感謝と申し訳なさ

その国では大使に大変良くして頂いていた。

私は単身赴任で、大使も単身でいらした。

何度か週末に公邸にマージャンに誘っていただいた。
私はあまり利害関係がない立場だったので誘われたのだろうが、商社の人たちからはうらやましがられた。

シャンデリアが映る大理石の床の２０畳ばかりの西洋風の部屋、中央にチェスの台を囲んで四つの椅子。その台の上に麻雀のゴムマットを敷いて、壁際のソファーでは一人がくつろいで休憩しながら「ニ抜け」で夜明け近くまで徹夜で遊んだ。大使は抜けない。

スチュワードを二人ほど置いて飲み物やサンドウィッチのサービスをさせるリッチなものだった。もちろんスチュワードは勤務外だから勝った人が最後に小遣いをやる。この役目は彼らの間で奪い合いだった。

公邸での日本食の食事に誘っていただいたこともあった。
今上陛下のような笑顔で接してくださった大使には、私の態度は無礼で高慢だったなと今では恥ずかしく思う。
本当に有難く申し訳ない体験だった。

皇室の尊厳

外国で大使公邸での天皇誕生日の式典とパーティーに参加したことがある。

公邸のエントランスで大使、公使夫妻や領事夫妻が正装和服で来賓を迎え、
来賓は会場の入り口で天皇皇后両陛下のお写真に最敬礼を捧げてから会場に入る。
天皇誕生日のお祝いは大使館で最大のイベント。

普段は左翼的な人も皆、両陛下のお写真に最敬礼をする姿がとても異常に見えたが、これが現実なんだなと思った。
国家というものは、上のほうでは、このようになっているんだなと思ったことがある。

中井 洽（なかい ひろし）

中井ハマグリとも呼ばれているこの男。

天皇皇后両陛下を参議院にお迎えしての記念の席で、起立されて両陛下をお待ちしておられた秋篠宮両殿下に向かって、「早く座れよ！」と暴言を吐いたとか。

すごい世の中が来てしまったものだ。