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「この世界には私が撮らなければ誰も見たことがないものがあるのだと信じています」by ダイアン・アーバス。   

フランスの短編映画のような『ルリユールおじさん』

2006-12-28 | MUSIC・MOVIE・BOOK・ART
いせひでこさんが今年出した絵本 『ルリユールおじさん』を最初読んだ時に思った事は
なんて上品な水彩画なんだろうと言う事とパリって全然変わってないじゃん。
いいなー、この雰囲気。
今年読んだ絵本で一番好きな絵であります。
勿論ストーリーも素晴しい。
いせさんは「絵描き」「1000の風 1000のチェロ」などの絵本やエッセイストとしても知られてる。
でも、これが僕が初めて読んだ、いせさんの絵本。

「パリの街に朝がやってきた、その朝はとくべつな朝のはじまりだった。」
どうです、いいでしょーこの出だし。
この短い文章の中に「朝」が三回入ってるのに不自然じゃない。
これだけで引き込まれそう。

パリの路地裏でひっそりお店を開いてる製本職人のおじさんと、こわれた本をお店に持ち込んだ女の子のお話。
おじさんの名前は ルリユール  ではない。
ルリユールとは製本職人の事だそうだ。

ペ-ジをめくっていくと最初のうちは左のページに女の子、右のページに、おじさんの情景が描かれてる。
女の子にルリユールの事を教えてくれた映画関係の本やポスターをあつかってる(と思われる)露店には『ニキータ』『地下鉄のザジ』『赤い風船』の名前を見つける事ができる。
あったあった、こういうお店がセーヌの畔に。

石畳、カフェ、古い建物、フランスパン
絵本の前半、冬のパリの街角が静かに静かに描かれてる。
1ぺージ1ぺージ、ゆっくり丁寧にちいさなドラマが進んで行く。
そして女の子はおじさんのお店で見知らぬ世界と出会う。

女の子の、おちゃめな会話が笑いを誘う。
フランス短編映画を観ているような優雅な気持ちになれると思う。

やっぱりヨーロッパの冬はいい。

「ルリユールおじさん」
いせひでこ作
理論社





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