みなさん、こんにちは。グッドウッド市川サービスセンター、サービスの前川です
空気も乾燥して、風邪をひいている人が結構増えてきましたね くれぐれも体調
には十分お気をつけ下さい。
オートバイ業界では昔から、冬になると乗れない時間を使い、エンジンオーバーホール
や、フロントフォークのオーバーホールなど、いつもよりも重たい整備の依頼を頂戴する
事があります。今回は、その一つをご紹介いたします。
ブレーキキャリパーのオーバーホール(分解点検修理)
※法令上、重要保安部品の為、有資格者による確実な整備が必要です。
↑ (例) BMW K1200S(2005年モデル) 走行約70,000キロ
すでに、キャリパーは取り外しした状態です ブレーキフルードを抜き取り、ブレーキパッドも外します。
ブレーキパッドや、ブレーキディスクは消耗した場合、目で見て交換時期がわかりますが、ブレーキ
キャリパーの内部は、目視では判断できません。タイヤホイールを浮かせた状態でスムーズに回るか
、ブレーキをかけてレバーを離した際に、引きずりを起こしていないかの点検をして判断します。
引きずり等があった場合、思わぬトラブルになる可能性があります。ベーパーロックやフェードを起こす
と大変です
今回はそのような症状はありませんでしたが、多走行しているための予防という意味での作業になりました
普段、何げなく使っている油圧式ブレーキですが、じつはキャリパー内部では、地味で凄い動作をして
いるのは、ご存じでしょうか
レバー操作により発生した油圧は、ブレーキマスターからホースを通り、キャリパーピストンへ伝わります。
レバーを離し、押し出されたピストンを戻すのがピストンシール部の「ロールバック」という動作です。
この地味な動作のおかげで、ディスクとパッドは引き離し(ブレーキの解放)がされます
ブレーキキャリパーのピストンシールもやがて、経年劣化します。すると、このシール(ゴム製)
も硬くなり、ロールバックができないと、ブレーキの引きずりを起こす事があります。
↑ キャリパー内部のパーツはすべて取り出します。(この作業が以外と苦労します)
↑ 取り出したピストンとピストンシール、エア抜き用スクリューの一式です
↑ シールの入る溝に汚れを発見 キズを付けない様、丁寧にブラシ等で清掃します
この汚れがロールバック不良の原因にもなります。
↑ キャリパー内部をキレイに掃除したら、新品のピストンセットを組み付けます
異径4ピストンなので、サイズを間違わない様に装着します
細いのはダストシール、太いのはピストンシールです。
組み付けにはグリスを忘れずに。
↓ 丁寧に部品を挿入していきます
↓ 組み付け完了
フロント側だけでピストン8個ですので、やや大変です
↓ 車体に装着。ホースつないだら、ブレーキフルード注入。そしてエア抜き作業で完成
作業後は、気持ちが良いくらい、ホイールがスルスルと回転いたします
「ハイ! いつもより、たくさん回っております!」と、なぜか傘を回す芸人さんが頭に浮かびます
動くところは、全て消耗品です。定期的な点検、整備がオートバイライフを安心安全にしてくれます。
気になる方、是非おすすめですよ
気になる作業、整備のご相談がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。
車検、点検、修理のご用命はグッドウッド市川サービスセンター TEL047-396-8019
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