子どものころ、私の母は家で洋裁をしていて、家にはよく人が来ました。
親戚や友人家族などで、家での宴会も多く、いつもたくさんの人に囲まれて育ちました。
宴会では必ず歌がでて、手拍子に合わせて、みんなひとりずつ歌を歌いました。
私が幼稚園に入ったころ、家族ぐるみのお付き合いの坂井さん一家、中川さん一家と
一緒にヘルスセンターという日帰り温泉に行きました。
その温泉の舞台では、バンドの生演奏が行われていて、飛び入りの参加者を募っていました。
歌が大好きだった私は「舞台に出て歌う~~!!」と言ったそうです。
そのとき、母は、「出て歌わなくてもいいが・・」と止めたそうです。
すると、私は、泣き出してしまい、一緒に行った坂井のおばちゃんが
「出して歌わせなさいよ~」と母に言い、一緒に舞台まで行ってくれたのだとか・・・
私は、口をパクパクあけて、大きな声で「どんぐりころころ」を歌いました。
泣いたのは忘れていましたが、歌ったのは覚えていました。
出演のお礼にもらったのは、一枚の白い温泉の名前いりのタオル・・・
今朝、実家の母と電話でその話になり、
母が「あの時のタオル、まだとってあるよ」と・・・。
「え~~~~!!!」そんなもう52年も前のことなのに・・・
母はそのタオルを使わずに、ずっととっておいてくれたそうです。
知りませんでした~~~!!
今の時代の流れに逆行した、母の”捨てない生活”には、ずいぶん文句を言いましたが、
母にとっては、全部大切な宝物・・・
ありがたく嬉しく涙がこぼれました。
やっぱり、母の愛に勝るものはないのかもしれません。
母の心 (原詩:佐藤初女 曲:高山千代美)
耐えがたきを耐え
忍び難きを忍び
許しがたきを許し
あたたかい太陽を思わせる優しいことば
冬の厳しい寒さにも値する愛情ある助言
慈しみの雨のように涙を流して共感する
和やかな風を思わせる雰囲気
それが母の心 それが母の心
それが母の心 母の心
7月23日に歌わせていただきます。