品川。
天王洲の水門。
冬の午後。
一艘のカヌーが川をぬって品川運河へ今出ようとしていた。
孤舟。
という単語を口にした。
なぜか、
自由と同じ響きに聞こえた。
そして
水門をくぐって海へ出る、ほんの一瞬。
舟は、街をふりかえった。
橋が陽に輝いた。
友は、元気か?
そう、
漕いだオールによって
運河を逆巻きに広がった波が言った。
天王洲の水門。
冬の午後。
一艘のカヌーが川をぬって品川運河へ今出ようとしていた。
孤舟。
という単語を口にした。
なぜか、
自由と同じ響きに聞こえた。
そして
水門をくぐって海へ出る、ほんの一瞬。
舟は、街をふりかえった。
橋が陽に輝いた。
友は、元気か?
そう、
漕いだオールによって
運河を逆巻きに広がった波が言った。