一人の男が愛宕にいる。
高知駅に歩く途中、お酒を呑みたく思う。
ちょうどというべきか、折悪しく雨も降ってきていた。
雨宿りを兼ねて男は入店する。
愛宕商店街、北の方、少し外れ。
- 勇魚海
- 居酒屋
- 住所: 〒780-0051 高知県高知市愛宕町3丁目5-14
- 電話:088-871-3732
時は17:30になったばかり。
ここは、ただキマグレンにこの居酒屋を選んだわけではない。
かなり前ですが、ここがええわいなというブログ記事を見たのだ。
その記事はこちら。・・・と思ったら見つけられませんでした。
あれ?英屋さんのブログで見たと思ったけれど。
漢字検定2級のムシマルも読めなかったかっちょいい店名。渋い、と思っていた。シブイマルタクオ。
それで行きたく思っていたのに、数年タイミングが合わなかったのだ。
愛宕の居酒屋さんって高知駅から徒歩10数分、堀詰あたりから概算20分と 距離で言えばそれほどでもないのに目的地になりにくい気がする。
入店する。お店は開けたばっかりのオープニングタイム。
切り盛りしてらっしゃるお二人以外はムシマルだけ。
カウンターに座り、ビールを。
何にしようかと思い、メニューを見る。
そこに肉や魚、野菜にご飯とさまざまの一品を見出し、気楽に迷う。
店名に『魚』『海』の字があるから、男は魚を頼むことを考える。
うーん、カツオからなにからある。
清水サバのたたき。これだ。
ムシマルはカツオもしくはカツオ外のたたきを集めている。
あとは、ジビエ!
イノシシの角煮がある。
ムシマルのツボを心得ている。
勇魚っていうのはクジラのことを言うらしいから、山クジラと言われているイノシシを食べるのはこのお店に相応しいかも。判断力山の如し。
それらを注文。
ということで、突き出し。
タケノコとダイコンかな?の炒め。あ、ベーコンも入っている。
あっさりしているようでいて、噛み応えもある。
スタートがロケットで突き抜けそうな感じ。もちろん誉めている。
サバのたたきが来た。
ぱくりぐにん。あれ?
男の超好みであった。
弾力と皮の香ばしさを併せ持ち、あとあじにほろ良いものが残る。
(これは・・・旨いじゃないか。サバがこんなにムシマルをトランポリンな気分にさせること、史上初だ)
もぐ。ぐいーーん。
ああ、日本酒ブレイカーかもしれない。
でもこちらのお店、日本酒グラスはそんなにないのだな、300mLが多かった記憶。
初手から日本酒いけば良かったかもしれない。
今状態でビール一杯飲んでからの日本酒300mLはムシマルにとってオーバードース気味となりうる可能性を秘めている。
絶対日本酒に合うよと思いながら食べていると、
イノシシの角煮です、と。
おお!
イノシシらしさが出ている。
具体的には豚肉よりも黒々としている。樹木的樹皮的というか。
いのしし、がぶん。
ほろほろです。
あーなんか甘い。
そして何でしょうね、ワサビ?
少しピリッとする甘辛いような感じ。
癖になりそう。
(そう思った時にはもう癖になっているんだ。そうなんだよ)
豚角煮よりはアブラ感が少なく、癖がある。
でもそれが男の酒を進ませる。
これは淋しい男の乾いた心に降る雨のようになる。
角煮が黒く甘く怪しく光る。
ビールのおかわりにする。結局日本酒は頼まない。
かわりになるかわからないけど、もう一品食べ物頼もう。
あー、迷う。
燻製ある。グラタンある。唐揚げある。
決めた。変わり種おにぎりを。
ライスに。
変わり種、という言葉に惹かれる。
メニューのその言葉だけ太字であるように思わせる。
ムシマルは珍メニューハンターなのだ。
来た。おお、でっかくないか。7個の巻きずし。
女将さんが6種類の具が入った巻きずし、っぽいことを言われる。
ぱくり。
塩梅という言葉がすぐ出てきた。口に入れた瞬間から出る。
おにぎりによくある具、っていうと言い方が悪いですが
酒や昆布やおじゃこといった王道がたくさん。
それの全部が割とバランス良い。
全然カオスになってない。
規律のとれた軍隊のようにそれぞれが持ち場を保持している。
ぐー。うまいな。
一人分にはちょっと多いかもしれない。
女将さんも「残ったら包んであげますよ」的な優しい言葉をかけてくれる。
されどそこはムシマル、高知の胃袋の二つ名を持っているからおいしくいただきました。
腹膨れる。
あー、つぎ燻製食べたいな。
お会計は3,900円ほど。
呑んでいる間に10人ちょい、3グループぐらいがテーブル席に入って来ている。
雨もほぼ上がる。
まったく、これで愛宕でのどしゃ降りが怖くなくなったぞ!
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