長雨に祟られて、当地の染井吉野は散り始めました。
当寺近くの新興住宅地の道路。桜通りと名付けられています。
散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ
明智光秀の三女として生まれ、細川家に嫁ぎ、キリスト教に帰依し、西軍の人質になることを拒んで死を選んだ細川ガラシャの辞世の句です。
昔、古文で習った「こそ~なれ」の「強調を表す係り結び」ですね。(うぅ、ゾッとする) 散るべき時を知っているからこそ、世の中の花は花であることができる。同様に、私も人として死ぬべき時を知っているからこそ、人であることができるのだ。ざっくり訳せば、そういう意味でしょう。
どうでも良いことかもしれませんが、この係り結びというのは、万葉集や平安時代の歌や文にはよく出てきますが、鎌倉時代以降は、歌以外で使われなくなるようです。鎌倉時代というのは、武士の台頭だけでなく、日本語が大きく変わった時期なのかもしれません。