カンちゃん家には、芍薬が咲く時期になると思い出す事件があります。
それは、この花とは違う純白の芍薬の話。
病気になってしまい、買ってから何年もの間一度も咲いたことがなかったその花が、やっと蕾を付けた年のことでした。
小雨が降る中、お父さんが車に乗って出かけます。
部屋の中では、カンちゃんのお姉さんとお母さん、ペルちゃんのお母さんが、お茶を飲んでいました。
そして、衝撃映像を見ることとなったのです!
ズズズ・・・と変な音がして、お父さんが乗る車を見ると!
芍薬の鉢が、車に引きずられてゆくー
「あーっ」
叫び声が虚しく響きます。
数メートル走ると、鉢はスポッと抜け、むき出しとなった芍薬が引きづられて行く…。
次の瞬間、お母さんは風のように速い動きで玄関を出て、「待ってー!」と叫びながら走り去っていきました。
ドラマみたいに美女が雨の中を走るのなら良いとしても、割烹着を着たオバチャンがサンダルを突っかけ、髪を振り乱し、声を張り上げて走る必死なその姿は、笑ったら気の毒だけど可笑しかった
結局、1キロ弱追いかけたものの、残骸も見つけられぬまま戻ってきたお母さん。
帰ってきた車に芍薬が付いていることを願いつつ。
だけど、残念ながら芍薬は見つからなかった・・・。
そもそもこの事件、お母さんが車のトランクを閉めた時に、芍薬の葉っぱを挟んでしまったのが発端。
自業自得とはいえ、お母さんのショックはとても大きなものでした。
だから、可哀相な白い芍薬に代わり、新しく買った芍薬は特別大事にしています。
「サラ・ベルナール」
カンちゃんのお姉さんが好きな「ミュシャ」の絵のモデルとなった女優さんと同じ名前です。
それは、この花とは違う純白の芍薬の話。
病気になってしまい、買ってから何年もの間一度も咲いたことがなかったその花が、やっと蕾を付けた年のことでした。
小雨が降る中、お父さんが車に乗って出かけます。
部屋の中では、カンちゃんのお姉さんとお母さん、ペルちゃんのお母さんが、お茶を飲んでいました。
そして、衝撃映像を見ることとなったのです!
ズズズ・・・と変な音がして、お父さんが乗る車を見ると!
芍薬の鉢が、車に引きずられてゆくー
「あーっ」
叫び声が虚しく響きます。
数メートル走ると、鉢はスポッと抜け、むき出しとなった芍薬が引きづられて行く…。
次の瞬間、お母さんは風のように速い動きで玄関を出て、「待ってー!」と叫びながら走り去っていきました。
ドラマみたいに美女が雨の中を走るのなら良いとしても、割烹着を着たオバチャンがサンダルを突っかけ、髪を振り乱し、声を張り上げて走る必死なその姿は、笑ったら気の毒だけど可笑しかった
結局、1キロ弱追いかけたものの、残骸も見つけられぬまま戻ってきたお母さん。
帰ってきた車に芍薬が付いていることを願いつつ。
だけど、残念ながら芍薬は見つからなかった・・・。
そもそもこの事件、お母さんが車のトランクを閉めた時に、芍薬の葉っぱを挟んでしまったのが発端。
自業自得とはいえ、お母さんのショックはとても大きなものでした。
だから、可哀相な白い芍薬に代わり、新しく買った芍薬は特別大事にしています。
「サラ・ベルナール」
カンちゃんのお姉さんが好きな「ミュシャ」の絵のモデルとなった女優さんと同じ名前です。