13日、「ラマ9世大王記念公園」に立像されたプミポン前国王の除幕式に、ワチラロンコン
国王とプラユット首相が揃って出席しました。こうしてお二人が一緒するのは久々でしょう。
そう言えば 時間のズレはありましたが、お二人はいずれも、元警官の男による銃乱射事件が
起きた東北部にある県の保育施設を訪れ、被害者家族をも慰問していました。こうして国王と
首相が被害者家族を慰問するなんて、今までに無いことです。24人の子供を含む38人が
犠牲となった事件は、それほどタイ社会に、海外にも与えた衝撃は大きいものでした。
また、タイ国で昔から社会の懸念事項となっている「銃所持と違法薬物」という二つの
問題が改めて浮き彫りに … この二つは無法地帯と言っても言い過ぎでは無いかも。
この銃乱射事件は起こるべきして起きた事件です。大事件が生じて、改めて認識されます。
ワチラロンコン国王夫妻が事件現場にも行かれましたが、直接 赴くのは極めて異例なこと。
国王は家族らを前に「哀悼の意」を表明し、“深く悲しんでいる。この気持ちは皆さんと
共有している” と述べ、犠牲になった子供たちの冥福を祈りました。また、“支援が
必要なら手助けする用意があるので言ってほしい” と約束されたといいます。
プラユット首相は慰問後、11日の閣議で、“今回の事件は容疑者の麻薬の問題と心理的な
状況が要因とみられる” と述べ、銃や麻薬に関する対策の強化を関係機関に指示しています。
具体的には、銃の管理をこれまで以上に厳格化するほか、麻薬の密売人の捜査など、取り
引きの取締りの強化を求めたといいます。こんな事、普段からやってほしい問題ですけどネ。
タイ国では許可を得れば銃を所持することが認められています。スイスのジュネーブにある
国際開発研究大学院にある独立した研究機関、SAS(Small Arms Survey)によると、2017年
時点で民間人が保有する銃は、1,034万丁余りと、東南アジアの中で最も多いといいます。
SASは、世界からの情報を元に、小型武器と武力による暴力問題に関する研究をしています。
銃による犯罪では、フィリピンに次いで東南アジアで二番目に多いと言われています。その
一千万丁余りの約6割が合法的に登録され、残りは違法だといいます。銃の所持許可証が
無ければ拳銃を買うことができませんが、手製の模造銃なら銃の闇市場で入手可能です。
比較的に簡単に入手できる為、街頭犯罪や家庭内暴力、専門学校間の闘争に利用されがちです。
しかし、今回のように38人も犠牲になる銃乱射事件は初めてで、大きな衝撃でした。 銃や
麻薬が絡む犯罪の防止に向けて、プラユット首相の本気度のある対策と実務を待ちましょう。
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