ちょっと良い・・・いや、良いところのご飯に行こうと考える2020年冬。
実家で家族のうち2名が近い誕生日だったので、あわせて祝おうと目論んだのだ。
良いところのご飯とは、ムシマルイメージではコース料理だ。
コース料理・ディナー・・・・ごちそう感。
よし決めた、あの店だ!
予約して、行く。
予約も、できたらムシマルの仕事が早めに終われそうな日か休みの日で、二名の誕生日の間くらいで取れたらと思っていたが、ダメだった。
週末のディナーは翌月中旬まで埋まっていた。
結局予約が取れたのは、両名の誕生日どちらも少し過ぎた平日でした。
まあ良い、大事なのは気持ちですらなく、おいしいご飯だ。
到着。
19:30~予約したムシマル達です。
はいどうぞこちらです、と案内される。
お一人でやってるのかな?
シェフさんか、オーナーさんか、なんか若そう。物腰が柔らかい。
飛行機雲を目で追うタイプと見た!
すごく雑にそして勝手に人相を見た後で着席する。
座る。
予約は一組限定だった、オンリー我々。
メニューには「ムシマル(本当は本名)様本日のディナーコース」みたいなことが書いてあって、詳細にメニューの説明書いてくださっている。
これがかなりの文量。
ほう、ほうほう!
熟読するムシマル、辞書を引いた時くらい読み解こう嚙み砕こうとしている。
・・・・・・・種類が多い!
スープに前菜に、アラカルトっぽいの数品に、
メイン?いくつもあるのでは?
魚が鯛で、四万十豚のローストがあって、パスタまで!
・・・・あれ、大食いコース?
また俺なんかやっちゃいました?
良い大食いは、自然と大量飯屋さんに好かれちまうのか?
ワンドリンクのご注文を、と。
ムシマルは「酔鯨」(むろん日本酒)があったので、それを。500円ですって安いよ。
お値段安いというか、高級店なイメージだったので庶民的な価格でホッとする。
瓶ビールもお手ごろ。
「淡雪」っていうお酒もあったけど、寡聞にして知らないなあ?
兵庫のお酒らしいです、ザ・酒どころ。
京都と兵庫が三大酒処の二つなんでしたっけ?残りの一つは「西条」広島でよかったっけ?
日本酒!
まず前菜!
・・・・・ってええ、初手デザート!!!!!?ケーキじゃん!アイスじゃんねえ?これ、ご主人、これは!
こいつはたまげた、おったまげた。
シェフ(以下お店の調理師兼給仕兼料理説明等のすべてをまかなってくれた男性をなんて言ったらいいかわからんので「シェフ」と呼称する)の説明を聞いて驚いた、
「安納芋・紫芋・生姜のブランタードです」
完全になんかのベリーな感じのジェラードだと思った!
ブランタードってなんぞ?
ネットで検索すると、なんか素材をペースト状にした感じ
そしてこっちもケーキじゃなくてキッシュじゃん。
外壁みたいな部分をタルトっぽく仕上げている。
スープはかぶ・たまねぎ・人参のポタージュ。
キッシュから。
刺す、崩れてしまう。おれ、ちから、ざつ。けーき、きれいに、たべられない。
キッシュぬくい・・・・。
淡い陽だまりのよう。
お芋のブランタード。
アイスじゃなくて、茶巾絞りに近い練られた甘さ。
スープはクリーミー。
次は・・・?次は?
ムシマルはバビロン行きの夜行列車に乗る人のようにもうこのレールに乗っかった、列車は連結、蒸気は吹き出し、完食のその一瞬まで終わらない。
その予兆が、ある。
チュミミミーーーーーン!
なんかミキサー音がする。
シェフは・・・・急にDJを始められたか、実はバッファローマン(補足:必殺技がミキサー)だったのだとか、次のソースを作るのに使っている機械の音だとか、いろんな説が出た。
バッファローマンはムシマルが一番好きな超人。ベアクローのウォーズマンが次点ですね。
こうして一皿目が終わる。
次は、お皿ワンプレート盛。
また説明くださる。
「チェリーバレーのロースト 和歌山県産オレンジの味噌
四万十鶏のハム 紀州梅のアイオリソース
イチジクとナッツバターのクロスティーニ
生姜真鯛のカルパッチョ、薬味の柚子マリネです」
実際はもっと詳細に説明をくださっていた。
(自分が作った作品とはいえ、よく覚えているもんだ)
ハイ美しい、森博嗣さんはかつて言う「Macパソコンば、ここまで形にこだわっていれば中身は素晴らしいに違いない。姿の美しいものは機能を熟慮してさらにデザインまで進めて考えられる思考の余裕があるから、デザインが良いものが機能も優れがち」みたいなことを言っている。
・・・・ニュアンスは違うかもしてないが、そんな感じだ。
・イチジクとナッツバターのクロスティーニ
こちらが、「イチジクとナッツバターのクロスティーニ」。
クロスティーニとは?誰もわからない。
ネットで検索すると、ざっくり「パンに食材を乗せた前菜」で、ブルスケッタみたいなものらしい。
ブルスケッタはスルラクセさんで食べたことがある気がする。
おしゃれトーストである。
で、シェフの腕前は信頼しているがイチジクあんま食い慣れてないんだよなーとぱくもぐかり。
うmっま!
イタリア料理を食べに行った億泰みたいになる!なった!
イチジクの甘みとクセというか風味のバランスが、なんでかナッツバターとパンに合う!
不思議だ。
ナッツバタ-とパンだけでも美味しいんですが、不思議とイチジクが加わったら・・・すごく出会った感がある。いや出逢ってしまった!
・生姜真鯛のカルパッチョ、薬味の柚子マリネ
簡単にというか雑に言ってしまうと、「鯛のカルパッチョwithガリ」みたいな。
淡白だけど芯の通った上等な鯛の上に、柔らかい刺激の生姜。
なんか上品な酒のアテとして爆誕している。
・四万十鶏のハム 紀州梅のアイオリソース
アイオリソースも人生初。
ネットで検索、そんなのばっかりだ。
アイオリソース・・・・?
アイオリ(仏:Aïoli、プロヴァンス語:alhòli)はカタルーニャでよく用いられるソースの一種。マヨネーズやヴィネグレットソース同様の乳化ソースである 。「ニンニク入りマヨネーズ」と説明されることもある 。ブイヤベースなどに入っている魚につけて食べることが多い 。
アイオリア(聖闘士星矢のかっこいい獅子座の黄金聖闘士)と関係あるかと思ったら、全然ないんでやんの。
・・・・あれ?ムシマル、シャレた完全予約の店で、懐かしジャンプマンガのことばかり考えてしまっている。
これは、ムシマルが民明書房by魁!男塾を紐解く時が来そう。
お味はと言えば、柄にもなくロマンチック。旨みがきっちりと命綱された確実性の高い旨み。
ソースの情報量が多いから、パンかなんかに乗せたくなります。
・チェリーバレーのロースト 和歌山県産オレンジの味噌
鴨みたいだけど「チェリーバレー」ってなんやろ、ってまた検索。
合鴨の一種みたいです。もぐもぐ。
鴨肉うめえええええ!
ムシマルは鴨肉スキーだから、評が甘くなるのはわかってた。でもこれは。これはこの量は、6倍ほしい、鴨の6倍体ほしい。
味噌がかかっているという、味噌、味噌だって。
ジャパァアン。
(いやでも分かった!鴨肉に味噌だけでも間違いないけれど、この味がなんか印象的に舌という幕中で優雅に映るのは・・オレンジの甘酸っぱさ!)
カルパッチョのあれもそうだしイチジクのあれもそうである、
果物の甘さと酸味が「美味しさの基本」を讃えている。
Lesson1 敬意を払え・・・・
コースの二つ目終了(すでに前菜とメインの間に来る来たこれを何と呼んでいいのかわからない)。
この時点で、けっこうお腹張ったね、と会話。
何が来るかドキドキ(お品書きは書いてくれているが、初めて聞く言葉が多いため、実質目隠し状態なのであった)。
胃袋は持つのかって不安もある(ムシマル以外)。
さあ、さあさささあ。
来たのは、パスタ。
種類は、トマトソースパスタらしい。
「真鯛のルチア・秋茄子・黒潮町のキノコのトマトソースパスタです」だって。
ムシマルのパスタ趣味はクリーム系かジェノベーゼ系なので、どうかなーという不安と期待。
シェフの手腕はもうすでに気に入っているが、料理の選択肢自体がムシマルのストライクから外れてしまっている可能性はある。
さて、どうか?
パスタをちゅるるる・・・・じゃなかった。
啜っちゃいけない。スプーンに乗せてフォークで巻いてひょいパクッとしないと。
ん。
蛸ダシがトマトの下でハイセットのように低く裏打ってる。
深い観察から・・・・偉大な料理人たちが学んだものと・・・と同じスケールで・・・
た、蛸・・・・
ドギュウウウウウゥン!!
このタコはまだ戸愚呂兄のようにトマトソース下で強く、何よりも強く潜んでいる。
どこか和風。どこか地中海の太陽と海。どこに居るのかわからなくなる、世界の地図にはない。
茄子とキノコは同サイズに切られていて、まぶされている。
一瞬、食べたのはどっちかみたいなシュレディンガーの茄子みたいな感じである。
ううむ、どこかジャパニーズ出汁の風情があって食欲が増進する。
蛸とトマト、相性はいいな。
(スープが美味しい、リコピンが日本酒に効く)
酒を乾す。酔いが回ってきた。
ついに日本酒が追いついてきた・・・飲んだ分の酔いを返せと‥‥。
パスタ完食。
あと何品だ?
メインとデザートの2品だったか?
次。
「高知県産真鯛と天使の海老のプレゼ 貝類のジュと南国市のカリフラワのクレマ添えです」
次は魚だという、鯛だという。ポワゾンって読むのかしらん?
ジュってなに何ナニ?天使の海老って?
プレゼって・・・?カプレーゼのカが入ってないバージョンってことかしらん。なんぞ。
推理するにもとっかかりがない‥‥、まだ犯人当てを開示するには資料が足らない。
来た姿は幽玄。
「腐っても鯛の鯛がもう来るなんて、これはもう(より高い)5400円のコースでもおかしくないな」ヤンガーブラザーが言う。
そうだね。たしかに安い方のコースじゃないんじゃない?ええコースの方しちゃったかもって疑惑まで浮上してくる。
来たのは白紙化した後の海のようで。
貝・海老・白身魚・・・・鯛らしい。
どこか竜宮城南国支店といった趣で、これは海感が間違いないじゃろな。
間違いはなかったし、海だった。ミルクの海。海のミルク牡蠣にはあらずバージョン。。
これは・・・アロエじゃないよな・・・えっとそうだカリフラワ。
雨の日に傘をささずに濡れてもよい。海に大地のカリフラワががあってもいい。
このカリフラワは、仕事をしている。
妙"カリフラワ”!!この一手を岡目八目していたギャラリーは拍手するだろう。
海っぽい産物の中で、凝縮した森の欠片ことカリフラワを入れることで大地になって、海と大地で地球になる。
そうなったところでいただく鯛。
クリーミーなスープ?ソースを受けて、ほっとする味に生命っぽい味になっている。
口の中でほぐれて、そのなかでもムシマルの咀嚼のただなかでもしっかりと味が付いている。
いやこれ、食パンをもらって皿を拭くようにパンで拭いながら食べたい。
でもパンくださいっなんて言えないよ。
そして、そうそして物語はクライマックスまで来た。
メインディッシュ2品目?
豚肉、それも四万十豚の低温ローストらしい。
「四万十豚ヒレ肉の低温ローストです、柚子の南蛮味噌と伊野の菊芋のピュレです」
シェフ説明「61℃でローストいたしました」
おお、たいした食の偏執狂がいらっしゃる。一の単位まで。
(そういえば広島に、0.1℃単位で肉をローストする店があったっけ。こわ)
しかし61℃を最適値と選択されるシェフの試行錯誤やこだわりが偲ばれます。
狂気なシェフのパワーが消えないことは知っている、ここまでだけの実績で分かってしまっている。
それによって、人類最高の占い師くらい、この後ムシマルが「美味しい」ってなるのが未来視できる。
ぱくもぐ。
「美味しい」即落ち3行。
旨あ。味噌と柚子で旨あ。風味が適度に鼻を刺す。
今更触れた温度覚えてる・・・・・61度!
それが食べた瞬間に思い出になって思い出して臆病になってしまう。
ブロックベーコンに近い、それよりはなめらかな感触。
ムシマルの知る料理こだわり半端ない人は某ルラクセシェフであるが、
また違うこだわり感がありそう。
菊芋のピュレはふわっとしたマヨネーズのようなそうでもないような。
あぁなんかわからなくなりましたが、南蛮味噌のソースもよくて、またお肉が美味しい。
今ちょうどいい語彙がストック切らしてジャックポットしない。
また語彙を補充しときますね。
ピンク色の、優雅な味である。
食べ続ける・・・ただそれだけを繰り返したくて。
・・・でも・・・・・・・・完食。
終わっちゃった、いや終わってない!
まだデザートが残っている。
「南国市の卵と生姜の自家製プリンとベルギーチョコの自家製ガトーショコラです」
ガトーショコラとプリン、2種もあって嬉しいし、こってり&ざらどっしりしたチョコケーキとなめらかプリントが対照的なコンビとして甘く胃に入る。
プリンには生姜が入っている。
これをお酒で?と迷っていたらコーヒーも供してくださった。
デザートにはコーヒーがサービスで含まれる、ということのよう。
ガトーショコラが濃い!
「夜明け前が一番暗い!」って吉本芸人さんが歌っていた歌詞が思い起こされるくらい闇と味が濃い。
ポリフェノールの濃いカカオ70%チョコレートくらいのカカオ味。
巨大なカカオの豆に殴られている感じがする。
吐く息が甘くなる。空気が僕のブレスがカカオ味なのだ。
しまった、
ガトーショコラが濃ゆすぎて、そのあとでプリンを食べると甘みや生姜みの細かいところをくみ取れない。
いやでもどっちもおいしい。
生姜を効かせすぎない甘さに影響与えるまでいかないけれど清涼感はくださっている。
ケーキセットだけでもゼニを稼げそう。おそろしい子!
珈琲がもっといっぱいでも嬉しいくらい、デザートががっつりいただけました。
おまけにこいつは、プリンの上のこの白いフワワワは、生クリームかと思ったらメレンゲ!
裏切りまで持っている!
エンターティナ。エンターティナディナー!
完食。・・・・完膚なきまでに食した。
3名でワンドリンクをプラスで頼むこと必須で、ムシマルはお酒2杯頼んだので、3名合計14,000円くらい。
1ドリンク頼むことを求められているので、実際はコース記載料金+500円ちょい見とく感じでしょうか。
エエとこの飯を食ったという満足感。
最後にオーナーシェフと少しお話して帰る。
もし好ましく読まれた方がいらっしゃいましたら、
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