(一) 博士の出世
私の愛する庭の博士こと、レットバトラーの近況をお伝えします。
去る5月8日、新店舗を持ちました。何とそれも株式会社として躍進の開店です。市民市場の近くで、鈴和商店の向かい。店の名前は前と同じ“百花展『花ごよみ』”(ひゃっかてん?百貨店の心意気でしょうか)。時折山野草の幟がひらめいています。山野草が博士の専門領域で生き字引(今ではコンピューター)並みの知識を持っておられます。
元の小さくて見すぼらしい店で商売が成り立つのか、私は人知れず案じてきました。「ウチの見せは車を持たぬ年輩の婦人層」「一回500円か2000円止まりの買い物をする人だけ」「オレは全然もうけようと考えない、店の貸借料とパート店員の給料とオレの飲み代月10万あればいい」という無欲さ。
ところがです。世の中は面白いですね。強力なパトロンがついていたのです。秋田で一・二の会員を擁する茶道の家元とのご縁が出来ました。茶花を提供するというつながりが生じました。茶席に用いられる茶花は特殊な世界です。普通の花やさんの流通機構からはみ出す特殊なものらしいです。山野草を育てている博士が脚光を浴びるようになったわけです。例えばこの二月90歳の誕生日を迎える家元の盛大なお祝い茶会が開かれました。某ホテルで一千人招待のものです。さあ茶花の注文が一年前から入りました。「延齢草」の氏名です。茶会の主旨にそった重大な役割をもちます。博士の出番です。秋田で最も寒さが厳しい二月○日7・8分咲きの8を育てなくてはならない。一鉢だけでは失敗も伴うので五鉢準備し、冬ストーブの暖を借りたりしながら無事納入する。謝礼は大きい。「ケタが一つ違うんだ。」
百花展「花ごよみ」の新店舗もユニークな造りです。茶花提供の店らしく半分高くした畳敷きの空間を設け、そこで茶の湯もできる形です。床の間茶道具も準備され博士流!?の茶花が飾られる。あと半分はテーブルとイスのサロン風。イスに腰掛けて博士の人間コンピュータ講義を伺うことになります。扱う商品は花のほかに野菜と骨董品(二回に山ほど積まれているらしいですがまだ整理がついていないとの事)野菜は博士こだわりの有機栽培で自信まんまん。ちなみに店は会員制です。会員の紹介によって加入できるしくみですが、会員でなくてもフラリ店に行って買うことも可能。(休日:水曜・日曜)
博士は朝早く起きては畑仕事。社長兼、百姓兼、山野草栽培家。週一回会員宅に野菜や花の宅配。八面六臂の大活躍です。「オレの骨密度は軽く100をオーバーしているんだ。検査すると測定不能と出るんだ。ハハハ」野生型レットバトラーの面目躍如ではありませんか!
店の入り口に愉快な木彫りの看板がかかっています。「宮内庁御用無」大家さんの作品らしいですが、博士お気に入りの立て札です。先日伺った時は玉ねぎとニンニクがインテリアのようにぶら下がっていましたが、葉物野菜は並べていません。段ボール箱に入れておくそうです。鮮度を保つためですね。
(二)わが道を行こう
博士の動きを拝見しておりますとオリジナルな生き方が輝いて見えます。不景気が叫ばれる今の日本ですが、博士のような元気な人もいるのです。人マネでなく、自分の得意分野で株式会社を起こし―――(もっとも一円あると株式会社は設立できるとか)―――花と野菜と骨董品で自分も人も喜ぶ道を歩いています。愛するレットバトラーをますます応援したくなります。
最近、山川亜希子さんの新しい本を読みました。『宇宙で唯一の自分を大切にする方法』(To you only one in the World)大和書房
「あなたはこの世界にたった一人しかいないかけがえのない存在です。この世界で余計な人は一人もいません。誰もがそれぞれに自分の、自分にしかできない生き方をするためにここにいるのです」
オンリーワンとはよく言われますが、ようやくストンと心の中に入るようになりました。ダメなところ一杯あるけど私はOnly One。どこを見ても私と同じ人はいない。神さまはそのように一人ひとりを創り、限りない愛のシャワーを注いで生かして下さっている。何というありがたさ。何というよろこび。自分も人も、みんなを抱きしめたい。人間っていいなあ!
いしかわようこ
私の愛する庭の博士こと、レットバトラーの近況をお伝えします。
去る5月8日、新店舗を持ちました。何とそれも株式会社として躍進の開店です。市民市場の近くで、鈴和商店の向かい。店の名前は前と同じ“百花展『花ごよみ』”(ひゃっかてん?百貨店の心意気でしょうか)。時折山野草の幟がひらめいています。山野草が博士の専門領域で生き字引(今ではコンピューター)並みの知識を持っておられます。
元の小さくて見すぼらしい店で商売が成り立つのか、私は人知れず案じてきました。「ウチの見せは車を持たぬ年輩の婦人層」「一回500円か2000円止まりの買い物をする人だけ」「オレは全然もうけようと考えない、店の貸借料とパート店員の給料とオレの飲み代月10万あればいい」という無欲さ。
ところがです。世の中は面白いですね。強力なパトロンがついていたのです。秋田で一・二の会員を擁する茶道の家元とのご縁が出来ました。茶花を提供するというつながりが生じました。茶席に用いられる茶花は特殊な世界です。普通の花やさんの流通機構からはみ出す特殊なものらしいです。山野草を育てている博士が脚光を浴びるようになったわけです。例えばこの二月90歳の誕生日を迎える家元の盛大なお祝い茶会が開かれました。某ホテルで一千人招待のものです。さあ茶花の注文が一年前から入りました。「延齢草」の氏名です。茶会の主旨にそった重大な役割をもちます。博士の出番です。秋田で最も寒さが厳しい二月○日7・8分咲きの8を育てなくてはならない。一鉢だけでは失敗も伴うので五鉢準備し、冬ストーブの暖を借りたりしながら無事納入する。謝礼は大きい。「ケタが一つ違うんだ。」
百花展「花ごよみ」の新店舗もユニークな造りです。茶花提供の店らしく半分高くした畳敷きの空間を設け、そこで茶の湯もできる形です。床の間茶道具も準備され博士流!?の茶花が飾られる。あと半分はテーブルとイスのサロン風。イスに腰掛けて博士の人間コンピュータ講義を伺うことになります。扱う商品は花のほかに野菜と骨董品(二回に山ほど積まれているらしいですがまだ整理がついていないとの事)野菜は博士こだわりの有機栽培で自信まんまん。ちなみに店は会員制です。会員の紹介によって加入できるしくみですが、会員でなくてもフラリ店に行って買うことも可能。(休日:水曜・日曜)
博士は朝早く起きては畑仕事。社長兼、百姓兼、山野草栽培家。週一回会員宅に野菜や花の宅配。八面六臂の大活躍です。「オレの骨密度は軽く100をオーバーしているんだ。検査すると測定不能と出るんだ。ハハハ」野生型レットバトラーの面目躍如ではありませんか!
店の入り口に愉快な木彫りの看板がかかっています。「宮内庁御用無」大家さんの作品らしいですが、博士お気に入りの立て札です。先日伺った時は玉ねぎとニンニクがインテリアのようにぶら下がっていましたが、葉物野菜は並べていません。段ボール箱に入れておくそうです。鮮度を保つためですね。
(二)わが道を行こう
博士の動きを拝見しておりますとオリジナルな生き方が輝いて見えます。不景気が叫ばれる今の日本ですが、博士のような元気な人もいるのです。人マネでなく、自分の得意分野で株式会社を起こし―――(もっとも一円あると株式会社は設立できるとか)―――花と野菜と骨董品で自分も人も喜ぶ道を歩いています。愛するレットバトラーをますます応援したくなります。
最近、山川亜希子さんの新しい本を読みました。『宇宙で唯一の自分を大切にする方法』(To you only one in the World)大和書房
「あなたはこの世界にたった一人しかいないかけがえのない存在です。この世界で余計な人は一人もいません。誰もがそれぞれに自分の、自分にしかできない生き方をするためにここにいるのです」
オンリーワンとはよく言われますが、ようやくストンと心の中に入るようになりました。ダメなところ一杯あるけど私はOnly One。どこを見ても私と同じ人はいない。神さまはそのように一人ひとりを創り、限りない愛のシャワーを注いで生かして下さっている。何というありがたさ。何というよろこび。自分も人も、みんなを抱きしめたい。人間っていいなあ!
いしかわようこ