著者長澤寛道先生からの献本です。
実は、かなり以前に頂戴しながら「積ん読」状態でした。私は、化学が苦手で、自慢できることではありませんが、高校時代、欠点ばかりをとっていました。欠点と言っても「短所」という意味ではなく、「学校の成績で、必要な点数に足らない」という意味です。最近の言葉で言うと、落第点でしょうか。
この本を頂戴したのは、「第5章 はじめて結晶化されたホルモンをめぐって」に、当寺が所蔵する「上中啓三 アドレナリン実験ノート」の1ページが紹介されていたからです。当寺には、上中啓三氏の顕彰碑もあります。
上中氏が名塩の出身と言うことで、生理学の傍ら医学史を研究していた先代住職(私の父)が発願して、この顕彰碑が建てられました。
顕彰碑の裏面には、寄付をいただいた皆様の名前も残されています。
父の命を受けて、私が東京の製薬会社や出版社を訪ねましたっけ。寄贈者の最後にある「山下愛子」さんは、長年、アドレナリンについての研究をされて、歴史の中に埋もれていた上中啓三氏の業績を世に知らしめた方です。