中村紘子さんの「魂に響くピアノ」をみました。
中村紘子さんは、ジュリアード音楽院に留学したとき「才能はあるけれど、演奏はひどいから一からやり直しましょう」と言わたそうです。
3歳から習ってきた弾き方は、”指を高くあげて鍵盤に強く打ち付ける弾き方”、しかし、ジュリアードの先生から求められたのは、”指先をタコの吸盤のように鍵盤につけ、なめらかに音を紡ぐ弾き方”
この弾き方を変えるのに、ピアノを始めたばかりの子ど同じような反復練習が半年続いたそうです。
その演奏法を習って日本に帰ると、日本の上の世代の先生たちとの間に深い溝ができ、ピアニストをやめたいと思うようになったそうです。しかも、子供の時に、一度身に着けた弾き方は、なかなか治らなかったそうです。
いろんな影響をうけて、納得のいく演奏ができるようになったのは50歳の時だったそうです。
人にはわからないような苦労や努力を経て、ピアニストとしての一生を全うされたのだと思います。素晴らしい演奏の影には、いろんなことありますね。それを乗り越えた人が、世に出ていくのでしょうね。
また中村紘子さんのレッスンは、あくまでピアニスト目線!!
”この曲で何をお客さん伝えたいか、何を言いたいかをちゃんともって自分だけの音楽を” だったそうです。
身体全体を使って演奏し、人それぞれのイマジネーションをもって演奏する、人生への思いがあふれた演奏・・
心こめて歌うことに集中する・・・
そのお姿はとても素晴らしく感動しました。