帰省1日目

都心から電車に揺られて約1時間半。
車窓にのどかな田園風景が広がり始めてほどなくの所に、わしの育った小さな町があります。
ギリギリ通勤圏内なのでベッドタウンとしての宅地開発が進み、今や田んぼも畑もだんだん姿を消しつつある、そんな町。

町の名は『幸手(さって)』といいます。
子供の頃、我が町に初めて誕生したファストフードショップの名は
『サッテリア』
数年後、ほんの数メートル先に

ロッテリアが出来て潰れたけどな。

そんなお茶目な町からこんばんは。帰省中のマスターです。


夕方東京を発ち、実家に到着したのは夜8時半。
すでにデキあがって御機嫌さんの父と、待ちくたびれちゃったわヨと笑う母が迎えてくれ、ナイター中継なぞ観つつ楽しく食卓を囲みました。
久しぶりに頑固親父の晩酌の相手をしつつ、久しぶりのおふくろの味を堪能しつつ、
あぁ、実家ってええなぁ。
もっと頻繁に帰って来てやらんとなぁ。
二人とももう年なんだし。
などと、しみじみ思ったのでした。

『東京さ出て音楽で身を立てるんじゃぁぁぁぁ』
と家を飛び出して、早12年。
帰省する度に、皺も白髪も増え、どんどん背が丸まっていく両親。

ちゃぶ台の引っくり返し方なら星一徹の数枚も上手だったあの頃の父の姿は今はもう、ない。
父にやられた傷口を手で押さえた半ベソのわしに、『なんでこんな横暴な男と別れないの?』と真剣に尋ねられ、返事に困ってわしの涙をただ黙って拭いてくれていた母の姿ももう、ない。
二人とも、まぁるい、ただひたすらまぁるい、仏様のような温厚な『お年寄り』になっている。

あの頃、なんであんなに嫌いだったんだろ。
こんなにかけがいのない存在なのに、あの頃、なんで気付かなかったんだろ。
・・・ごめんね。ごめんね父上、母上。
・・・わし、馬鹿だったんだよね。
・・・馬鹿げの至りだったんだよね。
・・・こんなに大事なもの、見えていなかったなんて。

・・・でも。でもですよ父上、母上。
・・・せっかく久しぶりに娘が帰って来て、しみじみモードになってる時くらい、

9時に寝ちゃうのは止めて下さい(泣)

8時半に帰って来て、まだ顔合わせて30分足らずだっちゅうですよ。
いや、分かってます。年を取ると朝も夜も早くなっちゃうんですよね。
わしもちったぁ大人になったんで、それくらい知ってますとも。ええ、ええ。

・・・でもね。
可愛い娘の帰郷の宴はまだ始まったばかりですよ。
わし、まだ『とりあえずビール』呑んでる最中ですよ。
『いやぁっもぉぉぉぅ!ナイター終わったし!巨人勝ったし!思い残す事はない!!』とか言いつつ、元気に寝に行っちゃうのは止めて下さいぃぃぃ(泣)


んなもんだからね。
当分カクテル更新できないなぁ、楽しみに待ってて下さる常連さんに申し訳ないなぁ、などと危惧していたんですが。
せっかくの帰省初日に、いきなり実家のPC立ち上げて、しこしこカクテル書いてみちゃったりなんかしてるわしですことよ。

・・・だって。
・・・寂しいんですもの。

田舎の夜は長いからぁぁぁ(泣)


虫がシンシン鳴いてます。
・・・かえって毎日更新できるかも(泣)
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