miyabuの雑記帳

ボケ老人の無責任なお話

東北大震災から一年

2012-03-10 | Weblog
東北大震災から1年がたちました。昨年5月、大震災の写真集を掲載しました。その時、釜石市の沢田幸三さんという方が、二百数十枚の写真を撮影しました。私の掲載写真は、その一部でした。きょうは、地震発生の、昨年3月11日午後2時45分から、第一次津波の止まった3時25分までを、沢田さんの体験記から、紹介させていただきます。

釜石市・沢田幸三さん体験記

通夜の運送業務を終わり、洗車や、報告者の作成をして、風呂に入ってから退社。買い物をして、昼過ぎに港湾に面した港町の自宅に戻った。洗濯機を回して、2階の居間で昼食をとっていたら、高校の後輩、磯田志信さんが顔を出し、コタツを囲んで雑談。

前触れも無く、いきなり家ごと揺すぶられた。巨大な手のひらで、もてあそばれるように、上下左右に大きく翻弄される。「ゴー」という地鳴り。家がギシギシと音を立てながら、大きく揺れた。

揺れは10分ほど続いただろうか。・・・次第に治まり、やがてやんだ。「津波が来る」と直感し、・・・手元にあったカメラバッグを肩に、「落ち着け」と自らに言い聞かせながら、運動靴を履いて玄関を出る。

沢田さんは、近所のお年より夫婦を助けて、避難所に指定されている、国土交通省釜石港湾事務所に避難します。

3時20分。津波は川の堤防を乗り越えて、・・・怒涛のように牙をむき、建物を次々と粉砕して、トラックも藻屑のように押し流す。バケツの水をまいて路上のゴミを流すように、あまりにもあっけなく総てを破壊する。

21分49秒。港湾事務所の駐車場に津波到来。あっと言う間に10台ほどの車を流し、何軒もの家が形をとどめたまま流されてきた。22分10秒周囲総て水没。25分津波のうごきが突然止る。・・・生まれ育った街並みは、ズタズタに破壊され、隣の鉄筋3階建ての3階部分だけ、海面から頭を覗かしている。・・・ただ淡々と、津波に沈んだ街を見つめるしかなかった。・・・以下省略。