ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【尿量】難波先生より

2013-04-17 12:59:31 | 難波紘二先生
【尿量】こういう経験をした。日曜日は宇和島・松山ともに暑かった。松山観光港で「コカコーラZERO」の中ビンを自販機で買ったが、半分くらいしか飲めず、呉行きの船内で飲み終えた。着いてすぐトイレに行ったのだが、JRバスの西条駅行きに乗り、小一時間すると尿意を感じてきた。あと20分くらいで終点に着くから我慢しようと思うのだが、どうにも我慢しきれなくなってきた。


 それで国道から広島大の方への道路が分岐するあたりの停留所で降りた。このあたりなら土地勘があるし、草地もまだ残っている。無理にバスに乗っていて、ちびったら大変だ。でまあ、生理的要求を満たしたのだが、その時ふと疑問に思った。
 「正常の膀胱の容量はどのくらいか?いったい、自分の場合、尿の容量がどのくらいになったら尿意を催すのか?」
 
 このメルマガ読者には泌尿器科の医師も多いから、ぜひこの疑問にお答え願いたい。いつか「中国」の医療欄である広島市内の総合病院の泌尿器科医が「尿意を我慢すれば、膀胱括約筋をトレーニングできる」と書いていたが、不随意筋がコントロールできるはずがないと、私は思う。


 で、火曜日、仕事場でぎりぎりまで我慢し、メスカップに尿を受けて計量してみた。320mlあった。尿管から膀胱に入った尿がまったく吸収されないとすると、12:00~18:00の6時間に3回は排尿するから、160ml/時間の流量になり、2.7ml/分ということになる。(してみると先日、宇和島で1000例目の腎移植の際に見た、24ml/分という流量はきわめて多いことになる。おそらくレシピは水腫状態にあったのだろう。)


 よくテレビで、「尿漏れのある方に」とか「夜中に何度もトイレに起きる人に」というコマーシャルをやっているが、幸い私は夜中にトイレに起きたことがない。もちろんおもらしの経験もない。が、「正常成人の膀胱容量はいくらか?」という疑問が生じてきた。(もっとも直腸にあるらしい「おならセンサー」の方はやや鈍ってきていて、おならと間違えて大きい方をちょびっと出したことはある。)


 「日本人人体正常数値表」という本で、膀胱容積を調べてみると、年齢および身長・体重により変化し、男性の最大は年齢が26~30歳、体重55~60Kgの660mlであるらしい。これは膀胱にカテーテルを挿入し、生理食塩水を注入して計測したもので、実際より多めに出ているかも知れない。


 加齢に伴い膀胱の容量が減少するのは確かなようだ。51歳以上では15%ほど減少している。計測は1955年のもので、60歳代、70歳代、80歳代の数値がない。320mlが私のいまの膀胱容量を表しているとすると、52%も縮小していることになる。これでは起きて仕事しているとき、しょっちゅうトイレに行くわけだ。(もっとも天気はよいし、気分転換と自然観察を兼ねて屋外で用を足すことが多いのだが、)


 幸い唾液はよく出るので、食事の前後には水分をとらない。仕事中はバリスタで入れたネスカフェを飲んでいるが、このタンク800mlが午前中に一回、午後に一回空になる。よって一升の水を飲んでいることになる。16時間起きているとして、時間流量が60mlだとすると、960mlしか尿としてでないことになる。残りの640ml+食物中の水分が、「不感蒸泄」として呼気及び皮膚からの蒸発により出て行かないと、勘定が合わなくなる。南山堂『医学大辞典』によると、これが約1000mlあるというから、私の「水代謝」は不感蒸泄が1000ml、尿が約1000ml、大便が400mlくらいになっているのであろう。


 大まかに体内の水の動きがわかったので、今度は「お酒を飲むとトイレに行きたくなるのは、なぜだろう」と考えた。ビールなら「水分の摂取量が多いからだ」といえるが、35%の甲類焼酎を3倍に希釈したものでも、コップ一杯200mlを飲むと尿意を催す。で、実験してみた。同じようにぎりぎりまで我慢して、尿量を計測すると今度は250mlに減少していた。


 どうも膀胱括約筋のところに「尿圧検出センサー」があり、尿意を感じても覚醒状態なら括約筋のコントロールが利いているが、睡眠中とか酩酊状態だとそれがゆるくなり、つよい尿意として感じられるのだと思う。私の場合、「ほろ酔い」だと膀胱の「有効容量」が覚醒状態から70mlつまり20%ほど減少するようだ。アルコールが神経筋接合部をマヒさせるのであろう。
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