先週の12月15日、16日に安倍首相とロシアのプーチン大統領の日露首脳会談が行われた。会談の結果は、日本からはロシアに3,000億円規模の経済協力を約束、一方、ロシアは北方4島へ元島民が墓参りに行くためのビザ発給の緩和などの検討など、余りにもロシアの取り分が多い内容になっている。肝心の北方領土については、日露の共同経済活動を検討していく、という返還交渉は実質的には全くなかったかのような内容になっている。これでは、ロシア外交の勝利、日本の完敗と言っても良い。今回の日露首脳会談前に膨れ上がった日本側の期待(私も含めて)は一体何だっただろう。
そもそもの読み間違いは、ロシア人の領土に対する意識を余りにも軽く考えていた、ということではなかろうか。ロシアでは、第2次大戦の独ソ戦において、如何に国民が多くの犠牲を払い、如何にソ連兵が勇敢に戦って領土を守ったか、学校でも家庭で繰り返し子供たちに教えている。そのような教育で育ったロシア人が、経済的利益を得るために領土を引き渡すことなどあり得ない話である。そのことに対して、我々は余りにも過小評価していたのである。
また、ロシア側は、日本は憲法上武力を使って北方領土を奪還することはできない、日本がロシアに見せられるは経済的利益だけである、ということを熟知している。プーチン大統領の本音は、日本は適当にあしらっておけば良い、真剣に取り合う相手ではない、ということであろう。そのことが今回の日露首脳会談で明瞭になった。
それならば、日本は対ロ経済協力など一切しない、という手もあったはずだが、どうして経済協力の約束したのか。しかも、米国やEUからは、対ロシア制裁の足並みを乱しかねない、と注意されたにも関わらずにである。
それは、やはり資源、特にエネルギー資源の輸入大国である日本は、できるだけ多くの国から資源を輸入できるようにすることが国家存立の絶対条件だからだ。また、日増しに大きくなる中国の脅威に対抗するためには、ロシアとの関係強化も必要である。従って、北方領土返還がないのであればロシアへの経済協力はしない、という選択はなかなか取れないということであろう。
それでは、今後も北方領土は返って来ないのであろうか。実は、ロシア側にも困った事情があるようである。実は、ロシア極東地方のアムール川沿いでは、ロシア系住民がロシアのヨーロッパ部に移住し人口が激減しているのである。その人口減少を埋めるように多くの中国人が移住してきており、中国人の経済活動なしにはロシア極東部の住民は生活できないレベルに達していると聞く。
ロシアのアムール州や沿海州などのロシア極東部は、元々は清朝の領土であり、それを帝政ロシアが清朝から割譲させたのである。中国の教科書では、最近、そのことが明記されるようになったそうで、ひょっとすると中国からロシアへロシア極東部についての領土問題が上がる可能性もある。そうなれば、ロシアも、北方領土は第2次大戦の結果として得た領土であり、日本への返還などはありえないとは言っていられない状況となる。
今後の北方領土交渉には、ロシアと中国の関係がどうなるのか、このことが非常に大きく影響すると思う。ひょっとすると、日本との関係を強化するため、ロシアから北方領土を返還したいとの申し入れがあるかもしれない。
そもそもの読み間違いは、ロシア人の領土に対する意識を余りにも軽く考えていた、ということではなかろうか。ロシアでは、第2次大戦の独ソ戦において、如何に国民が多くの犠牲を払い、如何にソ連兵が勇敢に戦って領土を守ったか、学校でも家庭で繰り返し子供たちに教えている。そのような教育で育ったロシア人が、経済的利益を得るために領土を引き渡すことなどあり得ない話である。そのことに対して、我々は余りにも過小評価していたのである。
また、ロシア側は、日本は憲法上武力を使って北方領土を奪還することはできない、日本がロシアに見せられるは経済的利益だけである、ということを熟知している。プーチン大統領の本音は、日本は適当にあしらっておけば良い、真剣に取り合う相手ではない、ということであろう。そのことが今回の日露首脳会談で明瞭になった。
それならば、日本は対ロ経済協力など一切しない、という手もあったはずだが、どうして経済協力の約束したのか。しかも、米国やEUからは、対ロシア制裁の足並みを乱しかねない、と注意されたにも関わらずにである。
それは、やはり資源、特にエネルギー資源の輸入大国である日本は、できるだけ多くの国から資源を輸入できるようにすることが国家存立の絶対条件だからだ。また、日増しに大きくなる中国の脅威に対抗するためには、ロシアとの関係強化も必要である。従って、北方領土返還がないのであればロシアへの経済協力はしない、という選択はなかなか取れないということであろう。
それでは、今後も北方領土は返って来ないのであろうか。実は、ロシア側にも困った事情があるようである。実は、ロシア極東地方のアムール川沿いでは、ロシア系住民がロシアのヨーロッパ部に移住し人口が激減しているのである。その人口減少を埋めるように多くの中国人が移住してきており、中国人の経済活動なしにはロシア極東部の住民は生活できないレベルに達していると聞く。
ロシアのアムール州や沿海州などのロシア極東部は、元々は清朝の領土であり、それを帝政ロシアが清朝から割譲させたのである。中国の教科書では、最近、そのことが明記されるようになったそうで、ひょっとすると中国からロシアへロシア極東部についての領土問題が上がる可能性もある。そうなれば、ロシアも、北方領土は第2次大戦の結果として得た領土であり、日本への返還などはありえないとは言っていられない状況となる。
今後の北方領土交渉には、ロシアと中国の関係がどうなるのか、このことが非常に大きく影響すると思う。ひょっとすると、日本との関係を強化するため、ロシアから北方領土を返還したいとの申し入れがあるかもしれない。
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