走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

期待と現実

2021年10月17日 | 仕事
医療の専門化はそ分野を専門に診てくれるのでとても助かります。例えばHeart Function Clinic は心不全のマネージメントを全部してくれます。初期は自分でマネージメントして進行に伴い紹介する、みたいな形。プライマリーケアにとって楽ちん。

学生の時に鬱と不安症は専門家に回すわけにはいかないからしっかり自分でマネージメントできるように診断と治療を理解しておくように、と言われたものだ。NPになってからその意味がよーくわかった。カナダBC州の精神科医は確かに他の疾患は高度な精神科医療が必要なので受け付けてくれるが、鬱と不安症はそうではない。入退院を繰り返すような状態で有れば違うが、プライマリーケアが診ていくのが通常。

で、先週の医師会での勉強会。メンタルヘルスがお題でした。前回もでしたがコミュニティーのメンタルヘルスセンターに対する文句が医師から多く出る出る。それを聞いていて、医師のセンターに対する期待とセンターのケアの内容がマッチしていない、と私は感じた(前回も同様のことを感じた)。その背景には医師は治療がうまくいかない患者を誰かに引き受けてもらいたい!と言う気持ちが強いように感じた。

私の場合学生の時から言い聞かされたことだし、センターに対する期待はゼロ。患者がセンターを拒否する事をセンター側が悪いと言う人もいたが、私はそう思わなかった。だって患者の中にはマジでテレビドラマで見るようなゆったりソファに座って長く話を聞いてくれる人が精神科医と勘違いしている人もいるから、現実的にどんなケアがあるのか紹介前に患者を教育するのはプライマリー側の責任だと思う。

とふつふつ思いながら、どう言うふうに話ば医師のプライドを傷つけずわかってもらえるか?考えながら自分の意見を述べた。どんなふうに受け止められたか知らないけれど、わかってもらえたら良いなあ、と思った夜でした。110人参加の会でNPは10人もいなかったから残りは医師。よく勇気出して言ったなと自分を褒める。もちろん後から、こう言えば良かったと英語のレッスン兼ねてお風呂でブツブツ復習をしましたが(笑

冒頭写真: カナディアンギース


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