長く絶版だった佐藤雅子さんの「季節のうた」が重版販売されてます。
「昭和40年代から50年代にかけて婦人誌等で家族への愛情にあふれた料理やすみずみまで行き届いた暮らしぶりを披露し、女性達の憧れの的だった主婦・佐藤雅子さん」と本の裏表紙に書かれています。
はい、でこの佐藤雅子さん、ご主人は現、日本国憲法起草にも携わり、法制官僚としては法制局長官まで勤めた方だそうです。
かって内閣法制局というのは大変な見識を有した法の解釈判断機関と聞いていますが、そうした法の番人の奥様ですね。
(安保法制懇から集団的自衛権の行使容認を求める報告書が提出されたタイミングで、偶然にこの本を読んだので感無量。。)
そうしたご主人を持つ佐藤雅子さんですがいや凄い。
家事も見識と思いましたです。
家計にゆとりがないととか、恵まれていないととか、そんな言い訳は佐藤雅子さんには通用しないです。
なんせのけぞったのが「1月」の章にある「台所のこと」という短文で、「私の台所覚え書き」という記載があるんですが、その中の37番目。
「ドレッシングを作るとき、はじめに油をスプーンではかり、次にそのスプーンで酢をはかると、スプーンについた油がむだなく流れとれます」
この一文にノックアウトをくらった私...
だって、いつも酢を先にはかって、次に油をはかって、最後に醤油をはかってドレッシングを作っていた私は、油がいつもスプーンに残るのをなんだかなあ、と思っていた矢先だったんです。
油、酢の順番なのね。。。
恐るべし、主婦の見識。
さらに。
「牛乳を温めるとき、なべの中を少量の水でしめしてから牛乳を入れて温めますと、もし焦がしても、簡単におなべの汚れが落ちます」
とか。。
いや、これは毎日こなす家事を、対象に対する真摯な姿勢と自分への問いかけで見事に科学へと昇華させた見識の1冊だワ、、と思った次第です。
裕福な家計とか主婦のゆとりなんて関係ございません。
こういうの(理屈に合う、ということですね)が大好きな私は、楽しく読ませていただきました。
佐藤さんの見識は、「知得、体得、納得』から生み出されたもの、要は「実際」から生み出されたものなのでは?
見識というのはそうした「実際」から育まれるものなのでは?
理論・理屈だけでは机上の空論、と思ったりして。。
はい、失礼しました。
閑話休題、ベランダのツル薔薇(シンデレラ)が咲き始めました。
小ぶりの花が房になって咲きますですね。
↓隣家に越境しそうな勢いなので断っておかねばならん..
↓花が重くておれそうになっていた一枝をカットし花瓶に