モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

ホオノキの花

2022年06月02日 | 木の花・実

五月下旬のとある日、うちの近所の工業団地を通ったら、
ホオノキの花に遭遇した。




ホオノキそのものは、(秋田ならば)山に行けばごく普通に見られる。

葉がばかでかいので樹木音痴の私でも他の木とすぐ区別できる。
ところが花は木の先端部に咲く傾向が有り、
しかも木そのものが10~30mと高いため、なかなか見ることが出来ないでいた。

今までの山行きでホオノキに親しく接したことと言えば、冬場の巨大な落果ばかりだった。
なお近所の工業団地は段丘の上に立地している。
今回、私が見たホオノキの花は段丘の急斜面の途中に生えた木のものだった。
よって急斜面の上の端を通る道路からだと、花が目の高さに近くなっていた。
間近に見る花はとても立派だった。直径は20センチ前後。
日本国内に野生する樹木としてはおそらく最大の花と思われる。

ホオノキの属するモクレン科の植物は恐竜が栄えた中生代白亜紀に出現したと言われている。
なんか恐竜になった気分でホオノキの花を見てしまった。


花のアップ



 
                                      雄蕊が落ちた花。残った蕊は雌蕊だそうだ。

蕾と花



一応、他の山で以前に見た巨大な落果も。
左は晩秋、落ちた実を拾ってホオノキの落葉の上に並べてみた。
右は春になって残雪の上に落ちたもの。まわりの褐色の粒はブナの芽鱗。

 


同じ写真を二日前、face bookに載せたところ、友人たちからいろいろ反響があった。
昆虫の進化に詳しい友人から、ホオノキの花がでかい理由に関して、
興味深い話を聞いたので、追加で抜粋引用させて頂く。

『新生代の花粉媒介者は、ハチ、アブが主役で、チョウがちょっとお手伝いという感じだが、
白亜紀の花粉媒介者は、甲虫類が主だったようだ。
コガネムシ類が花粉を食べに来て、たまたま送粉をしてしまうというのが虫媒花の始まりだったようで、
重い花粉媒介者に対応して、白亜紀の虫媒花は、大きく頑丈な花を咲かせたようだ。
例えば、モクレン、ハス、スイレンなど。』

ホオノキの花がでかいのはその名残だろうか。


以上。


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須磨浦普賢象とは何ぞや。(2022年5月5日)

2022年05月14日 | 木の花・実

5月5日は家内のリクエストで、(秋田県)井川町の国花苑に花見に行った。
ここは八重桜の名所であり、昨年は鬱金(うこん)や御衣黄など黄桜緑桜に魅せられたが、
今回は新たな黄桜品種に遭遇した。
名前は須磨浦普賢象(読みは「すまうらふげんぞう」)。










なかなか見ごたえのある品種だった。

神戸市ホームページの該当箇所を抜粋コピーさせて頂く。

『「須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)」という桜は、
須磨浦公園内に植えられていた「普賢象」というサトザクラから突然変異で生まれた品種です。

「普賢象」は花の色がピンクですが、「須磨浦普賢象」は花の色が黄色で、
咲き終わりの時期になると中心部からピンクに変わるという特徴があります。

一般的な「普賢象」という桜は、花の色がピンクの八重咲きであり、
室町時代にはすでに知られていた古い品種のサトザクラで、

花の中心部の2本の雌しべが緑色の葉のようになって突き出て少しそりかえる様子を
大乗仏教における菩薩の一つである普賢菩薩が乗る象の鼻に見立てた名です。』

家内が数多ある須磨浦普賢象の中でピンク色の枝変わり(先祖返り?)を見つけた。




続いて、今年の黄桜・鬱金(うこん)、緑桜・御衣黄。
鬱金は先の須磨浦普賢象によく似ている。

両品種のプロフィールは、昨年、詳しく報告しているので、今回は省略する。
⇒ 鬱金(うこん)と御衣黄(ぎょいこう)

鬱金(うこん)






御衣黄(ぎょいこう)






黄桜系以外の八重桜を。
今の時期は関山のピンクが際立っていた。

関山









八重紅枝垂
 


松月



普賢象



以上。

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オオカメノキを愉しむ。

2022年03月24日 | 木の花・実

たまには樹木の話題を。
オオカメノキはご存じだろうか。

2021/05/26 姫神山にて。オオカメノキの花。



ウィキペディアによると、

『オオカメノキ(大亀の木、学名: Viburnum furcatum )は、
レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木‐小高木。別名で、ムシカリ※※ともよばれる。 
落葉広葉樹の小高木で、樹高は2 - 4メートルくらいになる。
枝は水平に出てやや斜上し、シカの角状に伸びていく。
樹皮は灰褐色で皮目が目立つ。
一年枝は紫褐色を帯び、ほぼ無毛で、短枝もよくできる。
若い樹皮は皮目が縦に連なり、次第に筋になってくる。

葉は枝に対生し、形は円形で葉の先端は尖り、葉縁は全縁になる。
他の似た種と比べると葉脈がシワ状に目立ち、また、形が亀の甲羅に似ている。

芽吹いたばかりの葉は独特のベージュ色で、きれいに対生した姿は春先によく目立つ。
花期は4 - 6月で、白色の小さな両性花のまわりに大きな5枚の花弁を持つ装飾花が縁どる。
また花序の基部に柄が発達せず、葉腋から直接でるのも特徴である。
夏に赤い果実をつけ、秋には黒色に熟す。

野鳥が熟した果実を食べるため、冬には残らない。
冬芽は裸芽で柄があり、星状毛が密生する。
花芽はほぼ球形で、頂生側芽を伴って冬芽の頂きに生え、かわいらしい形で目を引く。

枝の側芽はあまり発達しない。葉芽は長楕円形で柄があり、幼い葉が向き合ってくっついている。
冬芽のわきにある葉痕は、倒松形や三角形で、維管束痕が3個つく。 
日本の北海道、本州、四国、九州に分布し、山地のブナ林内や針葉樹林内に自生する。』
とあった。

※改訂新版・日本の野生植物(平凡社)ではガマズミ科となっていた。
※※別書籍によると、和名オオカメノキの由来は、卵円形の大きな葉を亀の甲羅に見立てたことによる。
また、ハムシの一種が葉の葉脈だけ残して葉脈標本のように食べてしまうことが多いことから、
「虫食われ」が転訛し、別名ムシカリと呼ばれている。とあった。

この樹木は冬芽が面白い

2017/11/03 真昼岳にて。オオカメノキの冬芽。
 



ウサギさんに喩える人が多いが、
私にはウルトラマンがシュワッチと言って飛んでいる姿に見えてしまう。

2020/04/14 八塩山にて。オオカメノキの冬芽。



春になり、開花が近づくと、いよいよウサギさん、
いや小鳥が羽ばたいて飛んでいるように見えて来る。

2021/04/11 八塩山にて。オオカメノキの花芽。



2021/04/23 八塩山にて。オオカメノキの花芽。



2021/04/23 八塩山にて。オオカメノキの花芽。             2014/05/11 花の付かない芽。
 



2021/05/04 男鹿毛無山にて。オオカメノキの花。



白い花弁のように見えるのは装飾花。
ほんとうの花(両性花)は中心部にかたまって咲く。

2021/05/04 男鹿毛無山にて。オオカメノキの花。           2021/04/21 男鹿毛無山にて。オオカメノキの花。
 



新緑の頃は、亀の甲のような葉だけでも十分愉しい。

2014/05/11 鳥海山中島台にて。展開した若葉。



あっという間に三ヶ月が過ぎ、実が赤くなっていた。
 

2021/08/17 鳥海山祓川ルートにて。



実だけでなく、果柄も紅い。なお実は黒くなると成熟。

2015/09/05 八幡平にて。



いよいよ紅葉が始まった。
全体が紅くなるものも有れば、モザイク状に紅葉するものも有った。

2014/09/15 千沼ヶ原にて。



2020/10/09 焼石岳にて。




紅葉は紅だけでなく、黄色やオレンジも有った。

2021/09/29 鳥海山祓川ルートにて。                                                               2013/09/22 八幡平にて。
 



2015/09/27 鳥海山祓川ルートにて。



2019/10/16 鳥海山祓川ルートにて。                  2020/10/09 焼石岳にて。
 



2017/10/19 鳥海山鶴間池にて。




以上。

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冬のヤドリギ(2016年12月19日)

2021年12月23日 | 木の花・実

(本頁は「冬の岩手山麓を彷徨う。(2016年12月19日)」の続きです。)

12月19日、雫石の帰りに田沢湖に立ち寄り、ヤドリギを見た。

ヤドリギは常緑植物であり、年中生えているが、夏場は宿主の広葉樹の葉が茂り、それに覆われるため、非常に見えにくい。
よく見えるのは宿主の広葉樹が葉を落とした冬場だ。ただし黄や赤の実が付いている姿を見るためには、
晩秋から初冬にかけてがベストとも言える。
此処では一般的なヤドリギ(黄実)の他にアカミヤドリギも混生している。
私の知る範囲では、秋田ではヤドリギを最もよく観察できる場所かなと思う。




















 





別の年に見た田沢湖のヤドリギと近くの風景は・・・
 ⇒ 「田沢湖畔でヤドリギと秋田駒を見た。(2015年12月24日)

以上。



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鬱金と御衣黄はその後どうなった。(2021年5月13日)

2021年05月19日 | 木の花・実

(本頁は「「鬱金(うこん)と御衣黄(ぎょいこう)」」の続きです。)

秋田の桜の名所、国花苑には今年の春、既に三回も来ているが、5月13日にも寄ってみた。
今回来たのは黄桜の品種、鬱金(うこん)桜のその後の花色変化を見届けたいがため。
関西に住む花友のそのまた友人の話では、
鬱金(うこん)桜の花色は「黄 ⇒(白)⇒ 濃いピンク」と変化する。

「濃いピンク」への変化は初め花の中心部から始まり、やがて花弁全体に及ぶ。とのことだった。
前回(5月6日)見た時は花の中心部のみが濃いピンクのステージだった。
あれから一週間経った。今回は花弁全体が濃いピンクになっているだろうか。
結論は ×
まずは (T_T) ほとんどの花が散っていた。残ったものを確認した限りでは、紅みは心持ち強くなっているものの、

全体が紅くなっているものは一個もなかった。紅いのは中心部だけだった。
これは鬱金(うこん)という品種の中での個体差なのか、はたまた今年の気象条件のせいなのか、
いずれにしろ此処(国花苑)の鬱金(うこん)桜は全体が紅にならずに終わることがわかった。




 





折角なので、過去にさかのぼって・・・

4月27日



5月1日



5月6日



そして5月13日



このことをface book上で報告したところ、前出の関西の花友からは、

「お友達のは、すごい濃いピンク色に変化していましたが、個体差もあるのかもしれません。
それか、小さな鉢植えという条件も関係したのかな?」とのコメント。

緑桜、御衣黄(ぎょいこう)はどうなったか。
こちらも前作、「鬱金(うこん)と御衣黄(ぎょいこう)」と比較の上、ご覧頂きたいところだが・・・

 


緑味はだいぶ薄れて来たが、紅くなったのは中心部ばかりだった。

こちらも過去にさかのぼって・・・

5月1日



5月6日



そして5月13日



他の品種でまだ花が残っていたのは、関山、普賢象、松月の三品種くらいだった。

関山(かんざん)



普賢象(ふげんぞう)



普賢象については前に見た時よりも紅みが強くなっているように感じた。
松月(しょうげつ)はほとんど変化が無いまま、花が古くなっていただけなので省略。

帰り際、真っ白な穂花をいっぱいつけた種類に出会った。







名札を見ると「ウワミズザクラ」。
秋田の山でもよく見かける野生の桜だが、花の印象は他の桜とはかなり違う。

最近買った図鑑で確かめたところ、サクラ属から分離してウワミズザクラ属になっていた。

国花苑でお花見メレンゲ♪1(2021年4月27日)」以降、続けて来た国花苑の桜シリーズだが、
今回をもって中締めにしようと思う。
ここには黄桜や緑桜以外にもまだまだ多くの桜の品種が植わっている。
来シーズンは今年、十分に見ることが出来なかった品種を主体にやってみようかな。
それではまた。


以上。


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