………前段省略……… そうして09年11月13日、最後となる同チームの第6回会合が開かれ、この会合で理由は不明だがエイチ・アイ・エス(HIS)への支援要請を盛り込んだ最終案がまとめられ、同月30日、同チームは朝長市長にこの案を伝えた。前出関係者は「朝長市長の懇願の手前、支援を検討したが、はなから七社会は支援する気持ちはなかった。野村PFが手を引くなら、代わりの支援先を東京で探せばいいじゃないかという態度だった」と当時を振り返る。………中段省略
交渉は終始澤田氏のリードで進んだ。その結果、10年1月、HISはテンボス再建支援を公式に表明。同年2月12日、HISはハウステンボスとの間で「基本合意書」を締結した。合意書には「ハウステンボスが125億円の資本金を全額減資した後に行う第三者割当資本金に対して20億円を出資し、かつハウステンボスにHISから経営陣を派遣する。ただし、3年以内に黒字化できなかった場合はハウステンボスから撤退する」と「逃げ道」も周到に盛り込まれていた。
さらに佐世保市との間でも「固定資産税に相当する『再生支援交付金』(年間8.8億円、総額約73億円)を10年間ハウステンボスに交付する」と、免税の約束も取り付けた。
それだけではない。澤田氏は朝長市長との交渉と並行して「HISを推薦した責任がある」とばかりに七社会とも交渉。約60億円あったテンボス債務の8割を福岡銀行などの債権者が放棄する約束を取り付けた上、九州電力、西部ガスなど7社中5社から計10億円の出資まで引き出した。
これにより「新生ハウステンボス」の出資金はHISの20億円と合わせて30億円。片や負債は約12億円。澤田会長は出資金の一部を負債の一括弁済に充て、事実上無借金経営を実現した。そして、HISは10年3月26日に東京地方裁判所に認可された「更生計画」に基づき負債の一括弁済と担保権の抹消登記、総額30億円の資本金払い込みと資本金の全額減資など所定法定手続きを経て4月6日、ハウステンボスを子会社化(出資比率約67%)した。
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