チャアが事故死して今日で1年です。
昨年の7月30日も夏の暑い1日でした。ちょうどその前日、仕事から名古屋駅に戻った私は、そのまま直帰せず事務所へ汗をかきかき戻り、クロとチャアを散歩に連れ出しました。
夕方の風に吹かれながら 15分ほどいっしょに過ごせたのが想い出です。
出会った頃は私に対して1歩ひくような接し方だったチャアでしたが、馴れてくるとクロ以上に私を信頼してどこへ行くにも喜んでついてきてくれました。
いつも私の眼を見て、
「このまままっすぐ行くの?」
「曲がって行くの?」
問いかけながら、歩調をそろえ躯をすり寄せ、
「楽しいね、楽しいね」
と言ってくれているように感じました。
最後の前日、クロは草むらに寝転がり、チャアは私の横にじっと座って、時折なでると尻尾を振って応えてくれた、明日もそれ以降も続くであろうと疑わなかった夏の1日の想い出です。
飼い主でも飼い猫でもなく、お互いの時間の中でわずかな時間を共有しただけの私とクロとチャア。
でも飼い猫でない分、私にとって特別な猫だったのです。
そして事故死の当日は土曜日。
午前中事務所に出た私は、チャアのお別れに立ち会うことが出来ました。
いつも世話をしているNさんが、私が来るまではと待っていてくれたのです。
朝、いきつけの珈琲ショップに入ったら店長からチャアの事故の知らせを受け、駆けつけるとNさんをはじめとした数人の近所の皆さんが、箱に入ったチャアを囲んでおられました。
動物を焼いてくれる霊園が名古屋にあるのですが、チャアを連れて行くのは私がお別れ出来てから、とずっと待っていてくださったようです。
チャアはまだ暖かかったです。触ると口から一筋の赤い血が流れましたが撥ねられても轢かれずに済んだせいか顔も躯もきれいでした。
チャアは待っていてくれました。
あの日から1年。
今日も暑い1日です。
私は道々を歩きながら、風が通り過ぎるとチャアがいっしょにいてくれる、チャアが風の中にいる、と感じます。
チャア、いつもいっしょに歩こうね。これからもいっしょ。
どこへ行くの?まっすぐ行くの?楽しいね、楽しいね。
チャア、楽しいね。
チャアが最後に見送られた場所に花を供花。チャアがいつも寝転んだ芝生の雑草の花です。