モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

房住山で紅葉狩り。(2019年11月5日)

2023年11月14日 | 秋田県北の山

本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。


11月5日は白神山地・二ッ森(こちら)を下りた後、
時間が余ったので、帰る途中、三種町にある低山、房住山409mに寄ってみた。

上岩川地区から房住山を望む。




この山には昨年の秋は11月6日に登っている。
この時、紅葉は終わる寸前だった(記録はこちら)が、

今年は昨年に較べると紅葉のペースが遅いので、今日あたりがちょうど盛りかもしれないと思い、
寄ってみたら
ほぼその通りだった。

今回、歩いたルート。                            登り口にある房住神社

 

 

神社境内を過ぎ、坂を登り始めると、広葉樹が多くなり、赤くなり出していた。




坂を登り詰めたら、その先には、渋いオレンジ色になったブナ林が続く。
丁度、お昼になったので、今日はブナの紅葉を見ながら、握り飯をほおばる。

稜線のブナ林

   



ツルリンドウの実                                  稜線のブナ林
 



ツルアリドオシの実 



稜線のブナ林 
 



「ババ落とし」とも呼ばれる台倉の坂付近では、カエデが現れ、紅葉が少し華やかになる。







カエデの紅葉                                 ツクバネの実
   


この付近には何故かツクバネが多かった。

ツクバネの実
 



稜線の天然スギ                                  十八番・千手観世音
 
 


樹間からちらりと男鹿半島の山々が見えた。




山頂からは五城目の森山と八郎潟。




山頂手前、西斜面のブナ林はとてもいい塩梅に紅葉していた。
















草木の実をふたつ。

ノブドウの実                                                                                               ミヤマガマズミだろうか。
 


以上。

コメント (4)
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長走風穴に花を訪ねて。(2010年5月~8月)

2023年01月12日 | 秋田県北の山

2020/04/09 本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。
2023/01/12 再アップ。

秋田県大館市にある長走(ながばしり)風穴は標高160~180m程度の低地なのに、
高山植物が群生している不思議な処。
大館市には(当時)本業でたびたび行く機会が有ったが、2010年は何故か数回にわたって風穴を訪ねていた。
折角なのでそのまとめレポートを作成してみた。

まずは春、五月中旬の様子。




今咲いてる黄色花はバラ科のコキンバイ。この花は高山植物ではない。
低山のブナ林でときどき見かけるが、こんなにいっぱい咲いている所は他では見たことが無い。




それではどのような高山植物があるのか。
例えばゴゼンタチバナ、コケモモ、ベニバナイチヤクソウなどは
通常、亜高山帯~高山帯に生育する植物で、
秋田のような北日本でも標高1000~1400mくらいの高さまで登らなければ見られない。
またナンブソウやオオタカネイバラに至っては、秋田県内では実質ここでしか見られない。

それらが何故このような低地、しかも幹線国道7号線からわずか十数歩のところに生えているのか。

ここ(長走風穴)では真夏、外気温が30℃を越えるような時でも、
5~6℃の冷気が吹き出している。

その吹き出し口付近では寒すぎて普通の植物は生育できないが、高山植物なら耐えられる。
この場所は、かつて寒冷な時代に低地まで降下した高山植物、北方系植物の
残留基地、シェルターとなっている。

この風穴の成り立ちだが、長走風穴の案内ホームページ(2010年当時)によると、
「崩壊した岩石が堆積して出来た風穴の為、内部に無数の隙間があり、
冬の間、山の下から、上に冷たい外気が送り込まれ、氷を作り、夏に冷えた空気が下に流れ出ている」

と言う説が有力だ。
 

五月中旬。 春はサクラとツツジから。

 


ムラサキヤシオツツジ 




林の縁にスミレのマットを見つけた。
たぶんタチツボスミレの仲間だろう。 


(○´ε`〇) こんな場所でオニギリを食いたい。
しかしここはヘビがよく日向ぼっこしてる場所なので要注意。


風穴とは関係ないが、この地のエンレイソウには白い花弁のあるものが多い。 


ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)




はるか昔、来た時はオキナグサやヤマシャクヤクも見たが、今回は会えなかった。
たぶん盗掘されたんだろう。



6月上旬に訪ねたら、花は少なくなっていたが、この時期にだけ咲く貴重な花が有る。
 
ゴゼンタチバナとナンブソウ


 

ナンブソウ Achlys japonica (メギ科)は日本特産で、
しかも北海道と東北地方北部のごく限られた場所にしか産しないと言う貴重な植物
(ただし近縁種は北米西部に産する)。

花は花弁もがくも無く、見栄えはしないが、三つに割れた葉はユニークでわかりやすい。 




他に見た花。

                                    スズラン                                                                       これは巨大スズラン、いやオオナルコユリだろうか。
 


野生のスズランは秋田では極めて珍しい。



六月中旬に来たら、名花オオタカネイバラが咲いていた。



オオタカネイバラの
花は思ったよりも小ぶりで疎らだった。





風穴倉庫



風穴倉庫とは市の案内ページによると、
「風穴現象を利用した倉庫で、天然のクーラーとして利用し、現在の冷蔵庫や保冷庫のような使われ方をしていた。」、
また「昔は7個ほどの風穴倉庫を、主に農作物の保管などに利用。」とのこと。
実際入ってみると、真夏以外は {{{゚◇゚;}}}ガクガク 寒すぎ。クーラー冷えの感あり。


地味な花だが、重要な高山植物を幾つか。

コケモモとスノキの仲間(ウスノキかオオバスノキのいずれか。実がならないと識別困難)


ミネヤナギ(ミヤマヤナギ)



ヤマオダマキ。これは高山植物ではない。
   




六月下旬にも寄ってみた。
高山植物エリアの様子は上旬来た時と変わっていない。
風穴の冷気で植物の老化がフリーズしてるような感じだった。




ゴゼンタチバナ




        ベニバナイチヤクソウ                       クモキリソウ
 


オオナルコユリ(?)は私の背丈よりでかくなっていた。





ι(´Д`υ)アツィー真夏こそ、風穴がその真価を発揮すべき時。 

真夏の長走風穴は、涼を求める人たちで大賑わいだが、
それも「長走風穴館」や隣接する風穴倉庫まで。

花を見るため、額に汗して、いや全身汗まみれになって斜面を登る人は稀と言える。
この時期、確かに花は少ない。しかし時たま咲いているのはみごとな花ばかり。

7月下旬。ヤマユリ。

 


濃い緑の中、よく目立つ朱色は
クルマユリ。

 


クルマユリもヤマユリも風穴に特有な花ではない。
が、この場所には比較的多かった。草刈りの際、残すよう指示されているのだろうか。



8月中旬に訪ねたら、見慣れぬ樹の花と実に出くわす。 

 


左上はけっこう綺麗なツツジ科だった。

当初、ミヤマホツツジ Cladothamunus bracteatus かと思ったが、
花柱(めしべ)があまり曲がらないことから、低山性のホツツジ Elliottia paniculata としておく。
右上は先に「スノキの仲間(ウスノキかオオバスノキのいずれか。
実がならないと識別困難)」としておいたが、
今回、赤い実が確認できたので、ウスノキ Vaccinium smallii と確定。 


こちらはオオタカネバラの実。




花はハマナスに似ているが、実の形は随分と違う。この後、実はもっと赤くなる。 


上の方に行ったら、早くも秋の気配が・・・ 

 


左上はエゾリンドウ。

他の低山では9月以降に咲くが、ここでは高山同様、開花が早い。  
右上はヤナギラン。
開花している株はごく少数だった。
長走風穴は秋田でヤナギランの見られる数少ない場所のひとつだが、
今年は暑すぎるのか花はさっぱりだった。

以上。



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晩秋の七座山リベンジ・後編(2022年11月19日)

2022年11月26日 | 秋田県北の山

(本頁は「晩秋の七座山リベンジ・前編」の続きです。)

権現座(ごんげんくら)の山頂から先はしばらく緩やかな稜線道が続くが、
一箇所だけ急な下り坂が現れる。この場所では、前回もそうだったが、
今回は続けて二回もすってんころりんと転んでしまった。

本来は赤土が剝きだしの道なのに、今の時期はその上に落ち葉がフワーッと覆いかぶさっており、
足を置いた途端に滑る仕組みになっていた。
必ず転ぶ道なので、私は勝手に「必転坂」と名付けた。




写真で見る限り、たいして急な坂には見えないかもしれないが、
道のすぐ脇は断崖になっているのでスリル満点。




今後は断崖と反対側の笹に掴まりながら慎重に降りようと思う。

この急坂付近には木の実がまだ多く残っていた。

アカミノイヌツゲ
 

                                            ツルシキミ


烏帽子座を過ぎてもうすぐ階段というところにも急坂が有った。

今度は笹や低木に掴まりながら下りたので、転ぶことは無かった。
ここからは下界の米代川が少しだけ見える。




ツクバネの実






七座山の稜線にはあまり高くないが広葉樹がびっしり生えているので展望は良くない。
蓑座(みのくら)の山頂近くに展望台が設けられており、
そこに登ればある程度の展望は得られる。

 
                                      展望台から南側、烏帽子座を望む。


展望台から東側、米代川の蛇行を望む。右上の橋が七座橋。



展望台から西側、二ツ井の街並みを望む。



2018年以前の展望台は今よりも少し高く、北側に藤里駒ヶ岳や白神山地の山々が望まれたが、

2019年に建て替えられた展望台は低いため、樹木に遮られ、見えなくなってしまった。
今回は展望台の下で昼飯(にぎりめし)とした。

展望台から稜線を少し戻り、断崖絶壁に建て掛けられた金属製の階段を下る。
この階段もたしか2019年に建て替えられたものだ。

 






階段を下った後は、間道を辿り、朝、霧でよく見えなかった権現様に向かった。
途中で見た樹木と岩の複合体ほか。










権現様に到着した。

 






権現様の上の方に「タフォニ」らしき岩壁が見えた。




踏み跡が有ったので、近づいてみた。




法華の岩屋よりはちっこいが、不気味さはこちらの方が上か。

下山後、登山口から米代川と七座山の北側を望んだ。朝、登山前は川霧で見えなかった風景だ。




以上。

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晩秋の七座山リベンジ・前編(2022年11月19日)

2022年11月25日 | 秋田県北の山

七座山(ななくら)山は能代市二ツ井にある低山だ。
春は花が多いのでよく訪れる(春の記録はこちら)が、秋は近場のきみまち阪を除き、ほとんど来てなかった。
今年の秋は11月7日に訪ねてみた。紅葉もまだ残っていて愉しい山歩きになったが、
どうしたことか、その日に撮った画像全てを、
帰宅後、パソコンに取り込んで編集しようとした途端に消失させてしまった。

長年、一眼レフで写真を撮り、パソコンに取り込んでいるが、こんなことになったのはこの時が初めてだ。
何故消失したのかいまだに原因がわからない。
というわけで、11月19日はリベンジで再訪した。

下山後、七座橋から米代川と七座山を望む。



今回のマップ(橙色の破線が今回歩いた道)



早朝に登山口に着いたら、前回同様、霧で何も見えなかった。

このお山は近くを米代川が流れており、朝は川霧が発生することが多い。
それでも日が高くなると、霧は晴れるので、この日は8時半頃から歩き出した。

 

                                              権現様


しかし最初の見どころのひとつ、権現様は霧に包まれてよく見えなかった。

ここは下山時、もう一度寄ってみるつもりなので、足早に通り過ぎた。

付近は天然杉の巨木が多いが、その多くは権現様同様、岩の上に生えていた。
こんな条件の良くない場所に生えながらも、幹の太さと樹の高さには驚くばかりだ。

 


霧の晴れ間に見えた岩と樹木の複合体をしばらく列挙する。










 





なんかジュラ紀の森に迷い込んだような気分だ。




登山口から一時間少々歩くと、前半のハイライト、法華の岩屋に到着する。




この巨岩、いや岩壁は一応、凝灰岩のようだが、表面には蜂の巣のように穴がいっぱい開いている。

友人の話では、このような岩は「タフォニ」と呼ぶとのこと。
ウィキペディアによると、
「タフォニ(Tafoni)は一般に、岩体内部より析出した塩類が、
その結晶圧によって岩石表層部を破壊することによって形成されると考えられており、
海水の飛沫を定常的に受ける海岸付近ではタフォニが発生しやすい。
山間部に形成されるタフォニについては過去の海進時に形成されたものであるとする説、
台風時に海塩が供給されているとする説、
岩石中に含まれる黄鉄鉱が溶解し、石膏を析出することによるものであるとする説などが挙げられている。」
とあった。
法華の岩屋の標高は優に200mを越えているが、かつてはここまで海だったのだろうか。





法華の岩屋を見ながらひと休みしていたら、また霧が出て来た。

霧に日が差し込み、逆光になって神々しい風景も見られた。

 


法華の岩屋を過ぎると、いつのまにか広葉樹林に変わり、七座山の稜線への急な登りが始まる。
ちょっとした岩場が現れた。
ロープの無いところは笹や木の枝に掴まって登りきると、稜線に到着。

稜線に駆け上がる急坂
 

                                          緩やかな稜線道


そこから緩い稜線道を少し歩くと、七座(ななくら)山の最高峰、権現座(ごんげんくら)(287m)の山頂だ。

山頂は広場のようになっており、休むのには丁度いいが、樹木で展望は効かなかった。




 


後編」に続く。

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きみまち阪の紅葉はいかがかな。(2022年10月31日)

2022年11月08日 | 秋田県北の山

いつも私独りだけで山へ行っているので、たまには家内も連れてお出かけした。
10月の最終日、行き先は県北部のきみまち阪(詳細はこちら)、
目的は紅葉狩りだ。

屏風岩



家内を連れて行った証拠写真



きみまち阪らしく恋文神社と夫婦杉



テレビのローカル天気予報に付随する紅葉情報によると、きみまち阪の紅葉は「見頃」とのことだった。
しかし実際に行ってみたら、まだ少し早かった。
主力のカエデは色付き始めたばかりのレベルだったが、
恋文神社近くのカエデの色づいた部分だけをクローズアップしてみた。








向かいの七座山(厳密には松倉)



再び屏風岩の眺め。







木の実はいろいろ有った。




コマユミ



ムラサキシキブ






ガマズミ



残り花と狂い咲き。

オオノアザミ(アオモリアザミ)
 

                                             ヤマツツジ


奥の方に紅葉が真っ盛りのカエデが一本有った。







こういうお出かけをした時は、
グルメも対で報告するのが習わしのようだ。
今回は一年ぶりに
上小阿仁村の高橋旅館(詳細はこちら)でソバ寿司マグロセットを食した。




疫病まん延以降は久々のお出かけと外食だった。


以上。

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