行雲流水

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仏心

2014年03月28日 | 禅の心
大哉心乎 天之高不可極也 而心乎出天之上 地之厚不可測也 而心乎出地之下 (栄西禅師『興禅護国論』)



大いなる哉 心(しん)や
天の高きは極むべからず、而るに心は天の上に出づ
地の厚きは測るべからず、而るに心は地の下に出づ
日月(にちがつ)の光は踰(こ)ゆべからず、而るに心は日月光明の表に出づ
大千沙界(だいせんしゃかい)は窮むべからず、而るに心は大千沙界の外に出づ」


 ここでいう「心」は、いわゆる感情をもった心ではなく、自分の中のもう一人の自分、自分を自分たらしめている心です。簡単に言えば、仏心とか仏性と呼ばれているものです。栄西禅師は、仏心は時間と空間を超越している久遠の命だと言っているのです。仏心はフロイトの提唱した無意識の世界や、ユングの集団的無意識の概念に似ています。仏心は人間の心の奥底にある無意識の世界の存在なのです。
 人間は悪いことをしても、仏心がいつも見ているのです。




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