走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

やめたい気持ちとはうらはらに

2017年01月24日 | 仕事
何度も薬物から抜け出したい、とやってくる彼。結局仕事も失い無職になってしまった。事の重大さはよく理解できているようで、止めようという意思は強いのだけれど、治療計画を実行する行動力には欠けている。

カウンセラーと繋がることが出来ない。鬱の薬を飲み忘れる。不安に襲われると薬を使いたくなると。数週間辞めてもその後2ー3日たて続きで使用して後悔して私のところにくる。

止めたくても止めれない。誘惑に勝てない。だから治療施設に入所して薬から離れたい、と彼は言う。

んんんんー入所しても誘惑は外と同じようにありますよ。

ギターが大好きな彼は音楽療法を通して薬物を断ちたい。カウンセリングだのプログラムとか難しいことはしたくないと。

んんんんー。音楽療法は良い考えだ。しかしただ弾くだけはギターで気をそらしているだけで治療ではないのよ。薬に依存している事を認識した上で、薬に頼らなくても生きていけるスキルを学ぶことが大事なんですよ。

と話したが、どこまでわかってもらえたのか。モチベーションインタビューも使ったけど。

治療施設のリストをあげて、自分で調べるように伝えた。これが今週の宿題よ、と。

止めるには始めるよりずっと膨大な気力と労力を必要とします。彼は口では辞めたいと言っても、本気で治療を受ける気はまだまだと印象を受けます。それを治療を受けたい、という気持ちに持っていく。大事な私の仕事の1つです。



週末にデートはグランビルアイランドへ。写真ではわかりづらいけどウニが大きかった!日本からのアジも売れてたわ。

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