
昨日の続きです。
統計やリサーチについての授業は皆無だった。ビジョンも持たないまま卒業してしまった、と感じる人たちはどうすれば良いのか?
これは非常に問題です。海外では学士と修士の間に徹底的に違うものがあり、どんなに実践で経験を積んでも修士修了者と並ぶものではないと、誰もが認識しています。だから看護師長には学士で十分、しかし高度実践看護師と呼ばれるAPNたちや部長クラス以上の職種には修士修了者を課しています。
このギャップを自己研鑽で埋めるのは可能なのでしょうか?かなりの疑問が残ります。統計やリサーチの知識は職場や有志の査読会に参加しながら、個人で看護統計学や看護リサーチ学を読んでみてはどうでしょうか?日本に看護系の統計やリサーチの教科書があるのか知らないのですが、海外のものを断然勧めます。スカラーによって書かれたもので、数年ごとに改訂されているからです。攻略本的なものは一切勧めません。日本だけですよ。そんな本が売れている国は、、、。
で、修士修了者以上の思考過程やビジョンはどうやって???
何度も書きますが2年(私の場合は4年)かけて気の遠くなるような数の書籍を読み実践の経験にアプライし級友や教授とディスカッションをし、論文は各授業で2〜3は書き続けたおかげで培ったものです。一夜や数ヶ月で得れるものではありません。強いて言うのなら実践の中で疑問を常に持ち続け、答えを見つける努力を惜しまない、でしょうか? この「疑問」も曲者です。何故かしら日本のAPNと話すと、
アウトカムを出すにはどうしたら良いか?
医師や上司(部長)に認めてもらうにはどうしたら良いか?
他の看護師に理解してもらうにはどうしてら良いか?
海外のAPNはどうやって社会的地位を得たのか?
どうやったら看護師の観察スキルが向上できるか?
と患者が入っていません。
APNの使命は国民の健康水準をあげる事。患者が主語にならない疑問は意味が全くありません。
私の場合、カナダの国民のプライマリーケアの受診の性別割合を見て、なぜ若年層の男性の受診率が低いのか?
ここから始まりました。そして今のシステムに何が欠けているから若年層の男性はプライマリーから離れていくのだろうか?とシステムギャップを見つける旅が始まったのです。
疑問を持てば、そこから徹底的に書籍を読み、データを漁ります。良い文献には多くの参考文献があります。そこらへんも読みます。図書館司書に頼んでリストも出してもらうか、自分で検索します。もちろん英語の文献を勧めます。翻訳を待つ時間はありませんから。
英語ができない?英語ができるようになれば良いのです。月の100冊ぐらい読むようなスピードですれば英語のセンスも磨かれます。速読もできるようになります。読む意味のないくだらない文献もいち早く気づくようになります。そう言う繰り返しでしょうか?
とにかくhow to do 的な考え方からおさらばすることです。そして常にHow to think を意識してください。
もうすぐクリスマス。私のところには一足先に!新しい板がやってきた。