【親子】勝小吉は旗本男谷平蔵の三男(妾腹の子)として生まれ、7歳で幕臣勝甚三郎の養子となり勝家を継いだ。海舟はその長男である。
相当に破天荒な旗本で、首切り役人山田浅右衛門の弟子になり、刀剣の「土段切り」までしている。
刑死体を胴切りにして、刀の切れ味を試し、依頼人の旗本・大名から金をもらう仕事だ。町人の「千両博打」の護衛もしている。そういう無頼がたたって、親類縁者から37歳で隠居させられている。妻は武士の娘だったが、小吉は他に愛人ができてた。それを妻に話したら、「私がもらいに行ってあげるから、離縁してくれ」と答えた。
わけを聞いたら、「相手も武士の娘です。私の挨拶が悪いと、話はまとまりません。その時は自害します」というので、短刀を渡したという。信じられない話だが、彼の自伝「夢酔独言」(東洋文庫)に書いてある。
今朝の「産経抄」はその勝海舟の三男梅太郎が妾腹だったことを扱っている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130905/trl13090503080000-n1.htl
まあ、妾をつくり子を産ませるのは、男谷家の伝統だろう。「海舟が偉い」のでなく、小吉が偉いのである。
毎日「余録」はロールズ「正義論」を持ちだしている。いわゆる平等の基礎としての「無知のベール」だ。
http://mainichi.jp/opinion/news/m20130905k0000m070153000c.html
ロールズは生まれてきた社会の構成員を前提として話を組み立てており、「おなかのなかにいる赤ちゃん」にまで対象を拡張するのは間違いだ。
刑法に「堕胎罪」があるのに、昭和23(1948)年に「優生保護法」が施行され、その第14条で「人工中絶」が合法化された。この第4項に「経済的理由」があったから、堕胎は実質自由化されたのである。
芥川龍之介「河童」では、中絶する前に胎児の意見を聞くことになっているが、胎児の意見を聞いて中絶が行われた例は1例もない。
この「優生保護法」が成立してから、日本では人工中絶が盛んになった。「段階の世代」というのは、刑法の堕胎罪があり医者が中絶してくれない時代だったので、仕方なく生まれた世代のことである。それ以後は中絶が普及して人口ピークが減少する。人工中絶に保険は利かず、値段も医者によりまちまちだった。現金収入だから、昭和30年代、長者番付のトップにはいつも産婦人科医が位置していた。
だから戦後に開業医を目指したものは、まず産婦人科、ついで整形外科に向かったのである。
人工中絶も交通事故外傷も、当初は保険適用にならず、現金払いだった。しかも医師会が協定して1点単価を倍の20円に設定していた。
そこで、いくらでも脱税できたのである。今は「1人法人」が認められ、領収書発行の義務があるから、脱税はできない。
「覚悟としての死生学」を書いた時に調べたら、法制定以後に合法的に中絶された胎児の総数は、2,000万人を超えていた。「毎日」余録氏の不勉強ぶりが哀しい。
それにしても右の産経から左の毎日まで、「婚外子」に関しては意見が一致しているとは珍しい。
そんなら古代スパルタのように「子供の国有化」をやり、いっそ国家が育てる義務を課したらよかろうに。
相当に破天荒な旗本で、首切り役人山田浅右衛門の弟子になり、刀剣の「土段切り」までしている。
刑死体を胴切りにして、刀の切れ味を試し、依頼人の旗本・大名から金をもらう仕事だ。町人の「千両博打」の護衛もしている。そういう無頼がたたって、親類縁者から37歳で隠居させられている。妻は武士の娘だったが、小吉は他に愛人ができてた。それを妻に話したら、「私がもらいに行ってあげるから、離縁してくれ」と答えた。
わけを聞いたら、「相手も武士の娘です。私の挨拶が悪いと、話はまとまりません。その時は自害します」というので、短刀を渡したという。信じられない話だが、彼の自伝「夢酔独言」(東洋文庫)に書いてある。
今朝の「産経抄」はその勝海舟の三男梅太郎が妾腹だったことを扱っている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130905/trl13090503080000-n1.htl
まあ、妾をつくり子を産ませるのは、男谷家の伝統だろう。「海舟が偉い」のでなく、小吉が偉いのである。
毎日「余録」はロールズ「正義論」を持ちだしている。いわゆる平等の基礎としての「無知のベール」だ。
http://mainichi.jp/opinion/news/m20130905k0000m070153000c.html
ロールズは生まれてきた社会の構成員を前提として話を組み立てており、「おなかのなかにいる赤ちゃん」にまで対象を拡張するのは間違いだ。
刑法に「堕胎罪」があるのに、昭和23(1948)年に「優生保護法」が施行され、その第14条で「人工中絶」が合法化された。この第4項に「経済的理由」があったから、堕胎は実質自由化されたのである。
芥川龍之介「河童」では、中絶する前に胎児の意見を聞くことになっているが、胎児の意見を聞いて中絶が行われた例は1例もない。
この「優生保護法」が成立してから、日本では人工中絶が盛んになった。「段階の世代」というのは、刑法の堕胎罪があり医者が中絶してくれない時代だったので、仕方なく生まれた世代のことである。それ以後は中絶が普及して人口ピークが減少する。人工中絶に保険は利かず、値段も医者によりまちまちだった。現金収入だから、昭和30年代、長者番付のトップにはいつも産婦人科医が位置していた。
だから戦後に開業医を目指したものは、まず産婦人科、ついで整形外科に向かったのである。
人工中絶も交通事故外傷も、当初は保険適用にならず、現金払いだった。しかも医師会が協定して1点単価を倍の20円に設定していた。
そこで、いくらでも脱税できたのである。今は「1人法人」が認められ、領収書発行の義務があるから、脱税はできない。
「覚悟としての死生学」を書いた時に調べたら、法制定以後に合法的に中絶された胎児の総数は、2,000万人を超えていた。「毎日」余録氏の不勉強ぶりが哀しい。
それにしても右の産経から左の毎日まで、「婚外子」に関しては意見が一致しているとは珍しい。
そんなら古代スパルタのように「子供の国有化」をやり、いっそ国家が育てる義務を課したらよかろうに。
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