1.汚染水のタンク容量は?
これは
http://www.t-kizai.co.jp/media/
を見て、「東京機材(株)」製で容量1800トンで、パッキンを使った組み立て式とわかった。原発敷地内にすでに930基ある(産経)というから、すでに180万トン近くが溜まっていることになる。
タンク1個の直径が12m。底面の面積は113平方mになる。1日400トンの地下水が流れ込み、それを組み上げてはタンクに移すと、4日半でタンクがいっぱいになる。
年に85基新設が必要となる。
さらにトレンチ(地下道)には7万5000トンの汚染水がまだ溜まっているという(産経)。タンク42基分である。いったい福島原発の敷地はどれほどの広さがあるのか?10年間、汚染水を溜めたら、2000基、1800万トンになる。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/130903/dst13090319280017-p1.htm
こんな感じで並べ行けば、すぐに敷地から溢れてしまうだろう。その時に遮水壁が使いものにならなかったら、どうするつもりなのか?
このタンクの増設・維持コストと永久凍土の作成・維持コストはいくらになるのか? このこともメディアはちゃんと報道してもらいたい。
また凍土を作るための冷媒は何を使うのか?冷却温度は何度か?パイプの素材は何か? 「循環方式」というが、長さ1.4キロを一つの循環システムにするのか、パイプ一本につき一個のポンプを付けるのか?メディが報じるべきことは多々ある。
2.汚染水と遮水壁
これも「産経」にわかりやすい図が載っている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/130904/dst13090413190006-p1.htm
要するに原発の後背地が斜面になっていて、山に降った水が地下水になって原子炉建屋に流れ込むのが根本の問題だ。
これは元々、原発立地として「地下水豊富」なことを求めたので当然だろう。
事故が起きたから地下水が増えたのではない。破壊された原子炉建屋地下に流入するから大問題になっただけだ。
図をよく見ると「ロイター配信」となっている。なるほど、こういうわかりやすい図を書けるメディアは日本にはないのだな。
「日経サイエンス特別号」、「雑誌ニュートン」、「朝日」、「読売」などが福島原発の特別号を出した。みな買ったが、原発周囲の地形図が一切載っていない。昭文社「復興支援地図」にもない。ダメだ。
この「ロイター図」を見ると、敷地が斜面であり、その勾配が地下水の海への流路を決定していることがよくわかる。
今やっていることは、原子炉建屋に流れ込む前の地下水をせっせと汲み上げて、山側の「一時保管タンク」に溜めているわけだ。
とても汲みきれないので、海のそばに銅の壁(パイプ?)と凍土の壁を作ろうというのだろう。この最大深さが地下40m。
しかし添付1に示すように、原発敷地の海抜は10m以下で、裏山の「北原地区」の標高は30m以上あるから、「パスカルの法則」により、凍土をつくっても迂回した地下水は高さ20m位まで水面が上昇する。つまり大きな溜池をつくるのと同じことだ。
溜池に溜まった水の重さと、地下水を流す重力のバランスがとれたところで、水面が形成される。
3.水抜きトンネル: だから北原地区に始まる地下水の流路を東向きから西向きに変え、長者原に流すしか根本的な対策はない。
添付図の左下に「A池」がある。この溜池の水は、今でも、用水路を通って、水産種苗研究所の脇で海に流れている。
ここの太い等高線が50mだから、池そのものは海抜30mの位置にある。
長者原は海抜20m以下の水田が主だが、用水路が南北に走り、A池の水と合流し、海に注いでいる。
このことについて、福島県の漁協関係者が問題にしていないのだから、特に汚染はないのであろう。
また、北原地区の東端海抜30m以上の林から、原発敷地内を排水路が海に延びているが、ここの表層水の汚染度はどうなのか?
これも報道に接しない。ここの水源付近の水の汚染度を測定すれば、原発事故の影響だわかるだろうに。
地下水の流路を変えるには、図の茶色の線に示すように、大熊町長者原の海抜20mの等高線に沿って、北原地区に向けて数本の「水抜きトンネル」を掘ったらよい、というのが、この間、私が主張してきたことだ。
旧日本軍はニューギニア戦を戦うのに、「50万分の1」の地形図しかもたなかった。ニューギニアは世界最大の島なのに。
福島原発事故を考えるに、詳細な地形図や地質図は欠かすことができないが、「国土地理院」の2万5000分の位置の地図しかない。
恐らく東電も、政府も、専門学者も、マスコミも、この地図すら見ていないのではないか。
そんなことではこの戦は負けるだろう。
地下20mのトンネルが水脈にぶち当たるとすると、私の常識ではそれは過去3年間に浸透した水ではない。
だからそのまま海に排出してよい。その分だけ原発敷地内に流れ込み、原子炉建屋にしみ込む地下水は減少する。
完全に流路を変えることに成功すれば、ほとんどゼロになるはずだ。
前回のメールに対して、豊田先生、小島先生から意見が寄せられた。ありがとうございました。
治水土木工学が専門の佐々木さん、地層を何十メートルにわたり、板状にそぎ取る技術を考案した地理学の中田さん、ぜひご意見をお聞かせ下さいませんか?
それと現地入りを何度もしている、鎮目さん、片山さん、ぜひご意見をお聞かせ下さい。
これは
http://www.t-kizai.co.jp/media/
を見て、「東京機材(株)」製で容量1800トンで、パッキンを使った組み立て式とわかった。原発敷地内にすでに930基ある(産経)というから、すでに180万トン近くが溜まっていることになる。
タンク1個の直径が12m。底面の面積は113平方mになる。1日400トンの地下水が流れ込み、それを組み上げてはタンクに移すと、4日半でタンクがいっぱいになる。
年に85基新設が必要となる。
さらにトレンチ(地下道)には7万5000トンの汚染水がまだ溜まっているという(産経)。タンク42基分である。いったい福島原発の敷地はどれほどの広さがあるのか?10年間、汚染水を溜めたら、2000基、1800万トンになる。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/130903/dst13090319280017-p1.htm
こんな感じで並べ行けば、すぐに敷地から溢れてしまうだろう。その時に遮水壁が使いものにならなかったら、どうするつもりなのか?
このタンクの増設・維持コストと永久凍土の作成・維持コストはいくらになるのか? このこともメディアはちゃんと報道してもらいたい。
また凍土を作るための冷媒は何を使うのか?冷却温度は何度か?パイプの素材は何か? 「循環方式」というが、長さ1.4キロを一つの循環システムにするのか、パイプ一本につき一個のポンプを付けるのか?メディが報じるべきことは多々ある。
2.汚染水と遮水壁
これも「産経」にわかりやすい図が載っている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/130904/dst13090413190006-p1.htm
要するに原発の後背地が斜面になっていて、山に降った水が地下水になって原子炉建屋に流れ込むのが根本の問題だ。
これは元々、原発立地として「地下水豊富」なことを求めたので当然だろう。
事故が起きたから地下水が増えたのではない。破壊された原子炉建屋地下に流入するから大問題になっただけだ。
図をよく見ると「ロイター配信」となっている。なるほど、こういうわかりやすい図を書けるメディアは日本にはないのだな。
「日経サイエンス特別号」、「雑誌ニュートン」、「朝日」、「読売」などが福島原発の特別号を出した。みな買ったが、原発周囲の地形図が一切載っていない。昭文社「復興支援地図」にもない。ダメだ。
この「ロイター図」を見ると、敷地が斜面であり、その勾配が地下水の海への流路を決定していることがよくわかる。
今やっていることは、原子炉建屋に流れ込む前の地下水をせっせと汲み上げて、山側の「一時保管タンク」に溜めているわけだ。
とても汲みきれないので、海のそばに銅の壁(パイプ?)と凍土の壁を作ろうというのだろう。この最大深さが地下40m。
しかし添付1に示すように、原発敷地の海抜は10m以下で、裏山の「北原地区」の標高は30m以上あるから、「パスカルの法則」により、凍土をつくっても迂回した地下水は高さ20m位まで水面が上昇する。つまり大きな溜池をつくるのと同じことだ。
溜池に溜まった水の重さと、地下水を流す重力のバランスがとれたところで、水面が形成される。
3.水抜きトンネル: だから北原地区に始まる地下水の流路を東向きから西向きに変え、長者原に流すしか根本的な対策はない。
添付図の左下に「A池」がある。この溜池の水は、今でも、用水路を通って、水産種苗研究所の脇で海に流れている。
ここの太い等高線が50mだから、池そのものは海抜30mの位置にある。
長者原は海抜20m以下の水田が主だが、用水路が南北に走り、A池の水と合流し、海に注いでいる。
このことについて、福島県の漁協関係者が問題にしていないのだから、特に汚染はないのであろう。
また、北原地区の東端海抜30m以上の林から、原発敷地内を排水路が海に延びているが、ここの表層水の汚染度はどうなのか?
これも報道に接しない。ここの水源付近の水の汚染度を測定すれば、原発事故の影響だわかるだろうに。
地下水の流路を変えるには、図の茶色の線に示すように、大熊町長者原の海抜20mの等高線に沿って、北原地区に向けて数本の「水抜きトンネル」を掘ったらよい、というのが、この間、私が主張してきたことだ。
旧日本軍はニューギニア戦を戦うのに、「50万分の1」の地形図しかもたなかった。ニューギニアは世界最大の島なのに。
福島原発事故を考えるに、詳細な地形図や地質図は欠かすことができないが、「国土地理院」の2万5000分の位置の地図しかない。
恐らく東電も、政府も、専門学者も、マスコミも、この地図すら見ていないのではないか。
そんなことではこの戦は負けるだろう。
地下20mのトンネルが水脈にぶち当たるとすると、私の常識ではそれは過去3年間に浸透した水ではない。
だからそのまま海に排出してよい。その分だけ原発敷地内に流れ込み、原子炉建屋にしみ込む地下水は減少する。
完全に流路を変えることに成功すれば、ほとんどゼロになるはずだ。
前回のメールに対して、豊田先生、小島先生から意見が寄せられた。ありがとうございました。
治水土木工学が専門の佐々木さん、地層を何十メートルにわたり、板状にそぎ取る技術を考案した地理学の中田さん、ぜひご意見をお聞かせ下さいませんか?
それと現地入りを何度もしている、鎮目さん、片山さん、ぜひご意見をお聞かせ下さい。
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