行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

答えは1つとは限らない

2016年11月11日 | 仏の心
お寺の法事の折、三本線香をお供えしている人があると、それを見ていた老人が、

「線香は1本ずつお供えするもんじゃ。そんなことも知らんのか」

といさめました。それを聞いていた別の老人が、

「わしゃあ、和尚さんから、自分の分と、仏様の分2本お供えすると聞いたんじゃがの。2本が常識なんじゃよ」

といいました。

正直なところ、線香の本数などどうでもいいことなのです。

宗派によって考え方が違いますし、地域によっても違います。

たとえ、3本が正しいとしても、参列者が大勢いる場合などは1本で遠慮しておくことが良い場合もあります。

正しいことは一つとは限りません。

それを自分の答えだけが正しいと思い込んでいることを我見といいます。

「葬式のしきたりはどうじゃ」「法事のしきたりはこうじゃ」

と、長老面した人(若い人にもいますが)はいるものですが、地域や宗派によって違うのだということは心得ておいた方がよさそうです。

こうでなければならないというものがないというのが、空の思想です。





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