてくれた。また、これから少しずつ始めれば良い。



標高2500m にあるメサヴェルデ国立公園内にある、ホテルから朝日を見る