【北朝鮮】難波先生より

【北朝鮮】地下核実験のニュースで今朝2/13の「産経」も「中国」も何面かを埋めていて、見出しはまるでスポーツ紙だ。もうＴＶやインターネットで実験そのものはひろく知れわたっているので、だれも読まない。紙のムダだ。
　それより「北朝鮮の真実」について、なぜ「解説報道」をしないのか、できないのか。


　「TIMES ALMANAC年鑑 2013」には、この極悪非道の国を支えているのが中国と韓国で、日本も共犯者だと書いてある。
　なぜか。経済構造を見ると、北朝鮮の年間輸入額は2005年資料で、28億USドル。比率は中国40%、韓国37%、ロシア8%、タイ8%、シンガポール3%。輸出総額は13億ドルで、中国37%、韓国25%、日本10%、タイ10%、ロシア1%となっている。


　韓国が大騒ぎしないのは、北朝鮮との貿易が重要なウェイトを占めているからだ。「テロ国家再指定」を求めても、日本も北朝鮮からその輸出額の1割を輸入しているのだから米国も相手にすまい。それどころか、北朝鮮の輸入額にはあらわれていないが、核兵器開発に必要な戦略的装置が、第三国経由で日本から北朝鮮に輸出されている。


　そもそもの間違いは、「原子炉は核開発に利用される」と知りながら、アメリカが北朝鮮に軽水炉を供与したところにある。日本政府もそれに反対しなかった。なぜなら反対すれば、日本の原子力発電政策に反対する勢力の主張を認めることになるからだ。
　今の状況は日本とアメリカにとって、「身から出た錆び」なのだ。
　中国はどうせ同意しまいが、韓国と日本が「全面貿易封鎖」を実施すれば北朝鮮は崩壊する。やらないのは崩壊されたら困るからだろう。


　北朝鮮のGDP(2008)は248億ドル。総人口は2434万人、１人あたり年間所得は1000ドル。世界の最貧国のひとつである。国家財政は国債発行残高が125億ドルで、大部分が外債である。GDPの半額が借金になっているので、日本より悪い。
　農業生産物は米、ジャガイモ、トウモロコシがほぼ同量を占め、米は輸出にまわされるのでトウモロコシとジャガイモが主食である。都市化が進んでおり、平壌の人口は330万人、第二の都市ナンポは113万人、ハムフンが77万人、チョンジンが58万人、カエソンが35万人である。特権階層のみが都市居住を許され、出身成分の悪い「敵性階層」は、強制収容所か農村で強制的な労働に従事させられている古代スパルタのような農奴制軍事国家だ。


　社会福祉は極めて悪い。2007年の平均寿命は男60.6歳（日本79.3）、女65.8歳(日本86.1)だ、乳児死亡率は1000人当たり53.8(日本2.6)と世界最高のグループに入る。（不思議なことに医師１人あたりの住民数は299人と日本の464人よりも多い。）


　北朝鮮に関して不思議なのは、韓国と同じ通貨「ウォン」を採用していることだ。どうしてこうなったのだろう？「日帝時代」は「円」が使われていたはずだ。あるいは李氏朝鮮時代の通貨単位なのかもしれないが、新聞で解説を見たことがない。
　TIMES ALMANACを見ていたら「日本の領土」地図が載っていた。竹島は小さいので隠岐や対馬と同様に描いてないが、日本列島はちゃんと台湾沖まで延びているように描いてある。これは世界中で利用されている年鑑だから、その意義は大きい。参考までに添付しておく。（添付３）