たまに、こっち方面も、やっておきましょう。
十数年前、日本に「SMブーム」というものが、訪れました。
メディアにやたらと「SM」が取り上げられ、テレビでは「アイマスク+レザーのレオタード+黒の網タイツ+手に赤い蝋燭とナインテール」という、まあ頭抱える以外にどうすりゃいいんだよという「女王様」が上から目線でものをいう番組が、連日のように垂れ流されました。
ちょうど「ブログ」というものが世間に普及した時期と重なります。
すると必然、「M女の何々ブログ」「何々の部屋」とかいうものが、見事なまでに垂れ流されたわけでございます。
もともとサディズム・マゾヒズムは何千年も、もしかするとそれ以前にもあったであろう、人間の根源です。
ブームになろうがなるまいが、本当にそれを自覚や理解している人にとっては、ごく当たり前のことです。
十代でそれを自覚した私にとって、あのSMブームとかいうものは「勝手に始まって勝手に終わった」だけのものです。
いやー、おもしろかったですよ。
M女を自覚していたらしい誰かさんのブログがもう痛くてしかたがなかったり、「僕に何々されたい子はメールを」と、それで女が釣れると本気で思っているらしい馬鹿男のブログが乱立したり、「雌豚のみ入室可」とかいうチャットルームがあったり。
笑う以外、何すりゃいいんだよ。
昔、フランス人の女の子を飼っていたことがあって、私のフランス語は細かいニュアンスまでは難しいレベルですから、英語で意思伝達をしていました。
向こうのSMの概念は、日本とは少し違っているそうです。
「個性として受け入れる」のが当たり前で、特殊でもなく恥じることでもなく後ろめたいことでもなく、「それを持つ人は持ちながら生きていくのが当然」なのだそうです。
かわいい声で鳴く子でした。
帰国してからはすでに消息もわからず、幸せに暮らしていてほしいと願うばかりですが、彼女には山ほど教えたと同時に、山ほど教えてもらいました。
私はブームだなんだ関係なく、釣り堀サイトなど必要もせず、というよりインターネットはおろかパソコン通信もない時代から、女の子を飼って躾けて弄んできました。
私も含む昔の人たちは、雑誌の読者欄などを通して相手を見つけ、関係を築いてきました。
私は、飼った女の子の写真を、決して外に出さない事を信条にしています。
数万枚に及ぶ彼女たちの写真や、数百時間に及ぶ動画は、いま膨大なパスワードに沈んでいます。
おそらくアメリカ国防省でも中国のハッカーでも、辿り着くのは困難でしょう。
ただ、ひとりだけ、例外がいます。
その人の写真は、すでに世界中に出回っています。
別に私が出回わらせたわけではなく、私があるサイトに投稿したら夥しいコピペが繰り返されたのです。
この人は、私を、人として侮辱しました。それが許せなかったのです。
これはとてもセンシティブな要素を持っています。
きょうび、「自分が気に食わないから自分への侮辱」とかいい出すネット住民は山ほどいるわけで、単に自分と考え方が違うから全否定していいか否かは、自分の人間性が問われる問題です。
感情的なネット住民か否か、と問われます。
考えて考えて考えて、私はこの人のファイルをネットに上げました。
「俺に逆らうと写真を流すぞ」とかいうそこらのチンピラの話ではないのです。
芸能人が過去にセックスしていた写真(録らせる時点で負け犬ですけど)の話ではないのです。
さらにいえば「お前は俺のいうことをきく存在だろ」という話でも、ないのです。
人として裏切られたら、報復するしか、ないのですよ。