走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

良薬か毒か

2016年03月11日 | 仕事
昨日は一日中勉強会。今更ながら考えさせられる1日だった。 Therapeutic Initiative (TI) と言うところから来た講師。TIのセッションには学生の頃から参加していた。ポッドキャストも良く聞いていた。そう、過去形。久しぶりだった。 で、このTIは医療の常識を徹底的に分析して行く集団。医師や薬剤師が中心だ。様々な研究を検証し、何処にエビデンスがあるのか?ガイドラインはエビデンス . . . 本文を読む

人間として

2016年03月10日 | 仕事
長女が主治医を変えました。生まれた時に主治医になってくれた医師はとっくに引退。若い女医が引き継いでくれたけど、長女はその医師が嫌い。片道1時間もかけて行っているのに(昔はノースショアに住んでいたので主治医もそこだった)、ろくに目も合わせないし説明も短い。人間というより数字として診られている気がすると。 新しい女医さんは我が家から歩いていける距離。もちろん私はこの女医と顔見知り。私よりずっとベテラ . . . 本文を読む

嗜好品と健康障害

2016年03月09日 | 仕事
こちらがBC州で各種の嗜好品が健康に害を与え、その結果入院となったかの推移。 一番上の線がタバコ、2番目がアルコール、そして3番目が他の薬物。 タバコは肺がん、慢性閉塞性肺疾患を引き起こすので入院数はダントツで多い。それだけ確実に起こりうる健康障害だ。しかし近年の啓蒙活動で喫煙家は減少していることが入院件数の減少につながっているのか、グラフにも表れている。 それに比べアルコールと他の薬物 . . . 本文を読む

非アルコール性脂肪肝

2016年03月08日 | 仕事
昨日はアルコール性脂肪肝の事でしたが、非アルコール性脂肪肝症もあるってご存知ですか? アルコールを継続的に大量に摂取しなくても起こる脂肪肝。 肥満、糖尿病、高血圧、高コレステロールの方々に起こりやすい、と言われています。成り行きはアルコール性脂肪肝と同じなので、肝硬変に移行していないかモニターが必要です。 先週行った学会で、フルクトースがこの原因だと専門家の医師が言っていましたが、それを裏付 . . . 本文を読む

飲酒量

2016年03月07日 | 仕事
アルコール類にかかっている税金は政府の収入となります。政府は嗜好品に高い税金をかけて儲けているんだーという人がいますが、イエイエ政府がアルコール依存による健康障害にかけている費用はそれを越します。足りないくらいです。 最近立て続けにアルコール性脂肪肝を診断しました。それがどうした?!って表情をされますが、大変なことなんです。 脂肪肝はいづれ肝臓の組織を壊していきます。その残骸は健常な肝細胞 . . . 本文を読む