レッド・ライ

子供の頃に大人に吹き込まれたとんでもない冗談で、真に受けてずっと信じてた事ってありませんか?
あぁ、あれは騙されてたのか、と物心ついてから気付いて苦笑いするような。
子供って純真だから、なんでも信じちゃうんですよね。
いつ頃なんだろう。そんな純真さを失くしてしまったのは。
他人の言う事や物事を何でも疑ってかかったり、斜めに見たりするようになってしまったのは。
今ではすっかり、騙される側ではなく騙す側の人間になっている自分の姿に気付く。
もう馬鹿な冗談を真に受ける事もない。
子供の頃の、他人が言う事を何でも信じていた、あの素直な自分に戻りたい。
騙されて傷ついてもいい。笑われてもいい。
あの頃の素直な自分に・・・。

そんな思いがふとわいたのは、客の入りもまばらな深夜のラーメン店で『へいっお待ちぃ』と、わしの前にラーメンが置かれた時のことです。
子供の頃に騙されてずっと信じていた物体の姿を、
おかげで十数年間食わず嫌いだった物体の姿を、
ラーメンの器の中に認めたからなんです。





シナチクは割箸を三年間煮込んだモノ



もう一度そんな嘘に踊らされたい。
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