走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

飲酒量

2016年03月07日 | 仕事
アルコール類にかかっている税金は政府の収入となります。政府は嗜好品に高い税金をかけて儲けているんだーという人がいますが、イエイエ政府がアルコール依存による健康障害にかけている費用はそれを越します。足りないくらいです。



最近立て続けにアルコール性脂肪肝を診断しました。それがどうした?!って表情をされますが、大変なことなんです。

脂肪肝はいづれ肝臓の組織を壊していきます。その残骸は健常な肝細胞より多くなり、肝機能はどんどん下がっていき肝硬変に変わって行きます。肝臓は体にとってとても重要な役割をこなす臓器です。肝臓機能をなくすと生きていけません。肝硬変になり臓器移植を待つ人たちは大勢いますが、移植肝臓には限りがあります。それに薬物(アルコールも含む)を使用している人は移植の対象から外されます。脂肪肝を悪化させないためにも禁酒はとても重要です。

なかなかピンとこない人が多く、黄疸が出たら禁酒するよとか、それじゃあ遅いんです!!!

看護学生の時は始めて解剖を見学した時の検体が肝硬変の方でした。食材として見る他の動物のツルツル表面でふっくらしたレバーとは全く異なるゴツゴツザラザラした、日からんで硬くなったスポンジのような肝臓が今でも目に焼き付いています。

アルコールの摂取の目安は国や地域によってばらつきがあります。アメリカの基準はかなり厳しいのでカナダの基準を紹介します。

ビール一杯、ワイングラス一杯、ショットグラスを一杯を1とみて

男性は 3/日 で15/週
女性は 2/日 で10/週

これでもアメリカより少し緩いんですよ。
飲酒量を見直してみてはいかがですか?



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