行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

闇があるから光がある

2012年09月25日 | 禅の心
闇があるから光がある

 これは、『蟹工船』の小林多喜二の言葉です。
 言い換えれば、影があるから光の存在に気づくと言ってもいいのかもしれません。釈尊は、人生は苦しみだらけである、人生は苦しみの連続であると説きました。しかし、苦しみがあるからこそ、小さな楽しみに気づき、不幸なことがあるからこそ、幸せなことが幸せなこととして実感できるのです。

 こうして考えてみると、「苦と楽」、「不幸と幸せ」は、一つのものの裏表であり、「楽」「幸」は単独では存在できないのです。闇だけの世界はないし、光だけの世界はありません。光が強くなれば、影もはっきりしてきます。
楽ばかり、幸せばかりの世界にいれば、必ず虚無感に襲われます。苦があるから楽しいのであり、不幸なことがあるから、幸せを感じるのです。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久遠の教え | トップ | 悪いことはしない »
最新の画像もっと見る

禅の心」カテゴリの最新記事